国連人権高等弁務官事務所は、ウクライナでは今月21日までに、少なくとも2435人の市民が死亡したと発表。集計の遅れなどで、実際はこれを大きく上回るとの見方を示しています。
首都キーウ近郊で多くの市民が殺害されているのが見つかったほか、東部の要衝マリウポリでは、市長がこれまでに2万人以上が死亡していると述べています。
また、ウクライナ側は、ロシア軍が、東部マリウポリの多くの住民をロシアのほか東部ドネツク州とルハンシク州に強制的に連れて行ったとしています。 ウクライナ各地から住民がロシアなどに強制的に移送された可能性もあり、こうした住民が置かれた状況を懸念する声が上がっています。
ゼレンスキー大統領は21日、経済的な損失を補填(ほてん)するため毎月70億ドルが必要で、今後のすべての復興には数千億ドルがかかると明らかにしています。 IMF=国際通貨基金が19日公表した最新の見通しによりますと、ウクライナの成長率は、マイナス35%に落ち込むとされています。 一方、ロシア国内では、欧米などによる制裁で経済への影響が指摘されています。 IMFは、ロシアの成長率について、マイナス8.5%という見通しを示しています。 物価の上昇も続いていて、ロシアの統計庁が20日に発表した最新の消費者物価指数では、15日までの1週間では、ことし初めと比べて、11.05%の上昇となりました。 ロシアの会計検査院の長官は「ことしの物価上昇率が17%から20%の範囲になる可能性がある」という見解を示していて、市民生活や経済活動への影響が続く見通しです。