フランス大統領だいとうりょう選せん 決選けっせん投票とうひょう始はじまる 大勢たいせい判明はんめいは25日にち朝あさの見通みとおし

ルペン候補こうほは、燃料ねんりょうや電気でんき代だいなどにかかる付加ふか価値かち税ぜいを20％から5.5％に引き下ひきさげるという公約こうやくを掲かかげ、20日にちのテレビ討論とうろんでは「一時いちじ的てきな方法ほうほうではなく、持続じぞく的てきに燃料ねんりょう価格かかくを引き下ひきさげる」と述のべ、庶民しょみんの生活せいかつに寄り添よりそう姿勢しせいを強調きょうちょうしています。

一方いっぽう、マクロン大統領だいとうりょうは、当面とうめんの間ま、ガスと電気でんきの料金りょうきんを据え置すえおく措置そちを実施じっししていることをアピールしていて「付加ふか価値かち税ぜいの引き下ひきさげよりも効果こうかがある措置そちだ」として、ルペン候補こうほの主張しゅちょうに反論はんろんしています。

マクロン大統領だいとうりょうは、フランスの発展はってんや平和へいわのためにEUとの結束けっそくが不可欠ふかけつだという主張しゅちょうを一貫いっかんして述のべていて、NATOとの連携れんけいも重視じゅうしすべきとする立場たちばです。

テレビ討論とうろんでは、EUの恩恵おんけいを受うけた例れいとして、新型しんがたコロナウイルスのワクチンを挙あげて、ヨーロッパでは世界せかいに先駆さきがけて生産せいさんし供給きょうきゅうすることができたとして、「どんな問題もんだいについても、強つよく統合とうごうされたヨーロッパが必要ひつようだ」と訴うったえました。

一方いっぽう、ルペン候補こうほは、EUとは距離きょりを置おく姿勢しせいで、NATOについても「フランスは自国じこくの防衛ぼうえいに専念せんねんすべきだ」として、軍事ぐんじ部門ぶもんからの離脱りだつを主張しゅちょうしています。

テレビ討論とうろんでは、EUによってフランスの主権しゅけんが奪うばわれているとしたうえで、「EUには留とまり続つづけるが、ヨーロッパ諸国しょこくの連合れんごう体たいとしてより効果こうか的てきに機能きのうするよう、改革かいかくしていきたい」と述のべ、ルペン候補こうほがかつて主張しゅちょうしていたEUからの離脱りだつについては考かんがえを否定ひていしたものの、EUを改革かいかくする必要ひつよう性せいを訴うったえました。

マクロン大統領だいとうりょうは、ロシアのプーチン大統領だいとうりょうとの対話たいわを続つづけ、外交がいこう的てきな解決かいけつの道みちを探さぐってきた一方いっぽうで、EUの議長ぎちょう国こくとしてロシアに対にたいする制裁せいさい強化きょうかの議論ぎろんを主導しゅどうしてきました。

これに対にたいし、ルペン候補こうほは8年ねん前まえのロシアによるウクライナ南部なんぶ、クリミアの一方いっぽう的てきな併合へいごうを容認ようにんするなど、ロシア寄よりの姿勢しせいを示しめしてきました。

ウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうについては、ルペン候補こうほもロシアを非難ひなんしていますが、テレビ討論とうろんなどではロシアとの関係かんけいについて慎重しんちょうに言及げんきゅうを避さけているほか、国内こくない経済けいざいへの影響えいきょうを避さけるためだとして、一部いちぶのロシアへの制裁せいさいについては反対はんたいする姿勢しせいを示しめしています。

マクロン大統領だいとうりょうは、テレビ討論とうろんでルペン候補こうほが前回ぜんかいの大統領だいとうりょう選挙せんきょの際さいにロシアの金融きんゆう機関きかんから融資ゆうしを受うけ今いまも返済へんさいを続つづけていると指摘してきしたうえで、「ロシアから自律じりつした政権せいけん運営うんえいはできないのでは」と主張しゅちょうしました。

一方いっぽう、ルペン候補こうほはロシアの金融きんゆう機関きかんから融資ゆうしを受うけた事実じじつは否定ひていせず、「私わたしは全まったく自由じゆうで独立どくりつした女性じょせいだ」と述のべ、懸念けねんはあたらないと反論はんろんしています。

5年ねん前まえ、マクロン大統領だいとうりょうは決選けっせん投票とうひょうでの得票とくひょう率りつが66.10％、一方いっぽうのルペン候補こうほは33.90％で、大差たいさでマクロン大統領だいとうりょうが勝利しょうりしました。

しかし、今回こんかいの決選けっせん投票とうひょうでは22日にち時点じてんの世論せろん調査ちょうさで、投票とうひょうする候補こうほを決きめている有権者ゆうけんしゃのうち、55％がマクロン大統領だいとうりょうに、45％がルペン候補こうほに投票とうひょうするとしていて、その差さは前回ぜんかいよりも格段かくだんに縮ちぢまっています。

また、今月こんげつ10日にちに行おこなわれた1回かい目めの投票とうひょうで、3位い以下いかの候補こうほ者しゃに投票とうひょうした人ひとのうち、決選けっせん投票とうひょうでの投票とうひょう先さきをまだ決きめていない人ひとも多おおくいます。

このうち、1回かい目めの投票とうひょうでおよそ22％の票ひょうを獲得かくとくし、3位いとなった急進きゅうしん左派さはのメランション氏しは、主おもな支持しじ層そうが労働ろうどう者しゃや低てい所得しょとく者しゃ層そうなどでルペン候補こうほと重かさなっています。

メランション氏しに投票とうひょうした人ひとのうち、44％は決選けっせん投票とうひょうでの態度たいどを明あきらかにしておらず、専門せんもん家かは状況じょうきょうによってはこの票ひょうがルペン候補こうほに積つまれ、当選とうせんするケースも考かんがえられると指摘してきしています。

このため、極右きょくう政党せいとうの政権せいけんが誕生たんじょうすることへの警戒けいかい感かんから、敗退はいたいした候補こうほの多おおくが早々そうそうとマクロン大統領だいとうりょうの支持しじを表明ひょうめいしたほか、フランスの左派さはの新聞しんぶんには「今度こんどは本当ほんとうにまずい」という見出みだしも躍おどる事態じたいになっています。

ルペン候補こうほは、今回こんかいの選挙せんきょで移民いみん排斥はいせきやEUからの離脱りだつなどの過激かげきな主張しゅちょうを封ふうじ、穏健おんけん化か路線ろせんを進すすめて支持しじの拡大かくだいを図はかってきました。

さらに、ウクライナ情勢じょうせいを受うけて燃料ねんりょう価格かかくなど物価ぶっかが高騰こうとうするなか、ガソリンなどにかかる付加ふか価値かち税ぜいの大幅おおはばな減税げんぜいなど、市民しみんの生活せいかつに身近みぢかな政策せいさくを重点的じゅうてんてきに訴うったえることで、マクロン政権せいけんに強つよい不信ふしん感かんを抱いだく地方ちほうの低てい所得しょとく者しゃ層そうの受け皿うけざらにもなってきました。

一方いっぽう、マクロン大統領だいとうりょうはテロ対策たいさくや気候きこう変動へんどう対策たいさく、制度せいど改革かいかくなどさまざまな課題かだいに取り組とりくんできましたが、痛いたみを伴ともなう改革かいかくは強つよい反発はんぱつも招まねきました。

また、物価ぶっか高騰こうとうへの対応たいおうとして、当面とうめんの間ま、ガスと電気でんきの料金りょうきんを据え置すえおく措置そちを実施じっししていますが、年金ねんきん支給しきゅう年齢ねんれいの引き上ひきあげなど不人気ふにんきな公約こうやくも掲かかげていて、ルペン候補こうほに差さを縮ちぢめられる要因よういんにもなっています。

ロシアがウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうを始はじめる前日ぜんじつの2月つき23日にちの時点じてんでは、1回かい目めの投票とうひょうでマクロン大統領だいとうりょうに投票とうひょうすると答こたえた人ひとの割合わりあいは各かく世論せろん調査ちょうさの平均へいきんで25％でした。

これに続つづいて極右きょくう政党せいとうの前ぜん党首とうしゅのルペン候補こうほが17％、移民いみん排斥はいせきなどのより過激かげきな言動げんどうで注目ちゅうもくを集あつめた極右きょくうのゼムール候補こうほが13％となっていました。

しかし、2月つき24日にちに軍事ぐんじ侵攻しんこうが始はじまって以降いこう、マクロン大統領だいとうりょうへの支持しじは上昇じょうしょうし、3月つき9日にちの時点じてんで30％と、2位いにつけていたルペン候補こうほを一時いちじ、13ポイントも上回うわまわりました。

マクロン大統領だいとうりょうは、ロシアのプーチン大統領だいとうりょうと繰り返くりかえし、会談かいだんを行おこない、EU＝ヨーロッパ連合れんごうの議長ぎちょう国こくとして、ロシアへの制裁せいさいの議論ぎろんも主導しゅどうしていました。

専門せんもん家かは、危機ききに直面ちょくめんしたときに国民こくみんが指導しどう者しゃのもとに結束けっそくする「旗はたの効果こうか」が、マクロン大統領だいとうりょうへの支持しじとなって表あらわれたと指摘してきしています。

マクロン大統領だいとうりょうがそのまま優位ゆういを保たもち再選さいせんするのではとみられたフランスの大統領だいとうりょう選挙せんきょですが、ロシアによる軍事ぐんじ侵攻しんこうが長期ちょうき化かするにつれ状況じょうきょうが変かわってきます。

ロシアへの経済けいざい制裁せいさいの影響えいきょうもあり、エネルギーや食料しょくりょうなどの価格かかくが急激きゅうげきに上昇じょうしょうするなか、選挙せんきょ戦せんでのもっとも重要じゅうような争点そうてんとして、国民こくみんは「購買こうばい力りょく」をあげるようになりました。

こうした中なか、支持しじを広ひろげたのがルペン候補こうほです。

ルペン候補こうほは、高騰こうとうする物価ぶっかへの対策たいさくとして付加ふか価値かち税ぜいの大幅おおはばな減税げんぜいを行おこなうべきだと重点的じゅうてんてきに訴うったえ、低てい所得しょとく者しゃ層そうや地方ちほうの労働ろうどう者しゃ層そうから支持しじを集あつめることに成功せいこうしました。

3月つき上旬じょうじゅんまで17％ほどだったルペン候補こうほの支持しじは、3月つき下旬げじゅんから上昇じょうしょうをはじめ、今月こんげつ10日にちに行おこなわれた1回かい目めの投票とうひょうでの得票とくひょう率りつは23.1％となりました。

さらに、急進きゅうしん左派さはのメランション候補こうほも購買こうばい力りょくの強化きょうかを訴うったえて急速きゅうそくに支持しじを伸のばし、1回かい目めの投票とうひょうではおよそ22％を獲得かくとくし3位いにつけました。

一方いっぽうで、マクロン大統領だいとうりょうの1回かい目めの投票とうひょうでの得票とくひょう率りつは27.8％にとどまりました。

決選けっせん投票とうひょうでの各かく候補こうほへの支持しじは、今月こんげつ22日にちの時点じてんの各かく世論せろん調査ちょうさの平均へいきんで、マクロン大統領だいとうりょうが55％、ルペン候補こうほが45％となっています。

マクロン大統領だいとうりょうに投票とうひょうした34歳さいの女性じょせいは「フランスは民主みんしゅ主義しゅぎの国くにだ。ルペン候補こうほはフランスのリーダーにはなれない」と話はなしていました。

また、51歳さいの会社かいしゃ員いんの女性じょせいも「新型しんがたコロナウィルス対策たいさくなどマクロン大統領だいとうりょうは多おおくの実績じっせきを残のこした」と述のべ、マクロン大統領だいとうりょうに投とうじたと話はなしていました。

一方いっぽう、年金ねんきん暮くらしの65歳さいの女性じょせいは「マクロン大統領だいとうりょうは多おおくの産業さんぎょうを外国がいこくに売り渡うりわたすなど、経済けいざいや医療いりょうをひどい状態じょうたいにしてしまった。ベストではないがルペン候補こうほのほうがまだましだ」と述のべ、ルペン候補こうほに投票とうひょうしたということです。

また、スポーツジムを経営けいえいしている35歳さいの男性だんせいは「マクロン大統領だいとうりょうはこの5年間ねんかん、何なにも実績じっせきを残のこせなかったが、ルペン候補こうほも多様たようなフランス社会しゃかいの代表だいひょうとするにはふさわしくない。どちらの候補こうほにも投票とうひょうできなかった」と述のべ、悩なやんだ末すえに白紙はくしで投票とうひょうしたと話はなしていました。

このうち現職げんしょくのマクロン大統領だいとうりょうは、ブリジット夫人ふじんとともに自宅じたくのある北部ほくぶのルトゥケの投票とうひょう所しょを訪おとずれ、支持しじ者しゃと握手あくしゅを交かわしたり、写真しゃしん撮影さつえいに応おうじたりしたあと、投票とうひょうしました。

また、極右きょくう政党せいとうのルペン前ぜん党首とうしゅは、党とうの地盤じばんのひとつの北部ほくぶのエナン・ボーモン投票とうひょう所しょを訪おとずれ、有権者ゆうけんしゃとの写真しゃしん撮影さつえいににこやかに応おうじたあと、1票ひょうを投とうじました。