日本新闻: 北朝鮮 20発余りミサイル発射南北分断後初海上境界線越えも

北朝鮮きたちょうせんは2日にち、南北なんぼくの分断ぶんだん後ご初はじめて、海上かいじょうの境界きょうかい線せんを越こえる形かたちを含ふくめて、短距離たんきょり弾道だんどうミサイルなど20発はつ余あまりのミサイルを発射はっしゃしました。韓国かんこく軍ぐんはアメリカ軍ぐんと共同きょうどうで4日にちまで空軍くうぐんによる大だい規模きぼ訓練くんれんを行おこなう予定よていで、北朝鮮きたちょうせんがさらなる挑発ちょうはつに出でて朝鮮ちょうせん半島はんとうの緊張きんちょうが一段いちだんと高たかまる事態じたいが懸念けねんされます。

韓国かんこく軍ぐんによりますと、北朝鮮きたちょうせんは、2日にち午前ごぜん6時じ台だいから9時じ台だいにかけて、東部とうぶや北西ほくせい部ぶなど複数ふくすうの場所ばしょから短距離たんきょり弾道だんどうミサイルなど少すくなくとも17発はつを、午後ごご4時じ台だいから5時じ台だいにかけては、東部とうぶや西部せいぶから地ち対空たいくうミサイルなど6発はつを、日本海にほんかいや朝鮮ちょうせん半島はんとう西側にしがわの黄海こうかいに向むけて発射はっしゃしました。

北朝鮮きたちょうせんが一いち日にちに20発はつを超こえるミサイルを発射はっしゃするのは、極きわめて異例いれいです。

このうち、午前ごぜん8時じ台だいに東部とうぶのウォンサン（元山もとやま）付近ふきんから日本海にほんかいに向むけて発射はっしゃされた短距離たんきょり弾道だんどうミサイル3発はつのうち1発はつは、国連こくれん軍ぐんが設定せっていした海上かいじょうの境界きょうかい線せんであるNLL＝北方ほっぽう限界げんかい線せんを越こえて、韓国かんこく東部とうぶの日本海にほんかいにあるウルルン（鬱陵りょう）島とうの北西ほくせい167キロの公海こうかい上じょうに落下らっかしたということです。

韓国かんこく軍ぐんの合同ごうどう参謀さんぼう本部ほんぶは、NLLを越こえて韓国かんこくの領海りょうかい近ちかくにミサイルが落下らっかしたのは南北なんぼくの分断ぶんだん後ご初はじめてだとして、北朝鮮きたちょうせんを非難ひなんしました。

ウルルン島とうを中心ちゅうしんとする地域ちいきでは一時いちじ、空襲くうしゅう警報けいほうが発令はつれいされ、韓国かんこくメディアは、北朝鮮きたちょうせんの弾道だんどうミサイルによる韓国かんこく国内こくないでの空襲くうしゅう警報けいほうは6年ねん9か月かげつぶりだと伝つたえています。

韓国かんこく軍ぐんは対抗たいこう措置そちとして、複数ふくすうの戦闘せんとう機きがNLLの北側きたがわの公海こうかいに向むけて、空そら対地たいちミサイル3発はつを発射はっしゃする異例いれいの対応たいおうを取とりました。

韓国かんこく軍ぐんによりますと、北朝鮮きたちょうせんはこれに対にたいして、午後ごご1時半じはんごろ、東部とうぶから日本海にほんかいに向むけておよそ100発はつの砲撃ほうげきを行おこなったということです。

韓国かんこく軍ぐんはアメリカ軍ぐんと共同きょうどうであさってまで空軍くうぐんによる大だい規模きぼ訓練くんれんを行おこなう予定よていで、北朝鮮きたちょうせんがさらなる挑発ちょうはつに出でて朝鮮ちょうせん半島はんとうの緊張きんちょうが一段いちだんと高たかまる事態じたいが懸念けねんされます。

韓国かんこく軍ぐん “挑発ちょうはつ即時そくじ中断ちゅうだんを” 北朝鮮きたちょうせん側がわに警告けいこく

韓国かんこく軍ぐんの合同ごうどう参謀さんぼう本部ほんぶは、北朝鮮きたちょうせんが2日にち午後ごご1時半じはんごろ、東部とうぶカンウォン（江原えばら）道みちから日本海にほんかいに向むけて、およそ100発はつの砲撃ほうげきを行おこなったと発表はっぴょうしました。

韓国かんこくと北朝鮮きたちょうせんは、2018年ねんに南北なんぼくの海上かいじょうの境界きょうかい線せん付近ふきんに定さだめた海域かいいきへの砲撃ほうげきは行おこなわないことで合意ごういしていましたが、韓国かんこく軍ぐんによりますと、10月つきに続つづいて該当がいとうする北朝鮮きたちょうせん側がわの海域かいいきに着弾ちゃくだんしたことが確認かくにんされたということです。

合同ごうどう参謀さんぼう本部ほんぶは、南北なんぼくの軍事ぐんじ合意ごういに明白めいはくに違反いはんしているとして、北朝鮮きたちょうせん側がわに対にたいし挑発ちょうはつを即時そくじに中断ちゅうだんするよう警告けいこくしたとしています。

韓国かんこく軍ぐんは対抗たいこう措置そちとして複数ふくすうの戦闘せんとう機きがNLLの北側きたがわの公海こうかいに向むけて、空そら対地たいちミサイル3発はつを発射はっしゃする極きわめて異例いれいの対応たいおうを取とりました。

韓国かんこく軍ぐんによりますと、北朝鮮きたちょうせんはこれに対にたいして、午後ごご1時半じはんごろ、南東なんとう部ぶから日本海にほんかいに向むけて砲撃ほうげきおよそ100発はつを行おこなったということです。

また、日本にっぽん政府せいふは午後ごご4時じ台だいにも、東側ひがしがわの海岸かいがん付近ふきんから少すくなくとも1発はつの弾道だんどうミサイルの可能かのう性せいがあるものが東ひがし方向ほうこうに発射はっしゃされたと明あきらかにしました。

韓国かんこくでは韓国かんこく軍ぐんとアメリカ軍ぐんによる大だい規模きぼな共同きょうどう訓練くんれんが4日にちまで行おこなわれる予定よていです。

北朝鮮きたちょうせんは訓練くんれんの中止ちゅうしを求もとめる一方いっぽう、「より強化きょうかした次つぎの段階だんかいの措置そちを考慮こうりょする」として、さらなる挑発ちょうはつに出でる可能かのう性せいもあり南北なんぼく間かんの緊張きんちょう激化げきかへの懸念けねんが強つよまっています。

NLL＝北方ほっぽう限界げんかい線せんとは

韓国かんこくと北朝鮮きたちょうせんの境界きょうかい線せんをめぐっては、1953年ねんに結むすばれた朝鮮ちょうせん戦争せんそうの休戦きゅうせん協定きょうていで、陸上りくじょうの軍事ぐんじ境界きょうかい線せんと非ひ武装ぶそう地帯ちたいは明確めいかくに定さだめられましたが、海上かいじょうの境界きょうかい線せんは規定きていされませんでした。

このため、アメリカ軍ぐんが主導しゅどうする国連こくれん軍ぐんは偶発ぐうはつ的てきな衝突しょうとつを避さけるため、休戦きゅうせん協定きょうていの調印ちょういんからおよそ1か月かげつ後ごに、日本にっぽん海うみと朝鮮ちょうせん半島はんとう西側にしがわの黄海こうかいにNLL＝北方ほっぽう限界げんかい線せんを設定せっていしました。

これに対にたいし、北朝鮮きたちょうせんは「一方いっぽう的てきなもので無効むこうだ」と主張しゅちょうしてNLLを認みとめず、より南側みなみがわの海域かいいきに独自どくじの境界きょうかい線せんを定さだめたため、南北なんぼく間かんでは、これまで軍事ぐんじ的てきな衝突しょうとつが繰り返くりかえされてきました。

▽1999年ねん、韓国かんこく西部せいぶのヨンピョン（延坪のべつぼ）島とうの沖合おきあいの黄海こうかいで北朝鮮きたちょうせん軍ぐんの警備けいび艇ていなど7隻せきがNLLを越こえ、韓国かんこくの警備けいび艇ていと銃撃じゅうげき戦せんになり、北朝鮮きたちょうせん軍ぐんの少すくなくとも2隻せきが沈没ちんぼつしました。

▽2002年ねんには、同おなじヨンピョン島とうの沖合おきあいで、NLLを越こえた北朝鮮きたちょうせん軍ぐんの警備けいび艇ていが韓国かんこく軍ぐんの警備けいび艇ていを砲撃ほうげきして6人にんが死亡しぼうしたほか、韓国かんこく軍ぐんも砲撃ほうげきを行おこなった結果けっか、北朝鮮きたちょうせん側がわで30人にん以上いじょうが死傷ししょうしたとみられています。

▽さらに2009年ねんにも、北朝鮮きたちょうせん軍ぐんの警備けいび艇ていがテチョン（大だい青あお）島とうの沖合おきあいの黄き海上かいじょうのNLLを越こえて韓国かんこく軍ぐんの警備けいび艇ていとの間まで銃撃じゅうげき戦せんとなり、韓国かんこく側がわにけが人けがにんはありませんでしたが、韓国かんこく軍ぐんは、北朝鮮きたちょうせん側がわに多数たすうの死傷ししょう者しゃが出でたという見方みかたを示しめしていました。

北朝鮮きたちょうせん境界きょうかい線せん付近ふきんで軍事ぐんじ的てきな挑発ちょうはつ繰り返くりかえす

アメリカ軍ぐんと韓国かんこく軍ぐんによる共同きょうどう訓練くんれんが相次あいついで行おこなわれる中なか、北朝鮮きたちょうせんは先月せんげつ中旬ちゅうじゅん以降いこう、南北なんぼくを隔へだてる陸上りくじょうの軍事ぐんじ境界きょうかい線せんや、海上かいじょうの境界きょうかい線せんにあたるNLL＝北方ほっぽう限界げんかい線せんの付近ふきんで、軍事ぐんじ的てきな挑発ちょうはつを繰り返くりかえしています。

先月せんげつ13日にちの夜よる遅おそく、北朝鮮きたちょうせんの軍用ぐんよう機き10機き余あまりが、軍事ぐんじ境界きょうかい線せん付近ふきんに設定せっていされている飛行ひこう禁止きんし区域くいきの近ちかくまで接近せっきんし、韓国かんこく軍ぐんの戦闘せんとう機きがスクランブル＝緊急きんきゅう出動しゅつどうしました。

翌日よくじつ、北朝鮮きたちょうせん軍ぐんは未明みめいと午後ごごの2回かい、日本にっぽん海うみと朝鮮ちょうせん半島はんとう西側にしがわの黄海こうかいに向むけて多数たすうの砲撃ほうげきを行おこない、2018年ねんの南北なんぼく軍事ぐんじ合意ごういで砲撃ほうげきは行おこなわないとしていたNLL付近ふきんの海域かいいきに着弾ちゃくだんさせました。

北朝鮮きたちょうせん軍ぐんの総そう参謀さんぼう部ぶは声明せいめいを発表はっぴょうして、韓国かんこく側がわが前線ぜんせん地域ちいきで砲撃ほうげきを行おこなったと非難ひなんし、「挑発ちょうはつ的てきな行動こうどうを重おもくみて強力きょうりょくな軍事ぐんじ行動こうどう措置そちを講こうじた」と主張しゅちょうしました。

同おなじ海域かいいきに向むけた砲撃ほうげきは、先月せんげつ18日にちから2日にち続つづけて再ふたたび行おこなわれ、北朝鮮きたちょうせん軍ぐんは、韓国かんこく側がわに対にたいする威嚇いかく・警告けいこく射撃しゃげきだったと強調きょうちょうしました。

さらに先月せんげつ24日にちには、韓国かんこく西部せいぶのペンニョン島とうの沖合おきあいの黄海こうかいで、北朝鮮きたちょうせんの商船しょうせん1隻せきがNLLを越こえたため、韓国かんこく軍ぐんの艦船かんせんが警告けいこく射撃しゃげきを行おこなって退去たいきょさせましたが、北朝鮮きたちょうせん軍ぐんはこれに対抗たいこうして付近ふきんの海域かいいきに向むけ、ロケット砲ほう10発はつを発射はっしゃしていました。