米国経済成長率、10~12月期は1.4%増に減速
米商務省が20日に発表した2025年10~12月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)は、年率換算で前期比1.4%増にとどまり、7~9月期の4.4%増から大幅に減速した。これは、ファクトセットによるエコノミスト予想の1.9%増も下回る結果であった。2025年通年のGDP成長率は2.2%増となり、2020年以来最も低い水準にとどまった。
歴史的な政府機関の閉鎖が経済活動の足かせとなり、新型コロナウイルス感染症の流行以降で最も低調な成長率に終わった1年であった。もっとも、2024年春にトランプ大統領が包括的な関税措置を導入した際、エコノミストが懸念した最悪の事態には至らず、関税や移民対策の強化、雇用創出の鈍化などの要因が重なったものの、富裕層による消費が経済成長を下支えしたという指摘がなされている。
ウルフ・リサーチのチーフエコノミストであるステファニー・ロス氏は、成長率の鈍化について「労働力供給の減少を考慮すれば、比較的良好な結果だ」と評価している。昨年後半の成長率の内訳によれば、政府閉鎖に伴う連邦支出削減が成長率を1.1ポイント押し下げたものの、その大部分は今年前半に回復するとの見方がエコノミストの間で広がっている。
また、10~12月期のGDP成長を下押しした要因の一つに、消費者による購買意欲の減退が挙げられる。米経済の中核をなす個人消費は、この期間に減速し、所得階層による消費行動の格差が顕著となった。特に、貧困層は債務の増加や労働市場の鈍化、近年続くインフレの影響を受け、経済的困難に直面している。
ドイツ銀行の米国担当シニアエコノミスト、ブレット・ライアン氏は、電気自動車(EV)に対する税額控除の期限切れ前に新車購入が増加した反動で、10~12月期の個人消費は減速することが予想されていたと述べる一方で、主に税還付などを背景に今年前半には個人消費が持ち直す可能性が高いと分析している。「消費減速が今後深刻化するとの懸念は、現時点では過度である」との見解も示された。
加えて、米国内で拡大する経済格差は、過去1年にわたり資力の乏しい世帯の不安を増大させている。
ミシガン大学の調査によれば、大学卒業者や株式投資を行う層と、そうでない層との間で消費者心理の乖離が依然として続いているという。
一方、企業の設備投資は10~12月期に3.7%増と、前期の3.2%増からやや上昇した。ライアン氏は「人工知能(AI)関連の支出が引き続き重要な役割を果たしている」と述べ、今後の成長を支える要素として期待を寄せている。