東日本大震災の
本震とその
前後に
起きた
大規模な
地震の
直前に、
震源地の
上空にある
電子の
数が
大幅に
変化する
異常な
現象が
起きていたことがわかったと、
京都大学の
研究グループが
発表しました。こうした
現象を
素早くつかむことができれば、
地震の
予測につながるのではないかと
注目しています。
京都大学大学院情報学研究科の
梅野健教授などのグループによりますと、
地球の
上空300キロ
付近には、
電離圏と
呼ばれる
電子が
広がる
層があり、これまでの
研究で、マグニチュード
8以上の
大規模な
地震が
起きる
前には、この
層の
電子の
数が
大幅に
変化することが
確認されています。
そこで研究グループは、5年前、東日本大震災が起きた際、複数の人工衛星から送られてきたデータを分析し、上空の変化を調べました。その結果、マグニチュード9.0の本震に加え、2日前に起きたマグニチュード7.3の地震と、およそ1か月後の7.1の地震で、それぞれ発生のおよそ20分から1時間前に、震源地上空の電子の数が大幅に増えたり減ったりする異常な現象が起きていたことがわかったということです。マグニチュード7クラスの地震でも電子の数の変化が確認されたのは初めてだということです。
梅野教授は「今後、こうした現象を素早くつかめるようになれば、大地震の発生を直前に予測でき、被害を減らせるのではないか」と話しています。