日本新闻: インフルエンザ患者数今は低い水準海外で流行も今後注意を

インフルエンザ患者かんじゃ数すう今いまは低ひくい水準すいじゅん海外かいがいで流行りゅうこうも今後こんご注意ちゅういを

Oct 22, 2022 15:10

Furigana

新型しんがたコロナウイルスとの同時どうじ流行りゅうこうが懸念けねんされているインフルエンザについて、今月こんげつ16日にちまでの1週間しゅうかんに報告ほうこくされた患者かんじゃの数かずは全国ぜんこくで97人にんでした。新型しんがたコロナが流行りゅうこうする前まえの同おなじ時期じきと比くらべ、低ひくい水準すいじゅんとなっていますが、専門せんもん家かは海外かいがいでは流行りゅうこうしたところもあるとして注意ちゅういを呼よびかけています。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうによりますと、今月こんげつ16日にちまでの1週間しゅうかんに全国ぜんこくおよそ5000か所かしょの医療いりょう機関きかんから報告ほうこくがあったインフルエンザの患者かんじゃ数すうは前まえの週しゅうから29人にん増ふえて97人にんでした。

インフルエンザは、1医療いりょう機関きかん当あたりの1週間しゅうかんの患者かんじゃ数すうが全国ぜんこくで1人にんを超こえると「全国ぜんこく的てきな流行りゅうこう期き」入いりとされていますが、今いまの時点じてんでは0.02人にんと大おおきく下回したまわっています。患者かんじゃが報告ほうこくされた地域ちいきは前まえの週しゅうの19の都府県とふけんから3増ふえ22の都道とどう府県ふけんとなりました。

コロナ前まえは同おなじ時期じきに例年れいねん、数すう百ひゃく人にんから1000人にん程度ていどの患者かんじゃが報告ほうこくされていましたが、それと比くらべると低ひくい水準すいじゅんとなっています。ただ、コロナが流行りゅうこうしていた去年きょねんやおととしと比くらべると10倍ばいほど多おおくなっています。

感染かんせん症しょうに詳くわしい東邦とうほう大学だいがくの舘田たてだ一博かずひろ教授きょうじゅは「オーストラリアでは例年れいねんより早はやくインフルエンザの流行りゅうこうが来きたほか、アジアやヨーロッパでも流行りゅうこうが見みられた。こうした国くにや地域ちいきの中なかにはマスクの着用ちゃくようなど基本きほん的てきな感染かんせん対策たいさくを止とめたところもあるので、対策たいさくを維持いじしたうえで、新型しんがたコロナとの同時どうじ流行りゅうこうが起おこるのかどうか注意ちゅういして見みていく必要ひつようがある」と話はなしています。

新型しんがたコロナとの同時どうじ感染かんせん重症じゅうしょう化かや死亡しぼうリスク高たかまるとの報告ほうこく

インフルエンザと新型しんがたコロナウイルスに同時どうじに感染かんせんすると、重症じゅうしょう化かや死亡しぼうリスクが高たかまるとする報告ほうこくもあります。

イギリスの医学いがく雑誌ざっし「ランセット」にことし3月つきに発表はっぴょうされた論文ろんぶんによりますと、イギリスのエディンバラ大学だいがくなどのグループが、去年きょねん12月つきまでに新型しんがたコロナに感染かんせんしたおよそ7000人にんのうちインフルエンザにも同時どうじに感染かんせんしていた200人にん余あまりの症状しょうじょうを調しらべたところ、新型しんがたコロナにのみ感染かんせんしていた人ひとと比くらべて、重症じゅうしょう化かして人工じんこう呼吸こきゅう器きによる治療ちりょうを受うけるリスクは4.14倍ばい、死亡しぼうするリスクは2.35倍ばい高たかかったということです。

また、長崎ながさき大学だいがくのグループは去年きょねん、ハムスターに新型しんがたコロナとインフルエンザを同時どうじに感染かんせんさせると、それぞれを単独たんどくで感染かんせんさせた場合ばあいよりも、肺炎はいえんが重症じゅうしょう化かし、回復かいふくも遅おくれたとする実験じっけん結果けっかをまとめています。

東邦とうほう大学だいがくの舘田たてだ一博かずひろ教授きょうじゅは「コロナとインフルエンザそれぞれのウイルスの感染かんせんによって、肺はいの障害しょうがいや全身ぜんしん状態じょうたい悪化あっかが進すすむので、感染かんせんが重かさなれば、総花そうか的てきに症状しょうじょうが悪化あっかしてもおかしくない。また、以前いぜんは、1つのウイルスに感染かんせんするともう1つのウイルスに感染かんせんしにくくなる、『ウイルス干渉かんしょう』という現象げんしょうが起おき、インフルエンザとコロナの同時どうじ感染かんせんは起おきないのではと指摘してきされたこともあったが、今いまのところ、それを裏付うらづけるようなデータは出でていない」と話はなしています。

専門せんもん家か「同時どうじ検査けんさキットも購入こうにゅうできるようにすべき」

現在げんざい、新型しんがたコロナウイルスの抗原こうげん検査けんさキットは薬局やっきょくなどで販売はんばいされ、自分じぶんで検査けんさができるようになっていますが、インフルエンザの検査けんさキットは一般いっぱんには販売はんばいされていないため、専門せんもん家かは供給きょうきゅう体制たいせいが整ととのえば、薬局やっきょくなどで購入こうにゅうできるようにすべきだと指摘してきしています。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは、コロナの抗原こうげん検査けんさキットについて体調たいちょうが気きになる場合ばあいに自宅じたくなどでみずから検査けんさしてもらうことで、医療いりょう機関きかんの受診じゅしんにつなげようと、去年きょねん9月つきから、薬局やっきょくでの販売はんばいを特例とくれい的てきに認みとめ、ことし8月つきには、インターネットでの販売はんばいも解禁かいきんしました。

そして、政府せいふは今月こんげつ13日にち、コロナとインフルエンザの同時どうじ流行りゅうこうが起おきた際さいに医療いりょうのひっ迫ひっぱくを避さけるための新あらたな対応たいおう策さくとして、中学生ちゅうがくせいから65歳さい未満みまんの人ひとが発熱はつねつなどの症状しょうじょうが出でた場合ばあいは、新型しんがたコロナの抗原こうげん検査けんさキットを活用かつようして、陽性ようせいの場合ばあいは自宅じたく療養りょうようを、陰性いんせいでもインフルエンザなどの可能かのう性せいが疑うたがわれ、受診じゅしんを希望きぼうする場合ばあいはオンライン診療しんりょうやかかりつけ医いなどの受診じゅしんを検討けんとうするよう呼よびかけています。

さらに、コロナとインフルエンザの感染かんせんの有無うむを同時どうじに調しらべられる抗原こうげん検査けんさキットを、およそ3800万まん回分かいぶん確保かくほし、診療しんりょう体制たいせいを強化きょうかすると公表こうひょうしています。

ただ、この同時どうじ検査けんさ用ようのキットを含ふくめインフルエンザの検査けんさキットはコロナ用ようのキットのように一般いっぱんへの販売はんばいは認みとめられておらず、感染かんせんの有無うむを調しらべるためには医療いりょう機関きかんでの検査けんさが必要ひつようです。

これについて、東邦とうほう大学だいがくの舘田たてだ一博かずひろ教授きょうじゅは「感度かんどがいい新型しんがたコロナの検査けんさキットがどんどん出でていて、多おおくの人ひとが自己じこ検査けんさして結果けっかを判定はんていすることに慣なれてきていて、コロナとインフルエンザの同時どうじ検査けんさキットも使つかえるはずだが、医療いりょう機関きかんに向むけても供給きょうきゅうが追おいついていない現状げんじょうもある。医療いりょう体制たいせいの負担ふたん軽減けいげんにもつながるので、同時どうじ検査けんさのキットも生産せいさん体制たいせいが整ととのえば、同様どうように購入こうにゅうできるように検討けんとうすべきだ」と話はなしていました。