日本新聞: 女性議員へのひぼう中傷背景に何が

11月つき、発表はっぴょうされた大臣だいじん政務せいむ官かんの人事じんじ。その直後ちょくご、政務せいむ官かんに就任しゅうにんした女性じょせい議員ぎいんたちに対にたいするSNSの投稿とうこうが急増きゅうぞうしました。

目立めだったのは「女性じょせいを出世しゅっせさせる逆ぎゃく差別さべつ」などといった否定ひてい的てきな投稿とうこうで、中なかには「○○女おんな」などと人格じんかくを否定ひていしたりおとしめたりする投稿とうこうも。

議員ぎいんは公職こうしょくで、批判ひはんを受うける立場たちばにありますが、女性じょせい議員ぎいんの場合ばあい、SNSでひぼう中傷ちゅうしょうをより受うけやすいという調査ちょうさ結果けっかもあります。

なぜターゲットになるのか、議員ぎいんや、実際じっさいにSNSでの書き込かきこみを行おこなっていた人ひとを取材しゅざいしました。

どう対応たいおうしたらいいか分わからなかった

自民党じみんとうの衆議院しゅうぎいん議員ぎいん、英利ひでとしアルフィヤさん。

11月つき、外務がいむ政務せいむ官かんに就任しゅうにんした後のち、SNSでは「女おんななら誰だれでもいいのか」といった投稿とうこうや、人格じんかくをおとしめるような内容ないようの投稿とうこうがみられるようになりました。

中国ちゅうごくの新疆ウイグルしんきょうういぐる自治じち区く出身しゅっしんの両親りょうしんのもとに北九州きたきゅうしゅう市しで生うまれた英利ひでとしさんは、小学生しょうがくせいの時ときに日本にっぽん国籍こくせきを取得しゅとくしているにもかかわらず、国会こっかい議員ぎいんに初はじめて立候補りっこうほした2022年ねん以降いこう、「二に重じゅう国籍こくせき」とか「中国ちゅうごくのスパイ」といったひぼう中傷ちゅうしょうや偽にせ情報じょうほうが、SNSでたびたび拡散かくさんされてきました。

英利ひでとしアルフィヤさん

「批判ひはんや議論ぎろんがあってこそ政策せいさくが前まえに進すすむということは重々じゅうじゅう理解りかいしたうえで立候補りっこうほしたのですが、政策せいさくではなく自分じぶんのアイデンティティーやルーツの面めんでさまざまな壁かべにぶつかることに驚おどろいて、当初とうしょはどうしていいか分わからなかったというのが正直しょうじきなところです。それまで国連こくれんや日本にっぽん銀行ぎんこうで一生懸命いっしょうけんめい、真摯しんし(しんし)に仕事しごとをしてきたつもりだったのですが、それがすべて、信頼しんらいがない人ひとのようになってしまったのが本当ほんとうにつらかったです」

自身じしんのルーツに加くわえて、女性じょせいであることで、ターゲットになりやすい現状げんじょうがあると考かんがえています。

「党内とうないで議論ぎろんが行おこなわれている政策せいさくで、期き数すうを重かさねた男性だんせい議員ぎいんの意見いけんと同おなじような意見いけんを私わたしが言いうとSNS上じょうでたたかれることはよくあります。男性だんせい議員ぎいんからも『英利ひでとしさんが言いうと中傷ちゅうしょうされるのはよくない』と言いわれます」

ターゲットにされやすい女性じょせい議員ぎいん

内閣ないかく府ふの報告ほうこく書しょでも女性じょせい議員ぎいんがSNSなどでハラスメントを受うけやすいことが示しめされています。

内閣ないかく府ふは2021年ねんに「女性じょせいの政治せいじ参画さんかくへの障壁しょうへき」についての報告ほうこく書しょを公表こうひょうしました。

それによりますと、全国ぜんこく各地かくちの地方ちほう議会ぎかいの議員ぎいんを対象たいしょうに行いったアンケート調査ちょうさで（計けい5513人にんが回答かいとう）、「議員ぎいん活動かつどうや選挙せんきょ活動かつどう中ちゅうにハラスメントを受うけたか」という質問しつもんに対にたいして、「受うけた」と答こたえたのは男性だんせいは32.5％だったのに対にたいし、女性じょせいは57.6％でした。

そして、「SNS、メール等とうによる中傷ちゅうしょう・嫌いやがらせ」については、男性だんせいが15.7％だったのに対にたいし、女性じょせいは22.9％となっていました。

世界せかい各地かくちで、女性じょせい議員ぎいんはひぼう中傷ちゅうしょうや偽にせ情報じょうほうのターゲットになりやすいとされています。

2021年ねんに国連こくれんの特別とくべつ報告ほうこく者しゃが出だしたレポートでは「データによると、特とくにフェミニズムについて発言はつげんしたり人種じんしゅや民族みんぞく的てきにマイノリティーの出身しゅっしんだったりする女性じょせい政治せいじ家かは、男性だんせい政治せいじ家かよりもはるかに高たかいレベルで偽にせ情報じょうほうの標的ひょうてきにされている」と指摘してきしています。

講演こうえん会かいがきっかけにネットを超こえた被害ひがいが

SNSでのひぼう中傷ちゅうしょうや偽にせ情報じょうほうの投稿とうこうにとどまらず、影響えいきょうが現実げんじつの生活せいかつにまで及およんだケースもあります。

地方ちほう都市としの女性じょせい議員ぎいん

「目めに見みえない大衆たいしゅうが一気いっきに向むかってきているような、これまでに感かんじたことのない恐怖きょうふでした」

ある地方ちほう都市としの50代だいの女性じょせい議員ぎいんは、数すう年ねん前まえ、政権せいけんに批判ひはん的てきな人ひとを招まねいた講演こうえん会かいを開ひらいたのをきっかけに、SNSで批判ひはんを受うけるようになりました。

それが、人格じんかくを否定ひていするようなひぼう中傷ちゅうしょうに変かわり、投稿とうこうの量りょうはあっという間あっというまに増ふえていきました。

「消けす」といった脅迫きょうはくの投稿とうこうや、ハッシュタグに女性じょせい議員ぎいんの名前なまえと攻撃こうげきするよう呼よびかける文言もんごんが拡散かくさん。

中なかには、性的せいてきなことばや卑ひわいなことばが含ふくまれるものもありました。

大量たいりょうの下着したぎが事務所じむしょに

さらに、買かった覚おぼえのない下着したぎが大量たいりょうに事務所じむしょに届とどき、事務所じむしょのまわりをうろつく見知みしらぬ人ひとも現あらわれました。

身みの危険きけんを感かんじ、精神せいしん的てきに追い詰おいつめられていったといいます。

「家族かぞくに何なにかあったらどうしようという不安ふあんはすごかったです。議員ぎいんを辞やめてしまいたいと思おもったし、体調たいちょうも崩くずして入院にゅういんもしましたが、周囲しゅういに気付きづかれないように病院びょういんから議会ぎかいに通かよいました。ここで私わたしが辞やめるとその人ひとたちの成功せいこう体験たいけんになってしまうと思おもいました」

警察けいさつに相談そうだんした結果けっか、脅迫きょうはくを行おこなった男性だんせいが特定とくていされ、投稿とうこうを行おこなわないことを約束やくそくしたといいます。

しかし、大量たいりょうの下着したぎを送おくりつけた人物じんぶつの特定とくていには至いたりませんでした。

“終おわることがないデマ”

10年ねん以上いじょう、SNSなどでひぼう中傷ちゅうしょうを受うけ続つづけてきた議員ぎいんもいます。

立憲りっけん民主みんしゅ党とうの参議院さんぎいん議員ぎいんの塩村しおむら文夏あやかさんは、東京とうきょう都議会とぎかい議員ぎいんだった2014年ねん、子育こそだて支援しえん策さくなどについて質問しつもんした際さい「早はやく結婚けっこんした方ほうがいいんじゃないか」という不適切ふてきせつなやじを受うけました。

それ以来いらい、ネット上じょうでひぼう中傷ちゅうしょうを受うけるようになりました。

中なかには、議員ぎいんになる前まえに出演しゅつえんしていた民放みんぽうのバラエティー番組ばんぐみで、違ちがう日ひの放送ほうそうや違ちがう場面ばめんでの発言はつげんが勝手かってに切り取きりとられてつなぎ合あわされたものも。

「交際こうさい相手あいてに妊娠にんしんしたとうそをついて1500万まん円えんをだましとった”妊娠にんしん詐欺さぎ”をした」という事実じじつ無根むこんの話はなしが作り上つくりあげられ、SNSで広ひろまりました。

塩村しおむら文夏あやかさん

「1度どそうしたデマが出だされてしまうと最初さいしょに投稿とうこうしたアカウントがなくなっても拡散かくさんが繰り返くりかえされてネット上じょうに残のこり続つづけてしまいます。選挙せんきょや国会こっかいで政府せいふに厳きびしい質疑しつぎをするたびに拡散かくさんされて『塩村しおむら文夏あやかはこういう人ひとなんですよ』と、うそのレッテルが貼はられ続つづけてしまうんです」

「いわゆる男尊女卑だんそんじょひのような話はなしで、タレント業ぎょうをしているような人ひとが議員ぎいんになっているからひぼう中傷ちゅうしょうされて当たり前あたりまえだという内容ないようのものが多おおかったです。終おわることがないデマにずっと追おいかけられている、みたいな感かんじです」

女性じょせい議員ぎいんへのひぼう中傷ちゅうしょうどんな人ひとが

どんな人ひとが女性じょせい議員ぎいんへのひぼう中傷ちゅうしょうを行おこなうのか。

政治せいじ分野ぶんやのジェンダーについての研究けんきゅう者しゃで、女性じょせい議員ぎいんへのサポートも行おこなっている「Stand by Women」代表だいひょうの浜田はまだ真里まりさんは、デマの拡散かくさんやひぼう中傷ちゅうしょうを行おこなう人ひとは『炎上えんじょうタイプ』と『ストーカータイプ』の2つに分わかれると分析ぶんせきしています。

「炎上えんじょうタイプ」は特定とくていの投稿とうこうに対にたいして反応はんのうし、議員ぎいんの発言はつげんや活動かつどうを否定ひていしたり揶揄やゆ（やゆ）することが目的もくてきとなっているタイプ。

「ストーカータイプ」は特定とくていの女性じょせい議員ぎいんの動うごきを追おって、議員ぎいんが投稿とうこうするたびにひぼう中傷ちゅうしょうの投稿とうこうを行おこなうタイプで、長期ちょうきにわたって行おこなう傾向けいこうがあるといいます。

「Stand by Women」浜田はまだ真里まり代表だいひょう

「海外かいがいの研究けんきゅうなどでも男性だんせい議員ぎいんに対にたいしては政策せいさくの観点かんてんから批判ひはんされるということが一般いっぱん的てきである一方いっぽう、女性じょせい議員ぎいんに対にたいしては政策せいさくに対にたいする批判ひはんではなく、非常ひじょうに個人こじん的てきで特とくに性的せいてきなことばによる攻撃こうげきが多おおいとされています」

デマ信しんじ“出でるくいは打うってやれ”

塩村しおむらさんのSNSの投稿とうこうにひぼう中傷ちゅうしょうのコメント繰り返くりかえし書き込かきこんでいた、愛知あいち県けんの50代だいの男性だんせいが取材しゅざいに応おうじました。

男性だんせいは、塩村しおむらさんが都議会とぎかい議員ぎいんだったころは応援おうえんしていたといいます。

その後そのご、SNSで過去かこに出演しゅつえんしていたバラエティー番組ばんぐみでの発言はつげんを切り取きりとって編集へんしゅうした動画どうがを見みたのがきっかけで怒いかりを感かんじるようになり、書き込かきこみを始はじめました。

男性だんせい

「最初さいしょに見みた時ときは『こんな過去かこがあったの？』とがく然がくぜんとしました。SNSでも同おなじような情報じょうほうが繰り返くりかえし流ながれてくるので事実じじつだとすり込すりこまれていくというか、『たくさんの人ひとが言いっているんだから間違まちがいない』と思おもいました。いま映像えいぞうを見みると明あきらかな発言はつげんの切り取きりとりとつぎはぎだし、大勢たいせいの人ひとが言いっているわけではなく一部いちぶの人ひとがたくさん流ながしているというだけなのですが、当時とうじは『これだけたくさんの人ひとが塩村しおむらさんに抗議こうぎしているんだから正義せいぎの鉄てつついを下くださなければ』と思い込おもいこんでいました」

男性だんせいは数すう年間ねんかんにわたって、攻撃こうげき的てきな投稿とうこうを続つづけました。

「男性だんせい議員ぎいんだったら“大勢たいせいの中なかのうちのひとり”ぐらいで気きにもとめなかったと思おもいます。女性じょせい議員ぎいんはどうしても目立めだつから『出でるくいは打うってやれ、二度にどと出でないように』って。女性じょせいが表おもて舞台ぶたいに出でていることへの妬ねたみみたいな感情かんじょうもありました」

その後そのご、男性だんせいは塩村しおむらさんが情報じょうほうを否定ひていする姿すがたを見みて、信じ込しんじこんだ情報じょうほうに違和感いわかんを感かんじ始はじめました。

事実じじつではないと知しって事務所じむしょに名乗り出なのりでて謝罪しゃざい。投稿とうこうをやめました。

開示かいじ請求せいきゅうあとに続つづく人ひとのため

塩村しおむらさんは、投稿とうこう者しゃを特定とくていするためにプロバイダーなどへの情報じょうほう開示かいじ請求せいきゅうや、明あきらかな虚偽きょぎの投稿とうこうに対にたいする名誉めいよ毀損きそん訴訟そしょうを、2020年ねんから行おこなってきました。

開示かいじ請求せいきゅうしたアカウントは100件けん以上いじょうにのぼっています。

塩村しおむら文夏あやかさん

「情報じょうほう開示かいじされることになれば、そのことが投稿とうこう者しゃにも知しらされるので、多おおくの人ひとはその時点じてんで（投稿とうこうを）削除さくじょしてくれますが、中なかにはほかの女性じょせい議員ぎいんにもひぼう中傷ちゅうしょうを繰り返くりかえし行いっていた人ひともいましたし、『自分じぶんの家族かぞくに知しられたくないので訴うったえないでほしい』と言いってくる人ひともいました」

「表現ひょうげんの自由じゆうの問題もんだいもありますが、まだまだひぼう中傷ちゅうしょうやデマの拡散かくさんをされた側がわに制度せいどや法律ほうりつが向むいていないのではないかと感かんじています」

今後こんごも開示かいじ請求せいきゅうや訴訟そしょうを通つうじ、ひぼう中傷ちゅうしょうが続つづく現状げんじょうを変かえていきたいと考かんがえています。

「女性じょせい議員ぎいんを増ふやしたいという思おもいがありますが、ひぼう中傷ちゅうしょうに直面ちょくめんすると『こんなの耐たえられないよな』と心こころが折おれそうになることもあるので、あとに続つづく人ひとたちのためにも、デマやひぼう中傷ちゅうしょうは許ゆるされないということを理解りかいしてもらうためにも続つづけていかないといけないと思おもっています」

正ただしい情報じょうほう発信はっしんの必要ひつよう性せいを認識にんしき

一方いっぽう、英利ひでとしアルフィヤさんは、ことし9月つきに出席しゅっせきした国際こくさい会議かいぎで、各国かっこくの議員ぎいんや官僚かんりょうがフェイク情報じょうほうについて危機きき感かんを示しめす様子ようすを目の当まのあたりにし、正ただしい情報じょうほうを発信はっしんする必要ひつよう性せいを感かんじたといいます。

その後そのご、10月つきに行おこなわれた衆議院しゅうぎいん議員ぎいん選挙せんきょでは、偽にせ情報じょうほうを指摘してきし、ひぼう中傷ちゅうしょうをやめるよう、事務所じむしょとして声明せいめいを出だしました。

英利ひでとしアルフィヤさん

「立候補りっこうほしたばかりの時ときは対応たいおうしない方ほうが楽らくなのかな、触さわらない方ほうがいいのかなと思おもう部分ぶぶんが大おおきかったです。一度いちど間違まちがった情報じょうほうが発信はっしんされると訂正ていせいしていくことは非常ひじょうに難むずかしいですが、いまは、自分じぶんのことも自分じぶんの政策せいさくのことも有権者ゆうけんしゃに理解りかいしてもらうまで説明せつめいする責任せきにんがあると思おもっています」

さまざまな属性ぞくせいの人ひとが議員ぎいんとして活動かつどうできるよう、対応たいおうについて政党せいとうの中なかでも議論ぎろんを進すすめていく必要ひつよう性せいを感かんじているといいます。

「当時とうじは対応たいおうを自分じぶん自身じしんで考かんがえなければいけないという状況じょうきょうで、党とうとしての声明せいめいを出だして欲ほしかったという思おもいを持もちました。いまはこうした問題もんだいについて議員ぎいんの認識にんしきは前進ぜんしんしていると思おもいます。有権者ゆうけんしゃも政治せいじ家かも意見いけんを自由じゆうに言いえる環境かんきょうを大切たいせつにしながら、人権じんけんや権利けんりを守まもっていくスペースをSNS上じょうでどうつくっていくか議論ぎろんを続つづけていかなければいけないと思おもいます」

有権者ゆうけんしゃ全体ぜんたいの不ふ利益りえきに

「Stand by Women」の浜田はまだ真里まり代表だいひょうは、女性じょせい議員ぎいんがSNSでのひぼう中傷ちゅうしょうを受うけることは、ひいては有権者ゆうけんしゃ全体ぜんたいの不ふ利益りえきにもつながると指摘してきします。

浜田はまだ代表だいひょう

「攻撃こうげきやストーカー行為こういを受うけたりすることを恐おそれて街頭がいとう演説えんぜつの情報じょうほうをSNSなどで発信はっしんしなくなったというケースや、中なかには政治せいじ家かをやめるといった選択せんたくをする人ひともいます。活動かつどうの萎縮いしゅくにつながったり、政治せいじのキャリアを継続けいぞくすることへの壁かべとなったりすることは、議会ぎかい内ないにおける多様たような意見いけんが失うしなわれてしまうということにつながり、議会ぎかいでの決定けっていに直接ちょくせつ的てきな影響えいきょうを受うける私わたしたち市民しみんにとっても不利益ふりえきだと言いえます」

そのうえで、議員ぎいん側がわには対策たいさくとして以下いかのような情報じょうほうをアカウントに記載きさいすべきだとアドバイスしています。

▽アカウントは議員ぎいん個人こじんではなく事務所じむしょのスタッフなどが関かかわって運営うんえいしていること

▽場合ばあいによっては弁護士べんごしが入はいって対応たいおうすること

▽ひぼう中傷ちゅうしょうを受うけた場合ばあいにどのような対応たいおうを取とるか

浜田はまだ代表だいひょう

「有権者ゆうけんしゃ側がわも、議員ぎいんだからといって何なにを言いっても許ゆるされるということはなく、投稿とうこうの先さきに生身なまみの人間にんげんがいるというこの感覚かんかくを忘わすれないということは非常ひじょうに重要じゅうようです」

国くにの対策たいさくは

ことし5月つきには、ネット上じょうでのひぼう中傷ちゅうしょうの書き込かきこみについて、SNSなどの運営うんえい事業じぎょう者しゃに対にたいして迅速じんそくな対応たいおうを求もとめる「情報じょうほう流通りゅうつうプラットフォーム対処たいしょ法ほう」が成立せいりつしました。

法律ほうりつでは、事業じぎょう者しゃが書き込かきこみの削除さくじょの申し出もうしでを受け付うけつける窓口まどぐちを整備せいびすることや、投稿とうこうを削除さくじょする基準きじゅんを決きめて公表こうひょうすることなどを求もとめています。

11月つき21日にちには、総務そうむ省しょうが有識者ゆうしきしゃ会議かいぎに法律ほうりつの施行しこうに向むけた省令しょうれいや指針ししんの素案そあんを示しめし、事業じぎょう者しゃが書き込かきこみ削除さくじょの申請しんせいに7日にち以内いないに対応たいおうすることなどの内容ないようが大筋おおすじで了承りょうしょうされました。

“批判ひはん”と“ひぼう中傷ちゅうしょう”区別くべつを

ソーシャルメディアに詳くわしい国際こくさい大学だいがくの山口やまぐち真一しんいち准じゅん教授きょうじゅは、「政治せいじ家かへのまっとうな批判ひはんはあるべきで、意見いけんすることの萎縮いしゅくにつながってはいけない」と強調きょうちょうしたうえで、「批判ひはん」と尊厳そんげんを傷きずつける「ひぼう中傷ちゅうしょう」は別べつだと指摘してきします。

議員ぎいんなどは「公人こうじん」と考かんがえられ、内容ないようが真実しんじつであることが確認かくにんできた場合ばあいなどには投稿とうこうした側がわは名誉めいよ毀損きそん罪ざいに問とわれないこともあります。

しかし社会しゃかい通念つうねん上じょう、投稿とうこうがひぼう中傷ちゅうしょうとみなされるケースはあります。

例たとえば、特定とくていの女性じょせい議員ぎいんについて「要職ようしょくに就つく実績じっせきも能力のうりょくも感かんじない」というのは批判ひはんとも受け止うけとめられますが「女性じょせいは感情かんじょう的てきなので、政府せいふの要職ようしょくはできない」というのはひぼう中傷ちゅうしょうにあたる可能かのう性せいが高たかいとしています。