男性「住む場所を破壊されるのはこれで3度目」
ガザ地区では9日もイスラエル軍が各地で空爆を行い、このうち、避難者など150万人近くが身を寄せる南部のラファでは、集合住宅が空爆され、NHKが9日正午ごろに撮影した映像では建物の片側が完全に破壊され、がれきの山になっているのがわかります。
事前に攻撃の通告があったということですが、避難していた数百世帯がさらなる避難を余儀なくされ、男性の1人は「ハンユニスでも住む場所をすでに2度失っていて、これで住む場所を破壊されるのは3度目です」と疲れ切った様子で話していました。
また、地元のメディアは中部の難民キャンプでも空爆があり、少なくとも10人が死亡したとしています。
ガザ地区の保健当局はこれまでに3万960人が死亡したと発表しました。
ガザ地区では8日に、空から投下された支援物資にあたって住民5人が死亡したのに続き、9日も複数の人が投下された物資でけがをしたと中東の衛星テレビ局アルジャジーラが伝えました。
ガザへの支援 海からの物資輸送も
人道危機が深まる中、陸路や空からに加えて海上からも支援物資を届けるための調整が進められていますが、いかに物資を安全に届け人道状況を改善できるかが課題となっています。
スウェーデン政府 UNRWAへの資金拠出再開を決定
一方、ガザ地区の支援を担っているUNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関の一部の職員がハマスによるイスラエルへの攻撃に関与していた疑いがあるとして、16か国が資金拠出を停止していた問題をめぐって、カナダに続いてスウェーデン政府は9日ガザ地区の人道状況を踏まえて拠出の再開を決めたと発表しました。