일본어 뉴스: 半導体素材大手 JSR 産業革新投資機構の買収受け入れ決定

半導体はんどうたい素材そざいの世界せかい大手おおてJSRに対にたいし、官民かんみんファンドの産業さんぎょう革新かくしん投資とうし機構きこうがおよそ9000億おく円えんを投とうじて株式かぶしきの公開こうかい買い付かいつけによる買収ばいしゅうを行おこないます。JSRが26日にちの取締役とりしまりやく会かいで正式せいしきに決定けっていし、半導体はんどうたい分野ぶんやの国際こくさい的てきな競争きょうそう力りょくの強化きょうかがねらいだとしています。

発表はっぴょうによりますと、JSRに対にたいして産業さんぎょう革新かくしん投資とうし機構きこうがことし12月下げっか旬しゅんをめどにTOB＝株式かぶしきの公開こうかい買い付かいつけを行おこない、JSRは26日にちの取締役とりしまりやく会かいで、この買収ばいしゅうを受け入うけいれることを決議けつぎしました。

株式かぶしきの非ひ上場じょうじょう化かを目指めざし、買い取かいとりに必要ひつような資金しきんは、およそ9000億おく円えんにのぼる見通みとおしです。

JSRは半導体はんどうたい素材そざいの1つで、基板きばんの上うえに回路かいろを作つくる工程こうていに使つかうフォトレジストを手てがける世界せかい大手おおてです。その一方いっぽうで、世界せかいシェアの上位じょういに日本にっぽん企業きぎょう5社しゃがひしめき合ひしめきあっていることから、業界ぎょうかい再編さいへんを通をつうじて国際こくさい的てきな競争きょうそう力りょくを強化きょうかする必要ひつよう性せいが指摘してきされていました。

会社かいしゃ側がわは、株式かぶしきの非ひ上場じょうじょう化かによって、現在げんざいの資本しほん構成こうせいや短期たんき的てきな業績ぎょうせきの影響えいきょうを受うけずに、研究けんきゅう開発かいはつや設備せつび投資とうしのほか、事業じぎょう再編さいへんにつなげることが目的もくてきだとしています。

政府せいふは、経済けいざい安全あんぜん保障ほしょうの観点かんてんから半導体はんどうたい産業さんぎょうの強化きょうかを進すすめる方針ほうしんで、2030年ねんには国内こくないの関連かんれん事業じぎょうの売り上うりあげ規模きぼを今いまの3倍ばい程度ていどの15兆ちょう円えんに拡大かくだいさせる目標もくひょうを掲かかげています。JSRがいわば「国策こくさく会社かいしゃ」となることで今後こんご、半導体はんどうたい素材そざいの分野ぶんやで業界ぎょうかい再編さいへんが進すすむかどうかが焦点しょうてんとなります。

JSR社長しゃちょう「業界ぎょうかい再編さいへんを先導せんどう研究けんきゅう開発かいはつを効率こうりつ化か」

JSRのエリック・ジョンソン社長しゃちょうは、オンラインで記者きしゃ会見かいけんを開ひらき、非ひ上場じょうじょう化かする理由りゆうについて「大幅おおはばな投資とうしが必要ひつようであり、国際こくさい的てきな競争きょうそう力りょくを担保たんぽする必要ひつようがある。長期ちょうき的てきな成長せいちょう力りょくを維持いじするために必要ひつようだった」と述のべました。

そのうえで「業界ぎょうかいの再編さいへんを先導せんどうし、研究けんきゅう開発かいはつを効率こうりつ化かして規模きぼを拡大かくだいすることで長期ちょうき的てきに国際こくさい的てきな競争きょうそう力りょくを維持いじできるようにしていきたい」と述のべ、この分野ぶんやで国内こくないに複数ふくすうある企業きぎょうを念頭ねんとうに事業じぎょう再編さいへんを目指めざす考かんがえを示しめしました。

また、社長しゃちょうは業界ぎょうかい再編さいへんに向むけてほかの企業きぎょうと協議きょうぎをしているか問とわれたのに対にたいし、「ほかの企業きぎょうとの約束やくそくや、オファーはありません。他社たしゃからオファーがあれば、検討けんとうする責任せきにんがある」と述のべ、現時点げんじてんで他社たしゃに再編さいへんを呼よびかけてはいないものの、提案ていあんがあれば、積極せっきょく的てきに協議きょうぎを行おこなっていく考かんがえを示しめしました。

半導体はんどうたい素材そざいフォトレジスト日本にっぽんが世界せかいシェア約やく90％

フォトレジストは、半導体はんどうたい素材そざいの一ひとつで、基板きばんの上うえに回路かいろを作つくる工程こうていに使つかう化学かがく製品せいひんです。半導体はんどうたいの基板きばんとなるシリコンウエハーにフォトレジストを塗ぬり、露光ろこう装置そうちで回路かいろの形かたちに光ひかりを当あてて一定いっていの処理しょりを施ほどこすと線せん幅はばがナノメートル単位たんいの集積しゅうせき回路かいろを形成けいせいすることができます。

フォトレジストの分野ぶんやは日本にっぽん企業きぎょうが得意とくいとしていて、日本にっぽん企業きぎょう5社しゃで世界せかいシェアのおよそ90％を占しめます。

イギリスの調査ちょうさ会社かいしゃのオムディアによりますと、2021年ねんの時点じてんでJSRと、東京とうきょう応化おうか工業こうぎょうのシェアはそれぞれ26％で、上位じょうい2社しゃで世界せかいシェアの過か半数はんすうを占しめています。次ついで、信越しんえつ化学かがく工業こうぎょうが18％、住友すみとも化学かがくと、富士フイルムふじふいるむがそれぞれ10％となっています。

半導体はんどうたい市場しじょうの拡大かくだいに合あわせてフォトレジストの市場しじょうも拡大かくだいを続つづけています。2021年ねんの時点じてんで、世界せかい全体ぜんたいの市場しじょう規模きぼは18億おく9000万まんドルとなり、6年ねん前まえの2015年ねんと比くらべておよそ1.8倍ばいに拡大かくだいしました。

一方いっぽう、韓国かんこくや中国ちゅうごくもフォトレジストの技術ぎじゅつ開発かいはつに力ちからを入いれていて、現在げんざいは、日本にっぽん企業きぎょうが優位ゆういなものの、今後こんご世界せかい的てきな競争きょうそうが激はげしくなることが予想よそうされています。

国くにの半導体はんどうたい戦略せんりゃくは

政府せいふは重要じゅうような戦略せんりゃく物資ぶっしとなっている半導体はんどうたいについて、国くにをあげて技術ぎじゅつ開発かいはつを加速かそくさせるとともに、日本にっぽんが強つよみを持もつ半導体はんどうたい関連かんれんの素材そざい産業さんぎょうへの支援しえんを通をつうじて、サプライチェーン＝供給きょうきゅう網もうの強きょうじん化かを図はかろうとしています。

経済けいざい産業さんぎょう省しょうが今月こんげつ改定かいていした「半導体はんどうたい・デジタル産業さんぎょう戦略せんりゃく」では、2030年ねんには国内こくないの関連かんれん事業じぎょうの売上うりあげを、今いまの3倍ばい程度ていどの15兆ちょう円えんに拡大かくだいさせる目標もくひょうを掲かかげています。

技術ぎじゅつ開発かいはつでは、先端せんたん半導体はんどうたいの国産こくさん化かに向むけて、日本にっぽんの主要しゅよう企業きぎょうが共同きょうどう出資しゅっしした「Rapidus」が設立せつりつされ、国くにも合あわせて3300億おく円えんの支援しえんを行おこなうことを決きめています。

Rapidusは、先端せんたん半導体はんどうたいの開発かいはつに欠かかせない半導体はんどうたいの材料ざいりょうに回路かいろを焼き付やきつける「露光ろこう装置そうち」の研究けんきゅうを行おこなっているベルギーの研究けんきゅう機関きかんとも連携れんけいしていますが、最先端さいせんたんの装置そうちの開発かいはつには、今回こんかい、官民かんみんファンドの産業さんぎょう革新かくしん投資とうし機構きこうが買収ばいしゅうを決きめたJSRが持もつ「フォトレジスト」の技術ぎじゅつも、サプライチェーンを構築こうちくするうえで重要じゅうようだとされています。

経済けいざい産業さんぎょう省しょうとしては、先端せんたん半導体はんどうたい向むけの「フォトレジスト」の技術ぎじゅつ力りょくのさらなる向上こうじょうは、国際こくさい的てきな競争きょうそう力りょくや経済けいざい安全あんぜん保障ほしょうの強化きょうかにつながるとしています。

今回こんかいの買収ばいしゅうによって、JSRは半導体はんどうたい関連かんれんの事業じぎょうに経営けいえい資源しげんを集中しゅうちゅうさせることになると見みられることから、経済けいざい産業さんぎょう省しょうは今後こんごの事業じぎょう戦略せんりゃくに応おうじて必要ひつような支援しえんを行おこなう方針ほうしんです。