일본어 뉴스: 小田急線での乗客切りつけ事件 27日初公判東京地裁

おととし、東京とうきょう世田谷せたがや区くを走行そうこうしていた小田急おだきゅう線せんの車内しゃないで複数ふくすうの乗客じょうきゃくが切きりつけられてけがをした事件じけんで、殺人さつじん未遂みすいなどの罪つみに問とわれている被告ひこくの裁判さいばんが、27日にちから東京とうきょう地方ちほう裁判所さいばんしょで始はじまります。閉とざされた電車でんしゃ内ないで複数ふくすうの乗客じょうきゃくが襲撃しゅうげきされた事件じけんについて被告ひこくがどのように説明せつめいするのか注目ちゅうもくされます。

おととし8月つき、東京とうきょう世田谷せたがや区くを走行そうこうしていた小田急おだきゅう線せんの車内しゃないで、複数ふくすうの乗客じょうきゃくが刃物はもので切きりつけられるなどして重軽傷じゅうけいしょうを負おった事件じけんでは、無職むしょくの對馬つしま悠ゆう介かい被告ひこく（37）が、当時とうじ20歳さいの女子じょし大学生だいがくせいの胸むねや背中せなかを刺さして、全治ぜんちおよそ3か月かげつの大だいけがを負おわせたなどとして、乗客じょうきゃく3人にんに対にたいする殺人さつじん未遂みすいなどの罪つみに問とわれています。

捜査そうさ関係かんけい者しゃによりますと逮捕たいほ後ごの調しらべに対にたいし「幸しあわせそうな人ひとを見みると殺ころしたいと思おもうようになった」などと供述きょうじゅつしていたということです。

この事件じけんの2か月かげつ後ごには東京とうきょう調布ちょうふ市しを走行そうこうしていた京王けいおう線せんの車内しゃないで乗客じょうきゃくが切きりつけられ、車内しゃないが放火ほうかされる事件じけんが発生はっせいし、26日にちの初はつ公判こうはんで検察けんさつは「小田急おだきゅう線せんの事件じけんの報道ほうどうを見みて、多数たすうの乗客じょうきゃくを焼やき殺ころそうと思おもった」と主張しゅちょうしました。

閉とざされた電車でんしゃ内ないで乗客じょうきゃくが無む差別さべつに襲撃しゅうげきされた事件じけんは社会しゃかいに衝撃しょうげきを与あたえ、国くにや鉄道てつどう会社かいしゃが新あらたな安全あんぜん対策たいさくを迫せまられる事態じたいになりました。

初はつ公判こうはんは27日にち午前ごぜん11時じから東京とうきょう地方ちほう裁判所さいばんしょで開ひらかれる予定よていで、事件じけんのいきさつなどについて被告ひこくがどのように説明せつめいするのか注目ちゅうもくされます。

事件じけんの経緯けいい

事件じけんは2021年ねん8月つき6日にちの午後ごご8時半じはんごろ、仕事しごと帰がえりの人ひとなどを乗のせた小田急おだきゅう線せんの車内しゃないで起おきました。

東京とうきょう世田谷せたがや区くの成城せいじょう学園前がくえんまえ駅えき付近ふきんを走行そうこうしていた上のぼりの快速かいそく列車れっしゃ内ないで、男おとこが刃物はものを振り回ふりまわし、当時とうじ20歳さいの女子じょし大学生だいがくせいを含ふくむ乗客じょうきゃく10人にんが切きりつけられるなどしてけがをしました。

捜査そうさ関係かんけい者しゃなどによりますと、男おとこは緊急きんきゅう停車ていしゃした電車でんしゃから線路せんろに降おりて逃走とうそう。

凶器きょうきとみられる刃物はものと男おとこのものとみられる携帯けいたい電話でんわが車内しゃないに落おちていたということです。

そして、事件じけんからおよそ1時間じかん半はん後ごの午後ごご10時じごろ、およそ5キロ離はなれた杉並すぎなみ区内くないのコンビニエンスストアで見みつかり、身柄みがらを確保かくほされました。

殺人さつじん未遂みすいの疑うたがいで逮捕たいほされたのは無職むしょくの對馬つしま悠ゆう介かい被告ひこく（37）。

調しらべに対にたいし「途中とちゅうで乗客じょうきゃくに逃にげられないよう止とまる駅えきが少すくない快速かいそくをねらった」と供述きょうじゅつし、防犯ぼうはんカメラの映像えいぞうなどからは乗客じょうきゃくに切きりつけたあと、料理りょうり用ようの油あぶらを車内しゃないにまいて火ひを付つけようとしていたことも分わかりました。

およそ2か月かげつ後ごには京王けいおう線せんの車内しゃないでも乗客じょうきゃくが無む差別さべつに切きりつけられ、車内しゃないが放火ほうかされる事件じけんが起おき、相次あいつぐ電車でんしゃ内ないでの襲撃しゅうげき事件じけんに国くにや鉄道てつどう会社かいしゃは対策たいさくの強化きょうかを迫せまられることになりました。

また「幸しあわせそうな女性じょせいやカップルを見みると殺ころしたくなる」などと供述きょうじゅつしたとされ、事件じけんを受うけて女性じょせいがねらわれる犯罪はんざいへの不安ふあんや、対策たいさくなどを訴うったえる声こえもあがりました。

けがをした男性だんせい「今いまでも思い出おもいだす」

当時とうじ、電車でんしゃに乗り合のりあわせ、逃にげる際さいにけがをした男性だんせいがNHKの取材しゅざいに応おうじ「今いまでもふとしたきっかけで当時とうじの光景こうけいを思い出おもいだしてしまう」などと、精神せいしん的てきな影響えいきょうが続つづいている状況じょうきょうを語かたりました。

神奈川かながわ県けんに住すむ40代だいの男性だんせいは、被告ひこくが乗客じょうきゃくを切きりつけた車両しゃりょうの隣となりの、先頭せんとうから3両りょう目めに乗のっていて、刃物はものを振り回ふりまわす被告ひこくから逃にげる際さいに周まわりの乗客じょうきゃくと折り重おりかさなって転倒てんとうし、腰こしなどを打うつけがをしました。

事件じけん直後ちょくご、男性だんせいは「逃にげ遅おくれてしまい、このままでは死しぬかもしれないと思おもった」などと話はなしていましたが、まもなく2年ねんがたとうとする中なか、改あらためてNHKの取材しゅざいに応おうじました。

この中なかで男性だんせいは「ショッキングな映像えいぞうや事件じけんを連想れんそうさせるようなSNSの書き込かきこみなど、今いまでもふとしたきっかけで、当時とうじの光景こうけいを思い出おもいだしてしまう。犯人はんにんに追おわれるような感覚かんかくや、逃にげようとして転倒てんとうしたときの床ゆかの感触かんしょく、逃にげ遅おくれてしまった恐怖きょうふ感かんなどがよみがえることがある」として、今いまも精神せいしん的てきな影響えいきょうが続つづいている状況じょうきょうを語かたりました。

通勤つうきんなどで電車でんしゃを利用りようしていますが「電車でんしゃの中なかは密室みっしつで、逃にげることができないと分わかったので、乗のる際さいには周まわりにどんな人ひとがいるのか確認かくにんするようになり、非常ひじょうボタンや防犯ぼうはんカメラなど、以前いぜんは気きにしなかったものを意識いしきするようになった」と話はなしました。

裁判さいばんが始はじまることについては「深ふかく考かんがえたり知しったりすること自体じたいがつらいので、裁判さいばんついて知しりたいとは思おもわない。事件じけん直後ちょくごの数すうか月かげつ間かんは毎秒まいびょうごとに当時とうじの様子ようすがよみがえってくるような状況じょうきょうで非常ひじょうにつらかったが、それ以上いじょう思い出おもいださないようにふたをすることが習慣しゅうかんになった」としています。

男性だんせいは「怒いかりやむなしさを無関係むかんけいの人ひとにぶつけることには非常ひじょうに憤いきどおりを感かんじるし、理不尽りふじんだ。無む関係かんけいの人ひとを被害ひがい者しゃとして巻き込まきこむだけでなく、自分じぶんの家族かぞくや友人ゆうじんを傷きずつけることにもなることは少すこし考かんがえれば分わかるのに、なぜそんなことをしてしまうのか」と話はなしました。