イスラエルのネタニヤフ首相は「ハマスに代償を払わせるまで攻撃を続ける」と、強硬な姿勢を崩しておらず、イスラエル軍は、空爆に加えてガザ地区との境界付近の部隊を増強して地上からの攻撃を拡大し、ガザ地区への侵攻も視野に入れています。
これに対しハマス側は「地上侵攻すれば、敵の死者や捕虜を増やすことができる。容赦ない教訓を教えてやる」と声明を出し、徹底抗戦する考えを示しています。
14日はイスラム教の特別な礼拝の日を迎えることから、モスク周辺などではイスラエルの治安部隊が警戒に当たっていて、パレスチナ人との衝突も懸念されています。
さらに攻撃の激化によってイスラエルではユダヤ系とアラブ系の住民との衝突が起こるなど緊張が高まっています。
イスラエル軍が最後にガザ地区に侵攻したのは、2014年7月で、軍は、ハマスの兵士たちが使っていたガザとイスラエルとの間を結ぶ地下トンネルを破壊する作戦を展開しました。 8月に、イスラエル軍とハマスが停戦するまでガザ地区では市民を含む2200人以上、イスラエルでもおよそ70人が死亡しました。 また2008年12月には、イスラエル軍はハマスによるロケット弾の攻撃を阻止するためとして、大規模な空爆のあと地上部隊を侵攻させ、3週間余りにわたる作戦でガザ地区では市民を含むおよそ1300人が死亡しました。
最初に会見したパレスチナ代表部のワリード・シアム大使は「ガザ地区は今、民間の建物に対する残忍な爆撃が行われ、多くの子どもを含む市民が犠牲になり、治安機関とは無関係の500以上の民家が破壊された」と述べ、イスラエルを非難しました。 そのうえで、シアム大使は「戦争犯罪に関わった者を裁判にかけるためには国際社会の協力が必要だ。今、行動を起こさなければパレスチナは軍事占領の犠牲者であり続けるだろう。今こそイスラエルによる占領を終わらせる時だ」と、国際社会に支援を呼びかけました。
イスラエルがガザ地区を空爆していることについて、ストゥルロブ臨時代理大使は「われわれは市民を守るため、必要なあらゆる措置を取る。自国民を守ることは国家の義務であり権利だ。われわれが行っていることは、自国民の保護だ」と、自衛権の行使の範囲内だとして正当性を主張しました。 会見を開いた日本外国特派員協会はイスラエルとパレスチナ双方が同席する形での記者会見を来週にも改めて開きたいとしています。
イスラム教の断食月ラマダンが終わり、東京・渋谷区にあるモスクでは金曜日の集団礼拝が行われ、イスラム教徒や日本人などおよそ300人がイスラエルとパレスチナの攻撃が収まるよう、祈りをささげました。 このあと参加者がデモ行進を行い、渋谷駅前などを通るおよそ4キロの道のりを、パレスチナの旗を掲げたり「ガザに自由を」とか「パレスチナを守れ」と声を上げたりしながら歩いて、抗議の意思を示していました。 デモに参加したパレスチナ出身で東京大学に留学している女性は「パレスチナの状況を見ているとつらいですし、家族も住んでいるので心配です。日本から応援していると伝えたい」と話していました。 デモを主催したトルコ人のクリジュ・セリムハンさんは「きょうのデモには多くの人たちが参加してくれ、パレスチナの人々に連帯を示せた。一刻も早くみんなが平和に暮らせるようになってほしい」と話していました。
過去のガザ侵攻では大勢の市民が犠牲に
両大使が都内の同じ場所で時間ずらし記者会見
都内 攻撃の即時停止求めデモ行進
