大阪おおさか 医療いりょう破綻はたんの危機きき「限界げんかいを超こえている」66％の病院びょういんが回答かいとう

大阪おおさか 福島ふくしま区くの「地域ちいき医療いりょう機能きのう推進すいしん機構きこう大阪おおさか病院びょういん」は軽症けいしょう・中等ちゅうとう症しょうの患者かんじゃの病床びょうしょうを20設もうけ、今月こんげつ7日にちの時点じてんで18人にんの患者かんじゃが入院にゅういんし、それとは別べつに、6人にんの重症じゅうしょう患者かんじゃの治療ちりょうにあたっています。

大阪おおさか病院びょういんでは8床しょうあるICU＝集中しゅうちゅう治療ちりょう室しつをこれまでは一般いっぱんの患者かんじゃ向むけに使用しようしていましたが、受け入うけいれる重症じゅうしょう患者かんじゃが増ふえ、さらに、入院にゅういん中ちゅうに重症じゅうしょう化かした患者かんじゃに対応たいおうする必要ひつようがあるとして、ICUの部屋へやを半分はんぶんに区切くぎり、先月せんげつ16日にちに仮設かせつでコロナ患者かんじゃ用ようのICUを設もうけました。

病院びょういん長ちょうの西田にしだ俊朗としろう医師いしは「重症じゅうしょう患者かんじゃを多数たすう受け入うけいれることが想定そうていされていないため、重症じゅうしょう患者かんじゃの容体ようだいを確認かくにんする設備せつびなどが十分じゅうぶんでない。ほかの病棟びょうとうから看護かんご師しなどの応援おうえんを呼よび、なんとか乗り切のりきっているような状況じょうきょうだ。この影響えいきょうで人手ひとでが足たりなくなり、コロナ患者かんじゃも一般いっぱんの患者かんじゃも断ことわらざるをえないケースが出でている」と話はなし、重症じゅうしょう患者かんじゃ用ようの十分じゅうぶんな設備せつびがないまま対応たいおうせざるをえない実態じったいを語かたりました。

こうした状況じょうきょうの中なかで、病院びょういんでは多おおいときでは1日にち10数すう件けんのコロナ患者かんじゃの受け入うけいれを断ことわらざるをえない状況じょうきょうになっていると証言しょうげんしました。

さらに、コロナ患者かんじゃへの対応たいおうに多おおくの人手ひとでをとられるため、一般いっぱんの医療いりょうにも大おおきな影響えいきょうが出でていて、今月こんげつ6日にちと7日にちに予定よていされていた緑内障りょくないしょうの手術しゅじゅつなど、比較的ひかくてき緊急きんきゅう度どが高たかいと判断はんだんしていた手術しゅじゅつのうち10件けんについて延期えんきせざるをえなくなったと説明せつめいしました。

西田にしだ病院びょういん長ちょうは、病院びょういんの持もつ機能きのうの限界げんかいを超こえていると指摘してきしたうえで「救急きゅうきゅうを断ことわらざるをえない状況じょうきょうにもなっていて、不ふ本意ほんいだが、命いのちの選択せんたくに近ちかいことが行おこなわれている状況じょうきょうだ。災害さいがいのようなパンデミックを抑おさえるため、みんなで力ちからを合あわせて感染かんせん者しゃを減へらしていくしかない」と述のべ、感染かんせんしないための行動こうどうをとってほしいと強つよく訴うったえました。

そのうえで「今いまの大阪おおさかは、想定そうてい外がいの患者かんじゃ数すうに対応たいおうし切きれていない状況じょうきょうだ。通常つうじょう医療いりょうがかなり縮小しゅくしょうしていて、病気びょうきになっても十分じゅうぶんな治療ちりょうを受うけられない可能かのう性せいは大おおきい」と現状げんじょうを説明せつめいしました。

さらに佐々木ささき会長かいちょうは「医療いりょうのひっ迫ひっぱくした状況じょうきょうはすぐには解消かいしょうしない。行政ぎょうせいには、新規しんき感染かんせん者しゃを減へらす努力どりょくを継続けいぞくしてもらうとともに、感染かんせん力りょくが強つよい変異へんい株かぶに対にたいする感染かんせん予防よぼう対策たいさくを個人こじん個人こじんがきっちりと続つづけるしかない」と訴うったえていました。

そして、今いま、全国ぜんこく各地かくちで感染かんせん者しゃが拡大かくだいしていることについて「大阪おおさかで起おきているような医療いりょうのひっ迫ひっぱくは他たの地域ちいきでも十分じゅうぶん起おこり得える。大切たいせつなのは、感染かんせん者しゃ数すうが少すくないうちに最悪さいあくの事態じたいを想定そうていして医療いりょう提供ていきょう体制たいせいをどうするか十分じゅうぶんに議論ぎろんし準備じゅんびすることだ。まん延まんえんしてからでは手遅ておくれで、もう一刻いっこくの猶予ゆうよもないと思おもってほしい」と警鐘けいしょうを鳴ならしました。