日本新聞: “外国人と食事しないように”感染予防啓発文書に保健所が記載

“外国がいこく人じんと食事しょくじしないように”感染かんせん予防よぼう啓発けいはつ文書ぶんしょに保健所ほけんじょが記載きさい

May 22, 2021 05:05

Furigana

茨城いばらき県けんの保健所ほけんじょが外国がいこく人じんが働はたらく農家のうかに対にたいして新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん予防よぼうを呼よびかけた文書ぶんしょに「外国がいこく人じんと一緒いっしょに食事しょくじをしないように」などと書かかれていたことがわかりました。保健所ほけんじょは内容ないようが不適切ふてきせつだったとして文書ぶんしょを撤回てっかいしました。

茨城いばらき県けんの潮来いたこ保健所ほけんじょによりますと、今月こんげつ19日にちから20日にちにかけて、新型しんがたコロナウイルスへの感染かんせん予防よぼうについて外国がいこく人じんが働はたらいている農家のうかに向むけた文書ぶんしょを保健所ほけんじょの管内かんないの農協のうきょうや市役所しやくしょにメールで送おくりました。

この文書ぶんしょには「外国がいこく人じんから感染かんせんした可能かのう性せいが疑うたがわれる新型しんがたコロナウイルス患者かんじゃが多おおく発生はっせいしている」と書かかれています。

そのうえで「外国がいこく人じんと会話かいわするときは必かならずマスクをつけてください」とか、「外国がいこく人じんと一緒いっしょに食事しょくじをしないようにしてください」などと書かかれていました。

「文書ぶんしょの内容ないようは不適切ふてきせつ」と撤回てっかい

文書ぶんしょを出だしたあと外部がいぶから保健所ほけんじょに「不適切ふてきせつではないか」との指摘してきがあったということで、茨城いばらき県けん感染かんせん症しょう対策たいさく課かと潮来いたこ保健所ほけんじょは21日にち、「文書ぶんしょの内容ないようは不適切ふてきせつだった」として文書ぶんしょを撤回てっかいしました。

潮来いたこ保健所ほけんじょはNHKの取材しゅざいに対にたいし「外国がいこく人じんを差別さべつする意図いとは全まったくありませんでしたが、誤解ごかいを招まねく表現ひょうげんがあったとしたら申し訳もうしわけありませんでした」と話はなしています。

今回こんかいの文書ぶんしょについて外国がいこく人じんの支援しえん活動かつどうを行おこなっている杉田すぎた昌平しょうへい弁護士べんごしは「行政ぎょうせいが外国がいこく人じんと明示めいじして差別さべつを助長じょちょうさせかねない表現ひょうげんをすることは憲法けんぽう14条じょうの法ほうの下したの平等びょうどうの原則げんそくに照てらしてもあってはならない。日本人にっぽんじんと外国がいこく人じんを分わけて表現ひょうげんしたことは外国がいこく人じんにのみ感染かんせんが広ひろがっているような印象いんしょうを与あたえかねず、大変たいへん残念ざんねんな表現ひょうげんだ」と話はなしています。