日本新聞: 日本海側の津波リスク過去に広範囲で繰り返し到達の痕跡

日本海にほんかい側がわの津波つなみリスク過去かこに広ひろ範囲はんいで繰り返くりかえし到達とうたつの痕跡こんせき

Mar 13, 2021 07:03

Furigana

手てがかりが少すくない日本海にほんかい側がわでの津波つなみのリスクを知しる貴重きちょうな成果せいかだと期待きたいされます。

国くにの研究けんきゅうプロジェクトが沿岸えんがん各地かくちにある地層ちそうを調しらべた結果けっか、北海道ほっかいどうの南西なんせい部ぶでは過去かこおよそ9000年間ねんかんに20回かいも津波つなみが押し寄おしよせていた可能かのう性せいを示しめす痕跡こんせきが見みつかっていたほか、西日本にしにほんの日本海にほんかい側がわでも複数ふくすうの痕跡こんせきが見みつかったことがわかりました。日本海にほんかい側がわでは1983年ねんの日本海にほんかい中部ちゅうぶ地震じしんや、1993年ねんの北海道ほっかいどう南西なんせい沖おき地震じしんなど、繰り返くりかえし地震じしんや津波つなみの大おおきな被害ひがいが出でていますが、記録きろくが少すくないことなどから、起おこりうる地震じしんや津波つなみの実像じつぞうはよくわかっていません。

東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいの発生はっせいを受うけて新潟にいがた大学だいがくなどが日本海にほんかい各地かくちの沿岸えんがんの地層ちそうから海うみの砂すなや貝かいなど津波つなみが運はこんだものとみられる堆積たいせき物ぶつを8年ねんかけて詳くわしく調しらべました。

その結果けっか、北海道ほっかいどうの奥尻おくしり島とうでおよそ9000年ねんに20回かい、青森あおもり県けんの五所川原ごしょがわら市しでおよそ8000年ねんに9回かい、新潟にいがた県けんの佐渡さど島とうでおよそ9500年ねんに24回かい、津波つなみが押し寄おしよせていた可能かのう性せいを示しめす痕跡こんせきが見みつかっていたことがわかりました。

また、北きた日本にっぽんや北陸ほくりくよりさらに手てがかりの少すくない西日本にしにほんでも、鳥取とっとり県けん北栄きたざかえ町まち

でおよそ6000年ねんに4回かい、山口やまぐち県けん下関しものせき市しでおよそ7000年ねんに2回かい、津波つなみが押し寄おしよせたとみられる痕跡こんせきが確認かくにんされたということです。

研究けんきゅうグループは、日本海にほんかいの海底かいてい地形ちけいや断層だんそうの特性とくせいなどからみて、同おなじ断層だんそうが繰り返くりかえしずれ動うごいたのではなく、東北とうほくの津波つなみが山陰さんいん地方ちほうに到達とうたつするなど、別々べつべつの断層だんそうが引き起ひきおこした津波つなみが各地かくちに押し寄おしよせていた可能かのう性せいがあるとしています。

「日本海にほんかい地震じしん・津波つなみ調査ちょうさプロジェクト」で津波つなみ堆積たいせき物ぶつの調査ちょうさを行おこなった新潟にいがた大学だいがくの卜部うらべ厚志あつし教授きょうじゅは「日本海にほんかい側がわの各地かくちで、どれぐらい津波つなみが来くるのか初はじめて全体ぜんたい像ぞうが明あきらかになり、地域ちいきごとにリスクを評価ひょうかする指標しひょうが得えられたと考かんがえている」と話はなしていました。