日本新聞: 潰瘍性大腸炎の患者に腸内細菌を移植 “先進医療”として初

潰瘍かいよう性せい大腸だいちょう炎えんの患者かんじゃに腸ちょう内ない細菌さいきんを移植いしょく “先進せんしん医療いりょう”として初はつ

Apr 21, 2023 07:04 1

Furigana

健康けんこうな人ひとの腸ちょう内ない細菌さいきんを、難病なんびょうの「潰瘍かいよう性せい大腸だいちょう炎えん」の患者かんじゃに移植いしょくして症状しょうじょうの改善かいぜんを目指めざす治療ちりょう法ほうについて、順天堂大学じゅんてんどうだいがくなどは、公的こうてきな保険ほけんが適用てきようされる治療ちりょうと併用へいようできる「先進せんしん医療いりょう」として初はじめてとなる移植いしょくを行おこなったと発表はっぴょうしました。今後こんご、保険ほけんが適用てきようされる治療ちりょう法ほうとしての承認しょうにんを目指めざすとしています。

潰瘍かいよう性せい大腸だいちょう炎えんは大腸だいちょうの粘膜ねんまくに炎症えんしょうが起おき、激はげしい腹痛はらいたや下痢げりなどを繰り返くりかえす国くに指定していの難病なんびょうで、患者かんじゃは国内こくないに22万まん人にん以上いじょういると推計すいけいされています。

順天堂大学じゅんてんどうだいがくなどのグループは、潰瘍かいよう性せい大腸だいちょう炎えんの患者かんじゃに対にたいする健康けんこうな人ひとの便びんから採とった腸ちょう内ない細菌さいきんの移植いしょくを、保険ほけんが適用てきようされる治療ちりょうと併用へいようできる先進せんしん医療いりょうとして今月こんげつ17日にちに初はじめて行いったと発表はっぴょうしました。

今回こんかいは、血便けつべんや下痢げりなどの症状しょうじょうがある30代だいの男性だんせい患者かんじゃに、健康けんこうな人ひとの腸ちょう内ない細菌さいきんを移植いしょくしたということで、グループは今後こんご1年間ねんかんで患者かんじゃ47人にんに対にたいして腸ちょう内ない細菌さいきんの移植いしょくを行おこなって安全あんぜん性せいや有効ゆうこう性せいを確認かくにんし、保険ほけんが適用てきようされる治療ちりょう法ほうとしての承認しょうにんを目指めざすとしています。

腸ちょう内ない細菌さいきんは体からだの免疫めんえき機能きのうを調節ちょうせつするなど、さまざまな病気びょうきに関かかわっていると考かんがえられるようになっていて、移植いしょくによって治療ちりょうを目指めざす研究けんきゅうは世界せかい的てきに進すすんできているということで、順天堂大学じゅんてんどうだいがくの石川いしかわ大だい准じゅん教授きょうじゅは「移植いしょくした腸ちょう内ない細菌さいきんが患者かんじゃの体内たいないで適合てきごうするならば、高たかい効果こうかが期待きたいできると考かんがえている」と話はなしています。