アメリカ政府は4月17日、税制優遇の対象となるEVの車種を発表し、今の時点では日本メーカーの車種は含まれていません。
一方、日米両政府は3月、重要鉱物に関する協定を締結し、バッテリーの材料となる重要鉱物の加工などを日本で行った場合でも、最終的に北米でEVを組み立てていれば新たに優遇措置の対象となりました。
日本メーカーなどの電池を使用するアメリカのテスラの車種も今回、対象となりました。
日本の自動車メーカー各社は、今回の発表についてアメリカ側の従来からの方針にのっとったもので、海外メーカーを締め出すものではないと受け止めています。
日産自動車は、現地で生産するEVの「リーフ」が対象から外れたことについて、蓄電池の部材や重要鉱物の条件を満たせていないとしたうえで「将来的には少なくとも一部の税制優遇の対象となることを期待している」としています。
そのほかの各社もすでにアメリカでのEVの現地生産に向けて、投資計画を打ち出しています。
トヨタ自動車は2025年の稼働開始を目指し、ノースカロライナ州で電池工場の建設を進めるなどしてアメリカ国内でSUV=多目的スポーツ車の生産を開始します。
ホンダも来年の販売に向けて、GM=ゼネラル・モーターズと共同開発したEVを現地生産するほか、2026年にはオハイオ州の工場で新型車の生産を始める計画です。
各社はこれまでの方針どおり、アメリカでのEVの現地生産の強化を進めていくとしています。
イギリスの調査会社、「LMCオートモーティブ」によりますと、おととし、世界で販売された新車8151万台のうち、エンジン車は6767万台と83%を占め、EVは469万台と5%にとどまりました。 今後の予測としては、2030年には、世界の新車販売1億350万台のうち、エンジン車は4035万台と、全体の38%まで減少。 これに対して、EVは3717万台と35%まで増え、新車の3台に1台がEVになるとしています。
▽日産自動車は、去年、世界でおよそ14万6000台のEVを販売しています。 今後の目標として2026年度に販売する新車のうち、ヨーロッパで78%、中国で23%、日本で15%をEVにするほか、2030年度にはアメリカで販売する新車の40%以上をEVにするとしています。 ▽トヨタ自動車は、去年、世界で2万4466台のEVを販売しています。 今後の目標としては2026年には150万台、2030年には350万台を販売するとしています。 ▽ホンダは、去年、世界で2万2256台を販売しています。 今後の目標としては2030年に200万台以上のEVを生産するとしています。
EV普及 急速に進む予測も 2030年に新車3台に1台か
日本メーカー EV販売目標は