日本新聞: 石川珠洲一部地域で住宅被害が発生しやすい特徴的な揺れ観測

石川いしかわ珠洲すず一部いちぶ地域ちいきで住宅じゅうたく被害ひがいが発生はっせいしやすい特徴とくちょう的てきな揺ゆれ観測かんそく

May 14, 2023 05:05

Furigana

今月こんげつ5日にちの地震じしんで震度しんど6強きょうの揺ゆれを観測かんそくした石川いしかわ県けん珠洲すず市しの一部いちぶの地域ちいきで、住宅じゅうたくの被害ひがいが発生はっせいしやすい特徴とくちょう的てきな揺ゆれが観測かんそくされ、そうした地域ちいきでは複数ふくすうの木造もくぞう住宅じゅうたくが全壊ぜんかいするなど被害ひがいが集中しゅうちゅうしていたことが専門せんもん家かの調査ちょうさでわかりました。

専門せんもん家かは、今後こんごも同おなじような揺ゆれが起おきる可能かのう性せいもあるとして注意ちゅういを呼よびかけています。

石川いしかわ県けんによりますと、今月こんげつ5日にち、石川いしかわ県けん珠洲すず市しで震度しんど6強きょうを観測かんそくした地震じしんによる建物たてものの被害ひがいは、13日にちまでに全壊ぜんかいと半壊はんかいがそれぞれ15棟むねなど734棟むねにのぼっています。

京都大きょうとだい学がく防災ぼうさい研究所けんきゅうじょの境さかい有紀ゆうき教授きょうじゅが、能登のと地方ちほうにある複数ふくすうの地震じしん計けいのデータを分析ぶんせきした結果けっか、珠洲すず市し正院しょういん町まちにある地震じしん計けいで、木造もくぞう住宅じゅうたくなどの被害ひがいが発生はっせいしやすい周期しゅうきが1秒びょうから2秒びょうほどの揺ゆれが観測かんそくされていたことがわかりました。

同おなじような揺ゆれは、28年ねん前まえの阪神はんしん・淡路あわじ大震災だいしんさいや7年ねん前まえの熊本くまもと地震じしんなどでも確認かくにんされています。

さらに境さかい教授きょうじゅの研究けんきゅうグループは13日にち、この揺ゆれの影響えいきょうを確たしかめるため、地震じしん計けいの半径はんけい200メートルにある建物たてものの被害ひがいを調査ちょうさしました。

その結果けっか、調査ちょうさの対象たいしょうとした37棟むねの木造もくぞう住宅じゅうたくのうち3棟むねが全壊ぜんかいしていたほか、倉庫そうこや作業さぎょう所しょなどが大おおきく傾かたむくなどの被害ひがいも多おおく確認かくにんされるなどこの地域ちいきに被害ひがいが集中しゅうちゅうしていました。

一方いっぽう、特徴とくちょう的てきな揺ゆれが観測かんそくされていない同おなじ珠洲すず市しの大谷おおや町まちの調査ちょうさ対象たいしょうの地域ちいきでは、26棟むねの木造もくぞう住宅じゅうたくのうち、全壊ぜんかいした建物たてものはありませんでした。

境さかい教授きょうじゅは、被害ひがいが集中しゅうちゅうした正院しょういん町まちで今回こんかいのような揺ゆれが発生はっせいした原因げんいんのひとつに、地面じめんに近ちかい「表層ひょうそう地盤じばん」が軟やわらかい可能かのう性せいがあることが考かんがえられるとしています。

境さかい教授きょうじゅは、「2007年ねんの『能登のと半島はんとう地震じしん』でも表層ひょうそう地盤じばんの軟やわらかい穴水あなみず町まちで被害ひがいが相次あいついだ。今後こんごの地震じしんでも建物たてものに影響えいきょうを与あたえやすい周期しゅうきの揺ゆれが起おきる可能かのう性せいがあり、注意ちゅういが必要ひつようだ」と話はなしていました。