일본어 뉴스: タイ総選挙クーデターで政権追われた元首相派政権交代なるか

9年ねん前まえのクーデター以降いこう、軍ぐんの影響えいきょう力りょくが強つよい政権せいけんが続つづくタイで、総そう選挙せんきょが行おこなわれました。プラユット首相しゅしょうが続投ぞくとうを目指めざす中なかクーデターで政権せいけんを追おわれたタクシン元もと首相しゅしょう派はによる政権せいけん交代こうたいとなるかが焦点しょうてんで、野党やとうがどこまで議席ぎせきを伸のばすのか結果けっかが注目ちゅうもくされます。

投票とうひょうは日本にっぽん時間じかんの午後ごご7時じに締め切しめきられたあと開票かいひょう作業さぎょうが進すすめられます。

4年ねんぶりに行おこなわれたタイの議会ぎかい下院かいんの選挙せんきょでは、与党よとうが分裂ぶんれつする事態じたいとなり、陸軍りくぐん司令しれい官かんとしてクーデターを率ひきいたプラユット首相しゅしょうは新党しんとうに参加さんかして続投ぞくとうを目指めざしています。

一方いっぽう、クーデターで政権せいけんを追おわれ、今回こんかい政権せいけん奪還だっかんを目指めざすタクシン元もと首相しゅしょう派はの最大さいだい野党やとう「タイ貢献こうけん党とう」は、タクシン氏しの次女じじょ、ペートンタン氏しを首相しゅしょう候補こうほに立たてていて、各種かくしゅの世論せろん調査ちょうさではタイ貢献こうけん党とうが第だい一いち党とうをうかがう情勢じょうせいとなっています。

また、軍ぐんの影響えいきょう力りょく排除はいじょを訴うったえる野党やとう「前進ぜんしん党とう」も若者わかものを中心ちゅうしんに急速きゅうそくに支持しじを広ひろげています。

ただ、選挙せんきょ後ごに議会ぎかいで行おこなわれる首相しゅしょう指名しめいには、軍政ぐんせい下かで任命にんめいされた上院じょういん議員ぎいんも加くわわり、その多おおくが軍ぐん側がわに有利ゆうりな投票とうひょうをするとみられています。

このため、軍ぐんに近ちかい政権せいけんが継続けいぞくするか政権せいけん交代こうたいとなるかは、今回こんかい、野党やとうがどれだけ議席ぎせきを伸のばすかにかかっていて、結果けっかが注目ちゅうもくされます。

早はやければ14日にち夜よるのうちにも大勢たいせいが判明はんめいする見通みとおしで、結果けっかを受うけて、今後こんご連立れんりつ協議きょうぎが行おこなわれる見込みこみです。

各党かくとうの関係かんけい者しゃは

今回こんかいの選挙せんきょで新党しんとう「タイ団結だんけつ国家こっか建設けんせつ党とう」に参加さんかし、首相しゅしょう候補こうほとして続投ぞくとうを目指めざすプラユット首相しゅしょうは、首都しゅとバンコクの自宅じたく近ちかくの投票とうひょう所しょを訪おとずれ、投票とうひょうを済すませました。投票とうひょう後ご、プラユット首相しゅしょうは「タイの全すべての有権者ゆうけんしゃには投票とうひょう所しょへ行いってもらい、私わたしたちの民主みんしゅ主義しゅぎのシステムに基もとづいて票ひょうを投とうじてほしい」と呼よびかけました。

最大さいだい野党やとう「タイ貢献こうけん党とう」の首相しゅしょう候補こうほで、タクシン元もと首相しゅしょうの次女じじょ、ペートンタン氏しは、家族かぞくとともに首都しゅとバンコクの投票とうひょう所しょを訪おとずれ、1票ひょうを投とうじました。投票とうひょう後ご、ペートンタン氏しは「100％の自信じしんがあり、きょうはいい日ひになりそうです。人々ひとびとは変化へんかを求もとめていると感かんじていて、タイのため、国民こくみんのために投票とうひょうで権利けんりが行使こうしされることを期待きたいしています」と述のべました。

若者わかものを中心ちゅうしんに急速きゅうそくに支持しじを拡大かくだいしている野党やとう「前進ぜんしん党とう」のピタ党首とうしゅは、首都しゅとバンコクでみずからが投票とうひょうする前まえに記者きしゃ団だんの取材しゅざいに応おうじ、「有権者ゆうけんしゃはタイをよくしたいと思おもい、投票とうひょうするだろう。きょうの選挙せんきょは歴史れきし的てきな投票とうひょう率りつになると予想よそうしている」と述のべました。

投票とうひょうした人ひとたちは

バンコクの投票とうひょう所しょで1票ひょうを投とうじた20歳さいの女子じょし大学生だいがくせいは「初はじめて総そう選挙せんきょで投票とうひょうしました。タイがよりよい国くにになるように変化へんかを求もとめています」と話はなしていました。

また30歳さいの会社かいしゃ員いんの男性だんせいは「意中いちゅうの候補こうほの勝利しょうりのため投票とうひょうに来きました。汚職おしょくのない政治せいじを望のぞんでいます」と話はなしていました。

36歳さいの会社かいしゃ員いんの男性だんせいは「クーデター以降いこうの9年ねんは経済けいざいが低迷ていめいし苦くるしい期間きかんでした。経済けいざいや社会しゃかい構造こうぞうの変化へんかを求もとめていて、政権せいけん交代こうたいを望のぞみます」と話はなしていました。

与党よとう側がわは分裂ぶんれつ野党やとう側がわは支持しじ拡大かくだい

今回こんかいの選挙せんきょ戦せんではプラユット首相しゅしょうが最大さいだい与党よとう「国民こくみん国家こっかの力ちから党とう」内ないでの求心力きゅうしんりょくの低下ていかを受うけて、新党しんとうの「タイ団結だんけつ国家こっか建設けんせつ党とう」に参加さんかしたため、与党よとう側がわは分裂ぶんれつする形かたちになっています。

続投ぞくとうを目指めざすプラユット首相しゅしょうは国くにの安定あんていを図はかってきたとしてこれまでの実績じっせきを強調きょうちょうし、伝統でんとう的てきな保守ほしゅ層そうや大だい企業きぎょうの経営けいえい者しゃなどからの支持しじがあるとされています。

プラユット首相しゅしょうに代かわり「国民こくみん国家こっかの力ちから党とう」は党首とうしゅのプラウイット副ふく首相しゅしょうを首相しゅしょう候補こうほにしています。

一方いっぽう、最大さいだい野党やとう「タイ貢献こうけん党とう」はタクシン氏しの次女じじょ、ペートンタン氏しなど3人にんを首相しゅしょう候補こうほに据すえて選挙せんきょ戦せんを展開てんかいしてきました。

タイ貢献こうけん党とうは最低さいてい賃金ちんぎんの引き上ひきあげなど、農村のうそん部ぶや低てい所得しょとく層そう向むけの手厚てあつい政策せいさくで支持しじを集あつめていて、今回こんかいの選挙せんきょでも主おもに経済けいざいの回復かいふくを訴うったえてきました。

そして、野党やとう勢力せいりょくで終盤しゅうばん、追い上おいあげを見みせているのが野党やとうの「前進ぜんしん党とう」です。

既存きそんの政治せいじからの脱却だっきゃくを掲かかげ、若者わかものを中心ちゅうしんに急速きゅうそくに支持しじを拡大かくだいしてきました。

前回ぜんかいの総そう選挙せんきょで新党しんとうながら第だい3党とうに躍進やくしんしたものの選挙せんきょ後ごに解党かいとうされた「新しん未来みらい党とう」の流ながれをくみ、世論せろん調査ちょうさでは、「タイ貢献こうけん党とう」に次つぐ、支持しじ率りつを維持いじしています。

軍ぐんの政治せいじ関与かんよに反対はんたいしていてその動向どうこうが注目ちゅうもくされています。

選挙せんきょ制度せいどと首相しゅしょう指名しめい

今回こんかい改選かいせんされるのは議会ぎかい下院かいんで小しょう選挙せんきょ区く400議席ぎせき、比例ひれい代表だいひょう100議席ぎせき、あわせて500議席ぎせきをめぐって選挙せんきょが行おこなわれます。

各党かくとうは首相しゅしょう候補こうほを3人にんまで擁立ようりつすることができ、総そう選挙せんきょで25議席ぎせき以上いじょうを獲得かくとくした政党せいとうの候補こうほ者しゃから上院じょういん・下院かいんの両りょう議員ぎいんの投票とうひょうで首相しゅしょうが選えらばれます。

総そう選挙せんきょ後ごに行おこなわれる首相しゅしょうの指名しめいは今回こんかい改選かいせんされる下院かいん議員ぎいん500人にんに加くわえ、軍政ぐんせい下かで任命にんめいされた上院じょういん議員ぎいん250人にんの投票とうひょうで決きまりますが、多おおくの上院じょういん議員ぎいんは軍ぐん側がわに有利ゆうりな投票とうひょうをするとみられています。

このため、野党やとうが単独たんどくで政権せいけんをとるには、あわせて750議席ぎせきの過か半数はんすうとなる376議席ぎせきを下院かいんで獲得かくとくする必要ひつようがあります。

ただ、今回こんかい、単独たんどくで政権せいけんをとるのは難むずかしいとみられ、選挙せんきょ後ごの連立れんりつ協議きょうぎの行方ゆくえが焦点しょうてんとなります。

プラユット氏しとは

プラユット氏しは陸軍りくぐん出身しゅっしんの69歳さい。

2014年ねん、陸軍りくぐん司令しれい官かんとして軍事ぐんじクーデターを主導しゅどうし、その後そのご、暫定ざんてい政権せいけんの首相しゅしょうに就任しゅうにんしました。

2019年ねんの前回ぜんかい総そう選挙せんきょでは、軍ぐん主導しゅどうの政治せいじ体制たいせいの継続けいぞくを目指めざす「国民こくみん国家こっかの力ちから党とう」の首相しゅしょう候補こうほとなり、選挙せんきょ後ごの連立れんりつ政権せいけんの首相しゅしょうに就任しゅうにんしました。

ただ「国民こくみん国家こっかの力ちから党とう」内部ないぶで求心力きゅうしんりょくが低下ていかし、ことし1月つき、プラユット氏しは、新党しんとうの「タイ団結だんけつ国家こっか建設けんせつ党とう」に参加さんかすることを表明ひょうめいし、首相しゅしょう候補こうほとして続投ぞくとうを目指めざしています。

ペートンタン氏しとは

最大さいだい野党やとう「タイ貢献こうけん党とう」の首相しゅしょう候補こうほとして選挙せんきょ戦せんを率ひきいるペートンタン氏しは36歳さい。

タクシン元もと首相しゅしょうの次女じじょで、家族かぞくが所有しょゆうするホテルなどでの関連かんれん事業じぎょうに携たずさわったあと、おととし（2021年ねん）、党とうの最高さいこう顧問こもんに就任しゅうにんしました。

選挙せんきょ戦中せんちゅうの5月つき1日にちには第だい2子しとなる男児だんじを出産しゅっさん。

出産しゅっさん2日にち後ごに会見かいけんを開ひらき、長男ちょうなんのニックネームは、タクシン元もと首相しゅしょうにちなんで「ターシン」と名付なづけたことを発表はっぴょうして、話題わだいを集あつめました。

次つぎの首相しゅしょうにふさわしい人物じんぶつを尋たずねた世論せろん調査ちょうさではたびたびトップに立たっています。

タイ貢献こうけん党とうの顔かおとして選挙せんきょ戦せんを率ひきいてきた一方いっぽうで、政治せいじ家かとしての経験けいけんが乏とぼしいことから、政治せいじ手腕しゅわんは未知数みちすうとされています。

タクシン派はめぐる経緯けいい

タイでは、タクシン元もと首相しゅしょうを支持しじする勢力せいりょくとそれに反発はんぱつする勢力せいりょくが国くにを二分にぶんする形かたちで対立たいりつを続つづけてきました。

タクシン元もと首相しゅしょうは経済けいざい発展はってんから取り残とりのこされた農村のうそんなどからの支持しじを集あつめ、2001年ねんに首相しゅしょうに就任しゅうにんしましたが、2006年ねんの軍ぐんによるクーデターで失脚しっきゃくしました。

その後そのご汚職おしょくの罪つみで実刑じっけい判決はんけつを受うけ、収監しゅうかんを免まぬかれるため国外こくがいで事実じじつ上じょうの亡命ぼうめい生活せいかつを送おくっています。

タクシン元もと首相しゅしょうは国くにを追おわれましたが、タクシン派はは農村のうそん部ぶの住民じゅうみんや低てい所得しょとく者しゃ層そうに浸透しんとうしてきました。

一方いっぽう、タクシン氏しは5月つき9日にち、自身じしんのSNSで「7月つきの私わたしの誕生たんじょう日び前まえに家いえに帰かえって、孫まごの世話せわをすることを決きめた。17年ねん家族かぞくと離はなれ、私わたしは年としをとった」と投稿とうこうし、選挙せんきょ後ごに帰国きこくする意向いこうを示しめしました。