日本新闻: 文化庁京都移転の検証議員への説明などリモート対応できず

文化庁ぶんかちょう京都きょうと移転いてんの検証けんしょう議員ぎいんへの説明せつめいなどリモート対応たいおうできず

May 15, 2023 06:05

Furigana

文化庁ぶんかちょうは、移転いてん先さきの京都きょうとで15日にちから本格ほんかく的てきに業務ぎょうむを開始かいしします。

移転いてんの課題かだいを調しらべるため去年きょねん、文化庁ぶんかちょうが2週間しゅうかん行おこなった検証けんしょうでは、国会こっかい議員ぎいんへの説明せつめいなどでリモートでの対応たいおうが1回かいもできていなかったことが分わかりました。

この検証けんしょうは、文化庁ぶんかちょうが去年きょねん2月つきの通常つうじょう国会こっかいの会期かいき中ちゅう、京都きょうとに移転いてんする部署ぶしょの全ぜん職員しょくいんを対象たいしょうに、東京とうきょう品川しながわの貸かしオフィスで勤務きんむしてもらい、2週間しゅうかんにわたって行おこないました。

NHKが情報じょうほう公開こうかい請求せいきゅうで検証けんしょうの記録きろくを入手にゅうしゅし、関係かんけい者しゃに取材しゅざいした結果けっか、国会こっかい議員ぎいんへの説明せつめいや、政党せいとうの会議かいぎへの参加さんかは、期間きかん中ちゅう、合あわせて17回かいありましたが、リモートで対応たいおうできたケースは1回かいもなく、すべて対面たいめんで対応たいおうしていたことが分わかりました。

記録きろくの中なかで職員しょくいんは「議員ぎいん対応たいおうの場合ばあい、オンラインなどの理解りかいが深ふかまっていない」とか、「他たの省庁しょうちょうが対面たいめんで出席しゅっせきする中なか、文化庁ぶんかちょうのみオンライン対応たいおうとすることは難むずかしい」などと答こたえていました。

これより前まえの2019年ねんと2020年ねんに職員しょくいんを京都きょうとで勤務きんむさせるなどして行いった検証けんしょうでも、国会こっかい議員ぎいんの説明せつめいをリモートで対応たいおうできたケースは、合あわせて212回かいのうち8回かいにとどまっていました。

文化庁ぶんかちょうでは、こうした検証けんしょうをもとに、リモートでの対応たいおうができずに東京とうきょうに出張しゅっちょうするケースが年間ねんかん1400回かいに上のぼるとして、今年度こんねんどの予算よさんにおよそ4300万まん円えんを盛り込もりこんでいます。

文化庁ぶんかちょうは、長官ちょうかんをトップに、6つの部署ぶしょなどの職員しょくいんの大半たいはんが京都きょうとの庁舎ちょうしゃに移うつり、15日にちから本格ほんかく的てきに業務ぎょうむを開始かいしすることになっていて、「職員しょくいんたちが実際じっさいにリモート対応たいおうをお願おねがいする場面ばめんに日々ひび直面ちょくめんすることになる。政府せいふ全体ぜんたいや国会こっかいなどには引き続ひきつづき理解りかいを求もとめたい」としています。

職員しょくいんが対面たいめんで対応たいおう具体ぐたい的てきなケースは

今回こんかいの情報じょうほう公開こうかい請求せいきゅうでは、2019年ねんに文化庁ぶんかちょうが行おこなった検証けんしょうで試験しけん的てきに京都きょうとで勤務きんむした職員しょくいんが対面たいめんで対応たいおうすることになった具体ぐたい的てきなケースも明あきらかになりました。

それによりますと、対面たいめんでの対応たいおうが最もっとも多おおかったのは国会こっかい議員ぎいんへの説明せつめいで、その理由りゆうとして「対面たいめんでの説明せつめいを希望きぼうする議員ぎいん事務所じむしょが多おおかった」と記しるされていました。

このうち、ある国会こっかい議員ぎいんから「天守閣てんしゅかくの復元ふくげん」などについて「レク」と呼よばれる説明せつめいの要求ようきゅうがあったケースでは、1時間じかん15分ふん後ごに説明せつめいに来くるよう求もとめられたということで、「課長かちょうが京都きょうと出張しゅっちょう中ちゅうのためテレビ会議かいぎシステムでのレクはどうかと提案ていあんしたが、返事へんじが来こなかったため、東京とうきょうの庁舎ちょうしゃにいた職員しょくいんがレクを行おこなった」としています。

また、「国会こっかい議員ぎいんが万葉集まんようしゅうに関にかんする陳情ちんじょうを文部もんぶ科学かがく大臣だいじんに行おこなうため、担当たんとう課長かちょうと係長かかりちょうが東京とうきょうへ出張しゅっちょうした」というケースでは、20分間ふんかんの陳情ちんじょうに対応たいおうするため京都きょうとと東京とうきょうを往復おうふくしていました。