日本新聞: “敵位置把握から約1分で砲撃可” ウクライナ軍支えるシステム

“敵てき位置いち把握はあくから約やく1分ふんで砲撃ほうげき可か” ウクライナ軍ぐん支ささえるシステム

May 22, 2022 15:05 30

Furigana

ロシア軍ぐんが掌握しょうあくを目指めざすウクライナ東部とうぶでは、欧米おうべいの軍事ぐんじ支援しえんを受うけるウクライナ軍ぐんの反撃はんげきでロシア軍ぐんの勢いきおいが失うしなわれているとみられています。

ロシア軍ぐんの“渡河とか作戦さくせん”失敗しっぱいが戦況せんきょうに影響えいきょうも

ウクライナ軍ぐんの戦果せんかの1つとして挙あげられているのが、今月こんげつ11日にちごろ、東部とうぶのルハンシク州しゅうを流ながれるドネツ川がわを渡わたろうとしていたロシア軍ぐんを攻撃こうげきして進軍しんぐんを阻はばんだとみられる作戦さくせんです。

これについてウクライナ軍ぐんは、ロシア軍ぐんの戦車せんしゃや装甲車そうこうしゃなど70台だい以上いじょうを破壊はかいすることに成功せいこうしたと主張しゅちょうし、アメリカのシンクタンク、「戦争せんそう研究所けんきゅうじょ」も「この作戦さくせんの失敗しっぱいは、ロシアの軍事ぐんじ評論ひょうろん家かの間まにも衝撃しょうげきを与あたえている。戦術せんじゅつ的てきな判断はんだんの失敗しっぱいが示しめされた」と指摘してきしました。

ウク軍ぐんの背景はいけいに“大砲たいほうのウーバー”

イギリスの新聞しんぶん「タイムズ」によりますと、この攻撃こうげきで威力いりょくを発揮はっきしたのが「GIS Arta（ジーアイエスアルタ）」というシステムです。

このシステムは、偵察ていさつ用ようドローンやGPSなどから送おくられた戦場せんじょうのデータによって敵てきの位置いちを特定とくていすると、計算けいさんソフトが処理しょりしてその地域ちいきにあるどの兵器へいきが攻撃こうげきに最もっとも適てきしているかを判断はんだんするということです。

これまで敵てきの位置いちを把握はあくしてから発射はっしゃするまでに20分ふん以上いじょうかかっていた時間じかんを1分ふん程度ていどに短縮たんしゅくしたとされています。

システムは、ウクライナ人じんのプログラマーがイギリスの企業きぎょうと開発かいはつしたということで、ロシアが一方いっぽう的てきに南部なんぶクリミアを併合へいごうした2014年ねんからウクライナ軍ぐんで使用しようされ、砲兵ほうへい部隊ぶたいで広ひろく使つかわれているということです。

アメリカの配車はいしゃサービス大手おおてのウーバーが最もっとも近ちかい運転うんてん手しゅと乗客じょうきゃくをマッチングすることになぞらえて“大砲たいほうのウーバー”とも呼よばれています。

イーロン・マスク氏しが支援しえんも

こうしたシステムの運用うんようには高速こうそくのインターネット網もうが必要ひつようですが、戦地せんちでは、アメリカの実業じつぎょう家か、イーロン・マスク氏しの宇宙うちゅう開発かいはつ企業きぎょうの衛星えいせいを使つかった高速こうそくインターネット接続せつぞくサービスが活用かつようされているということです。

軍事ぐんじ侵攻しんこうが始はじまった直後ちょくごのことし2月つき、ウクライナのフョードロフ副ふく首相しゅしょうの要請ようせいを受うけてマスク氏し側がわが協力きょうりょくを始はじめたということです。