生成AI普及に伴う収入減少と生計不安
日本フリーランス協会が2023年10月に実施したオンライン調査によれば、国内の漫画家やイラストレーターをはじめとするクリエイターのうち、実に12%が「生成AIの普及によって過去1年間で収入が減少した」と回答している。
特に、9,3%が収入の10~50%減少を、さらに2,7%が50%以上の大幅な減収を経験したことが明らかとなった。
このような影響を受けたクリエイターの多くは、クライアントから「AIによる代替が可能」との理由で報酬の引き下げや納期短縮を余儀なくされ、さらには契約自体を失う事態に直面したと証言している。連合名誉会長のやくみつる氏は、「すでに10人に1人以上のクリエイターが実害を受けており、今後も被害が拡大するおそれがある」と警鐘を鳴らしている。
調査には合計24,991人が回答し、そのうちイラストレーターが54,2%、漫画家が15%を占めていた。生成AIについて「生計の脅威である」と感じている人は88,6%に上り、そのうち65,3%が「非常に脅威」と認識している。
一方で、AIを実際の制作に活用しているクリエイターは極めて少なく、62,9%が「使用しておらず、今後も使用する予定はない」と回答し、AIで作品を部分的または全面的に制作している人はわずか2,8%にとどまった。
収入面だけでなく、トラブルや風評被害も深刻な問題となっている。77,8%が「知人が作風の盗用やAI使用の疑い、ネット上での攻撃などの被害を受けたのを見聞きした」と答え、さらに14,5%が「自分自身が被害を受けた」と述べている。AIを利用していないことを証明することが困難になりつつあり、「魔女狩り」のような状況に陥ることを懸念する声も少なくない。
政策面においては、92,8%が「AIの学習データに著作物が含まれる場合は、その内容を公開すべきである」と考えており、61,6%が事前許可制(オプトイン)を支持、26,6%が「著作物を用いたAI学習を全面的に禁止すべき」との意見を示した。連合は政府に対し、学習データの透明かやAI生成物の表示義務化、さらにはクリエイターへの利益還元制度の早期整備を強く要望している。