Actualités japonaises: 「はるやまホールディングス」現経営陣を再任創業家内で対立

創業そうぎょう家内かないで対立たいりつが表面ひょうめん化かしていた紳士しんし服ふく大手おおて「はるやまホールディングス」の株主かぶぬし総会そうかいが、29日にち行おこなわれ、創業そうぎょう家かの1人にんで現在げんざいの会長かいちょうの姉あねが提案ていあんした経営けいえい陣じんの刷新さっしん案あんは否決ひけつされ、引き続ひきつづき、現げん経営けいえい陣じんが経営けいえいを担になっていくことになりました。

岡山おかやま市しに本社ほんしゃのある「はるやまホールディングス」は、新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうから昨年度さくねんどの決算けっさんで最終さいしゅう的てきな損益そんえきが過去かこ最大さいだいの78億おく円えんの赤字あかじになるなど、同業どうぎょう他社たしゃと比くらべて業績ぎょうせきの回復かいふくが遅おくれています。

こうした中なか、治山ちさん正史せいし会長かいちょうの姉あねで大だい株主かぶぬしの岩渕いわぶち典子のりこ氏しが、会長かいちょうの退任たいにんを含ふくむ経営けいえい陣じんの刷新さっしんを株主かぶぬし総会そうかいに提案ていあんしました。

関係かんけい者しゃによりますと、この提案ていあんには創業そうぎょう者しゃで正史せいし氏しや岩渕いわぶち氏しの父ちちである治山ちさん正次まさつぐ氏しも賛同さんどうしたということです。

この提案ていあんについて29日にち、岡山おかやま市しの本社ほんしゃで開ひらかれた株主かぶぬし総会そうかいで採決さいけつが行おこなわれた結果けっか、過半数かはんすうの支持しじを得えられず否決ひけつされ、現在げんざいの治山ちさん正史せいし会長かいちょうの再任さいにんが承認しょうにんされたということです。

これにより、今後こんごも引き続ひきつづき、正史せいし会長かいちょうらが経営けいえいを担になっていくことになります。

新型しんがたコロナの影響えいきょうによる在宅ざいたく勤務きんむの広ひろがりや、外出がいしゅつ機会きかいの減少げんしょうでスーツの需要じゅようが落ち込おちこむ中なか、正史せいし会長かいちょうらが業績ぎょうせきをどう回復かいふくさせられるか注目ちゅうもくされます。

出席しゅっせきした株主かぶぬし「経営けいえい陣じんは業績ぎょうせきを立て直たてなおして」

総会そうかいのあと、出席しゅっせきした株主かぶぬしからは、再任さいにんされた現げん経営けいえい陣じんに業績ぎょうせきの立て直たてなおしを求もとめる声こえが聞きかれました。

岡山おかやま市しの40代だいの男性だんせいは、「経営けいえいへの意見いけんや総会そうかいの進め方すすめかたについて質問しつもんが飛び交とびかい総会そうかいは紛糾ふんきゅうした。説明せつめいを聞きいて現げん経営けいえい陣じんに任まかせて1年間ねんかん、様子ようすを見みようと思おもい、会社かいしゃ側がわの提案ていあんに賛同さんどうした。同業どうぎょう他社たしゃが黒字くろじ経営けいえいの中なかで赤字あかじが続つづいており、再任さいにんされた経営けいえい陣じんには業績ぎょうせきを立て直たてなおしてほしい」と話はなしていました。

経営けいえい陣じん刷新さっしんを提案ていあん岩渕いわぶち典子のりこ氏し「社員しゃいんのことを思おもうと気の毒きのどく」

経営けいえい陣じんの刷新さっしんを求もとめる株主かぶぬし提案ていあんを行おこなった創業そうぎょう家かの1人にんで会長かいちょうの姉あねの岩渕いわぶち典子のりこ氏しは、総会そうかい後ご、報道陣ほうどうじんの取材しゅざいに対にたいし、「残念ざんねんです。会社かいしゃ内ないはぼろぼろなうえ、中立ちゅうりつな人事じんじがされないので、社員しゃいんはモチベーションが上あがらず、社員しゃいんのことを思おもうと気の毒きのどくです。来年らいねんのことは、まだ考かんがえられません」と話はなしていました。

おととしから会長かいちょうらの退陣たいじん求もとめる

関係かんけい者しゃによりますと、今回こんかいの株主かぶぬし総会そうかいではるやまホールディングスの治山ちさん正史せいし会長かいちょうらの再任さいにんに反対はんたいする株主かぶぬし提案ていあんをしたのは、正史せいし氏しの姉あねの岩渕いわぶち典子のりこ氏しでした。

岩渕いわぶち氏しは、「正史せいし氏しが社長しゃちょうになってから会社かいしゃがおかしくなり、周まわりの助言じょげんにも聞きく耳みみを持もたない」などとして、創業そうぎょう者しゃで父ちちの治山ちさん正次まさつぐ氏しらとともにおととしから正史せいし氏しの再任さいにんに反対はんたいし退陣たいじんを求もとめていました。

しかし、おととしの株主かぶぬし総会そうかいは賛成さんせい51.59％と、わずか1ポイントあまりの差さで正史せいし氏しの再任さいにんが認みとめられ、去年きょねんは57.55％と7ポイント余あまりの差さで正史せいし氏しが再任さいにんされていました。

そして、ことし。

岩渕いわぶち氏しは、「創業そうぎょう以来いらい、最大さいだいの危機ききだ。今いまやるべきことは会社かいしゃの実情じつじょうを知しったものが取締役とりしまりやくとなり、スピードをもって会社かいしゃを改革かいかくすることだ」として、すべての取締役とりしまりやくの入れ替いれかえを求もとめる株主かぶぬし提案ていあんを行おこない、退任たいにんしていた元もと幹部かんぶなど4人にんを新あらたな取締役とりしまりやくとして推挙すいきょしました。

さらに岩渕いわぶち氏しは、3万まん人にん以上いじょういるという株主かぶぬし全員ぜんいんに手紙てがみを送おくり、「はるやまの実情じつじょうをよく知しる元もと幹部かんぶらが、はるやまを救すくおうと名乗なのりを上あげてくれた。現げん経営けいえい陣じんがいては自由じゆうな改革かいかくはできない」などと、みずからの提案ていあんに賛成さんせいするよう呼よびかけました。

こうした岩渕いわぶち氏しの提案ていあんに対にたいし、はるやまホールディングスは、「当社とうしゃは改革かいかくに取り組とりくんでいる途上とじょうであり、その効果こうかは今期こんき、具現ぐげん化かされてくると確信かくしんしている。会社かいしゃ側がわが提案ていあんしている取締役とりしまりやく体制たいせいが最もっとも適切てきせつで十分じゅうぶんな体制たいせいだ」として反対はんたいしています。

「はるやまホールディングス」スーツ需要じゅよう落ち込おちこみ赤字あかじに

紳士しんし服ふく大手おおてのはるやまホールディングスは、現げん会長かいちょうの父ちちである治山ちさん正次まさつぐ氏しが1955年ねん、岡山おかやま県けん玉野たまの市しに洋服ようふく専門せんもん店てんとして創業そうぎょうしました。

その後そのご、本社ほんしゃを岡山おかやま市しに移うつし、1978年ねん、倉敷くらしき市しの幹線かんせん道路どうろ沿ぞいに初はじめて郊外こうがい型がたの店舗てんぽを出店しゅってん。

さらに1988年ねんには、岡山おかやま市内しないに郊外こうがい型がたの大型おおがた店てんをオープンしました。

その後そのごも郊外こうがいの主要しゅよう幹線かんせん道路どうろ沿ぞいに大型おおがた店てんを次々つぎつぎと出店しゅってんしていき、2018年ねんには全国ぜんこく各地かくちに470店舗てんぽを展開てんかいしました。

こうしたなか、はるやまのスーツは、2008年ねんの北京ぺきんオリンピックで、日本にっぽん選手せんしゅ団だんが移動いどうする際さいや、式典しきてんに出席しゅっせきする際さいに着用ちゃくようする公式こうしきウエアにも採用さいようされました。

しかし、ここ数すう年ねんは、新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうによる在宅ざいたく勤務きんむの広ひろがりや、外出がいしゅつ機会きかいの減少げんしょうでスーツの需要じゅようが落ち込おちこみ、2020年度ねんどの決算けっさんは最終さいしゅう的てきな損益そんえきが48億おく円えんの赤字あかじに。

昨年度さくねんども78億おく円えんの最終さいしゅう赤字あかじで、はるやまでは、不ふ採算さいさん店てんの整理せいりを進すすめ5月末げつまつ時点じてんでピーク時じから60店舗てんぽ以上いじょうを閉鎖へいさしています。

ただ、紳士しんし服ふく業界ぎょうかいをみると、青山あおやま商事しょうじやAOKIホールディングスが雑貨ざっか販売はんばいや飲食いんしょく店てん、それにインターネットカフェなど、多角たかく的てきな経営けいえいによって昨年度さくねんどの決算けっさんで最終さいしゅう損益そんえきを黒字くろじに転換てんかんしている中なか、はるやまは回復かいふくの遅おくれが目立めだっています。