イスラエル軍はレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラへの攻撃を強化していて、6日も首都ベイルートに空爆を行ったと発表しました。
レバノンの国営メディアは6日にかけての空爆は30回以上におよび、これまでで最も激しいものだったなどと伝えています。
さらに地上侵攻に踏み切ったレバノン南部でもイスラエル軍は、一部の住民に対して退避を一方的に通告するなど戦闘が激化しているもようです。
また、イスラエルのガラント国防相は6日、ヒズボラの最高指導者を殺害されたことなどへの報復だとする、イランのミサイル攻撃を受けた空軍基地を訪れ、軍用機に被害はなかったと述べました。
その上で「われわれに危害を加えようとする者は、ガザ地区やベイルートの状況を見るべきだ」などとしてイランに対抗措置をとる構えを重ねて示しました。
一方、イラン側はアラグチ外相が5日「侵略行為に対するわれわれの対応はより強力なものになる。試してみればよい」と述べ、イスラエルをけん制しています。
中東ではちょうど1年前にガザ地区で始まった戦闘が周辺地域に広がりを見せる形になっていて混迷が深まっています。
イラン国営通信 航空当局 休止していた航空機の運航再開を発表
イランの国営通信によりますと、地元の航空当局は国内の複数の空港で一時、休止していた航空機の運航を再開すると発表しました。
当初は6日から7日にかけて9時間にわたって運航を休止するとしていましたが実際は、およそ2時間で、現地時間の6日午後11時までにすべての運航を再開したということです。
一時的な運航休止については「運用上の制限」としか説明されていませんでしたが、パレスチナのガザ地区でイスラエルとハマスの戦闘が始まって1年となるのを前に、先週イランが行った大規模なミサイル攻撃を受けてのイスラエル側の対抗措置を警戒した動きとみられていました。
イスラエル軍 7日もベイルートのヒズボラ関連施設など空爆と発表
イスラエル軍は7日、レバノンの首都ベイルートにあるイスラム教シーア派組織、ヒズボラに関連する施設などに空爆を行ったと発表しました。標的はヒズボラが情報収集や指揮命令を行う拠点施設だったとしています。
ロイター通信が、6日午後11時ごろベイルート南部の郊外を捉えた映像には、オレンジ色の巨大な炎が写っています。
また、爆発のあと、炎とともに火花が激しく散り、煙が立ち上る様子も確認できます。