Actualités japonaises: 「人材開発支援助成金」1億円余りが不適切支給会計検査院

「人材じんざい開発かいはつ支援しえん助成じょせい金きん」1億おく円えん余あまりが不適切ふてきせつ支給しきゅう会計かいけい検査けんさ院いん

Oct 9, 2024 17:10

Furigana

働はたらきながら新あらたなスキルを身みにつける「リスキリング」などに取り組とりくむ事業じぎょう主ぬしへの助成じょせい金きんについて、会計かいけい検査けんさ院いんが調しらべたところ、制度せいどの趣旨しゅしに反はんする受給じゅきゅう例れいが全国ぜんこくで相次あいついで見みつかり、合あわせて1億おく円えん余あまりが不適切ふてきせつに支給しきゅうされていたことがわかりました。

会計かいけい検査けんさ院いんは、特とくにルールを逸脱いつだつしていた2つの事業じぎょう主ぬしに助成じょせい金きんを返還へんかんさせるとともに、不正ふせい受給じゅきゅうを防ふせぐ対策たいさくをとるよう、厚生こうせい労働ろうどう省しょうに求もとめました。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは、労働ろうどう者しゃにリスキリングのための職業しょくぎょう訓練くんれんなどを行おこなった経費けいひや訓練くんれん期間きかん中ちゅうの賃金ちんぎんの一部いちぶとして、全国ぜんこくの事業じぎょう主ぬしに年間ねんかん200億おく円えん規模きぼの助成じょせい金きんを支出ししゅつしています。

この「人材じんざい開発かいはつ支援しえん助成じょせい金きん」について会計かいけい検査けんさ院いんが調しらべたところ、令りょう和わ5年度ねんどまでの5年間ねんかんに、全国ぜんこくの32の事業じぎょう主ぬしが、職業しょくぎょう訓練くんれんなどを提供ていきょうする会社かいしゃや団体だんたいからさまざまな名目めいもくで資金しきん提供ていきょうを受うけているのに、費用ひようの全額ぜんがく負担ふたんが支給しきゅう条件じょうけんとなっている助成じょせい金きんを受け取うけとっていたことがわかりました。

背景はいけいには、制度せいどの趣旨しゅしを逸脱いつだつする「実質じっしつ無料むりょう」をうたった営業えいぎょうがあり、いずれの事業じぎょう主ぬしも、受講じゅこう者しゃの感想かんそう文ぶんを提出ていしゅつしたり、動画どうが撮影さつえいに協力きょうりょくしたりする見返みかえりに、訓練くんれんを提供ていきょうする企業きぎょうや団体だんたいに研修けんしゅう費用ひようの一部いちぶを負担ふたんしてもらっていました。

中なかには、感想かんそう文ぶんの提出ていしゅつで1人にん分ぶん当あたり11万まん円えん余あまり受け取うけとっていたケースもあったということです。

合あわせて1億おく円えん余あまりが不適切ふてきせつに支給しきゅうされていたということで、会計かいけい検査けんさ院いんは、厚生こうせい労働ろうどう省しょうに対にたいし、感想かんそう文ぶん提出ていしゅつなどの協力きょうりょくすらせず受給じゅきゅうしていた愛知あいち県けんと茨城いばらき県けんの会社かいしゃに、助成じょせい金きんを返還へんかんさせるとともに、不正ふせい受給じゅきゅうを防ふせぐ対策たいさくをとるよう求もとめました。

元もと会計かいけい検査けんさ院いん審議しんぎ官かん「先さきを見据みすえた防止ぼうし策さくを」

元もと会計かいけい検査けんさ院いん審議しんぎ官かんの星野ほしの昌あきら季き弁護士べんごしは、「事業じぎょう主ぬしが訓練くんれん費用ひようを自己じこ負担ふたんするからこそ、職業しょくぎょう訓練くんれんの内容ないようや効率こうりつ性せいを主体しゅたい的てきに精査せいさし、本当ほんとうに必要ひつような訓練くんれんを選定せんていすると考かんがえられるので、全額ぜんがく負担ふたんが助成じょせい金きんの支給しきゅう条件じょうけんになっている。しかし昨今さっこんは、国くにの助成じょせい金きんの補助ほじょ率りつが上あがっている傾向けいこうがあり、事業じぎょう主ぬしが取り組とりくみやすい反面はんめん、精査せいさの徹底てっていが不十分ふじゅうぶんで結果けっか的てきに支給しきゅう額がくが膨ふくれ上あがる『モラルハザード』の状態じょうたいが続つづいているように感かんじる」と話はなしています。

そのうえで、「今回こんかいの指摘してきを機きに、助成じょせい金きんはあくまでも事業じぎょう主ぬしの負担ふたんの一部いちぶを軽減けいげんするためのものだという認識にんしきを持もつ必要ひつようがある。時代じだいに合あわせた事業じぎょうに伴ともなう助成じょせい金きん制度せいどが今後こんごも創設そうせつされていくことが想定そうていされる中なかで、制度せいどを設計せっけいする中央ちゅうおう省庁しょうちょうは、不正ふせい受給じゅきゅうが出でないよう、先さきを見据みすえた防止ぼうし策さくを不断ふだんに講こうじていかなければならない」と指摘してきしています。