紫むらさき金山かなやま・アトラスすい星すいせいが接近せっきん 尾おを引ひく様子ようす 国内こくない各地かくちで観測かんそく

「紫むらさき金山かなやま・アトラスすい星すいせい」は日本にっぽん時間じかんの先月せんげつ28日にちに太陽たいように最もっとも近ちかづき、先月せんげつ末まつから今月こんげつのはじめにかけて南半球みなみはんきゅうの明け方あけがたの空そらで長ながい尾おを引ひく様子ようすが観測かんそくされました。

13日にち、地球ちきゅうからおよそ7100万まんキロの位置いちまで最さい接近せっきんしたということで、国立こくりつ天文台てんもんだいによりますと、20日にちごろにかけては日本にっぽんでも肉眼にくがんで観測かんそくできる可能かのう性せいがあります。

日本にっぽんでは夕方ゆうがたの時間じかん帯たい、日の入ひのいり後ごの西にしの低ひくい空そらに姿すがたを見みせ、次第しだいに西にしの地平ちへい線せんへと沈しずんでいきます。

高気圧こうきあつに覆おおわれて晴はれたきのうは、すい星すいせい特有とくゆうの尾おを引ひく様子ようすが国内こくない各地かくちで観測かんそくされました。

14日にちと15日にちは1.5等とう星ぼしから3等とう星ほしほどの明あかるさになると見みられていますが、西にしの空そらの低ひくい位置いちにあるため地上ちじょうの明あかりの影響えいきょうなどを受うけやすいということです。

16日にちから20日にちごろにかけては、2等とう星ぼしから4等とう星ぼし程度ていどに暗くらくなる一方いっぽうで、西にしの空そらの比較的ひかくてき高たかい位置いちに見みえるようになるため、条件じょうけんがよければ、肉眼にくがんでも観測かんそくできるということです。

国立こくりつ天文台てんもんだいの渡部わたなべ潤一じゅんいち上席じょうせき教授きょうじゅは「尾おを伸のばして見みえるすい星すいせいはなかなか出現しゅつげんしていないので、ぜひ夕方ゆうがたの西にしの空そらに注目ちゅうもくしてほしい」と話はなしています。

岡山おかやま 井原いはら市しの天文台てんもんだいで観察かんさつ会かい

「紫むらさき金山かなやま・アトラスすい星すいせい」が地球ちきゅうに最さい接近せっきんした13日にち、岡山おかやま県けん井原いはら市しの天文台てんもんだいですい星すいせいの観察かんさつ会かいが開ひらかれました。

観察かんさつ会かいは井原いはら市しにある美星びせい天文台てんもんだいで行おこなわれ、天文てんもんファンや家族かぞく連づれなど100人にん余あまりが集あつまりました。

「紫むらさき金山かなやま・アトラスすい星すいせい」は13日にち、地球ちきゅうに最さい接近せっきんし、日没にちぼつ直後ちょくごが最もっとも見みえやすいとあって、集あつまった人ひとたちは、双眼そうがん鏡きょうなどを通をとおして空そらを見上みあげながらすい星すいせいが現あらわれるのを待まちました。

そして、日没にちぼつから30分ふんほどたった午後ごご6時じごろ、西にしの空そらの低ひくい所ところに、すい星すいせいとともに、特有とくゆうの尾おがうっすらと伸のびた様子ようすが肉眼にくがんでも見みえるようになると、「見みえた」などと歓声かんせいが上あがっていました。

すい星すいせいは30分ふんほど観察かんさつでき、その後そのご雲くもに隠かくれて見みえなくなりました。

岡山おかやま市しの30代だいの男性だんせいは「二度にどと見みられないものを見みることができて貴重きちょうな体験たいけんをしました」と話はなしていました。

すい星すいせいは、条件じょうけんがよければ今月こんげつ20日にちごろにかけて、日本にっぽんでも日没にちぼつ後ごの西にしの空そらで肉眼にくがんで観察かんさつできる可能かのう性せいがあるということです。

天文台てんもんだいによりますとこのあと、すい星すいせいは、太陽たいよう系けいの外そとに向むかい、その後そのご、戻もどってこないとみられます。

北海道ほっかいどうでも撮影さつえい

13日にち午後ごご6時じごろに北海道ほっかいどう幕別まくべつ町まちで撮影さつえいされた写真しゃしんには、西にしの空そらに「尾お」が伸のびた状態じょうたいのすい星すいせいが写うつっています。

北海道ほっかいどう陸別りくべつ町まちにある銀河ぎんがの森もり天文台てんもんだいによりますと、写うつっているのは中国ちゅうごくの天文台てんもんだいなどで発見はっけんされ地球ちきゅうに接近せっきんしている「紫むらさき金山かなやま・アトラスすい星すいせい」だということです。

撮影さつえいした右みぎ谷たに宗彦むねひこさんは、「人生じんせいで初はじめてのすい星すいせいの撮影さつえいだったので感動かんどうはもちろん宇宙うちゅうのパワーを感かんじることができました」と話はなしています。

沖縄おきなわ 石垣いしがき島とうでは

「紫むらさき金山かなやま・アトラスすい星すいせい」は、沖縄おきなわ県けん石垣いしがき島とうでも撮影さつえいされました。

撮影さつえいしたのは、国立こくりつ天文台てんもんだい石垣いしがき島とう天文台てんもんだいの花山はなやま秀和しゅうわ室長しつちょうです。

花山はなやま室長しつちょうは、12日にち午後ごご7時じすぎ、天文台てんもんだいの近ちかくにある沖縄おきなわ県営けんえい公園こうえんの展望てんぼう台だいから、西にしの空そらに現あらわれた「紫むらさき金山かなやま・アトラスすい星すいせい」を高こう感度かんどのカメラで撮影さつえいしました。

画像がぞうには、放出ほうしゅつされたちりやガスが太陽たいようからの光ひかりなどによって尾おを引ひいているように見みえるすい星すいせいが写うつっています。

花山はなやま室長しつちょうは「『いよいよすい星すいせいが見みえてきた』という印象いんしょうを持もっている。肉眼にくがんで見みえるくらいの明あかるいすい星すいせいは少すくないので、双眼そうがん鏡きょうなどを使つかって観測かんそくしてもらいたい」と話はなしていました。

国立こくりつ天文台てんもんだい石垣いしがき島とう天文台てんもんだいは、ホームページで撮影さつえいされた画像がぞうや動画どうがを公開こうかいしているほか、15日にちは「紫むらさき金山かなやま・アトラスすい星すいせい」の観測かんそく会かいのライブ配信はいしんを行おこなう予定よていだということです。

天文てんもん愛好あいこう者しゃ「一瞬いっしゅん一瞬いっしゅんが見逃みのがせない」

「紫むらさき金山かなやま・アトラスすい星すいせい」は、先月せんげつ末まつから今月こんげつのはじめにかけて、南半球みなみはんきゅうの明け方あけがたの空そらで観測かんそくされました。

この間このかん、天文てんもん愛好あいこう者しゃの市川いちかわ雄一ゆういちさんがオーストラリアで撮影さつえいした写真しゃしんには、空そらが朝焼あさやけに染そまる中なか、すい星すいせいが長ながい尾おを引ひく様子ようすが写し出うつしだされています。

市川いちかわさんは「予想よそう以上いじょうに明あかるくなっていて、すい星すいせいの尾おを見みたときは感動かんどうしました。1日にちたつごとに大おおきく姿すがたが変かわっていくので一瞬いっしゅん一瞬いっしゅんが見逃みのがせません」と振り返ふりかえりました。

さらに、日本にっぽんに帰国きこくした市川いちかわさんは13日にち、鹿児島かごしま県けん日置ひおき市しでもすい星すいせいの撮影さつえいに成功せいこうしました。

午後ごご7時じ前まえに撮影さつえいした写真しゃしんには夕焼ゆうやけに染そまる西にしの空そらに尾おを引ひくすい星すいせいの姿すがたがとらえられています。

市川いちかわさんは「日没にちぼつのおよそ40分ふん後ごからすい星すいせいがはっきりと見みえ始はじめ、1時間じかんほど見みえていました。前まえの日ひに比くらべて、肉眼にくがんでもしっかりと確認かくにんでき、スマートフォンでもきれいに撮影さつえいできました」と話はなしていました。