労働保険の
保険料申告が20
年前に
電子化され、みずから
利用を
呼びかけているのに、
申告書などの
書類を
全国の
事業主に
郵送する
書面手続き前提の
事務を
続け、
年間8000
万円余り余分に
支出しているとして、
会計検査院は
厚生労働省に
業務の
在り方を
改めるよう
求めました。
労働者保護のための労災保険と失業や育児・介護での休職などに備える雇用保険からなる労働保険は、事業主が保険料を納付していて、厚生労働省は、年間およそ8億円かけて全国の事業主に申告書や記入要領などを封書で郵送しています。
会計検査院が、昨年度までの2年間に送った書類を調べたところ、2004年度に保険料申告が電子化され、「むだな時間やコストも削減」とか「オンライン化の波を一緒に乗りこなそう」などとホームページに記して利用を呼びかけておきながら、ネットで確認できる記入要領などを以前と同じように印刷して、全国の延べおよそ192万の事業主に送っていたことがわかりました。
また、電子申請を義務づけている一定以上の規模の事業主に、使うはずのない申告書を送り続けていました。
会計検査院は、書類の内容やサイズを見直して、割高な定形外郵便ではなく定形郵便で送るようにすれば、年間8000万円余り経費を削減できると指摘し、厚生労働省に業務の在り方を改めるよう求めました。
厚生労働省は「指摘を踏まえ、経済的な業務となるよう計画を検討していきたい」としています。