今シーズン、養鶏場で鳥インフルエンザの感染が確認されたのは、全国で初めてだということです。
北海道によりますと、16日厚真町の養鶏場で複数のニワトリが死んでいるのが見つかり、遺伝子検査の結果、高病原性の「H5型」の鳥インフルエンザウイルスが検出されました。
今シーズン、養鶏場で鳥インフルエンザの感染が確認されたのは、全国で初めてだということです。
これを受けて北海道は17日緊急の対策本部会議を開き、この養鶏場で飼育されている食肉用のニワトリ、およそ1万9000羽について殺処分する方針を決め、午前中から処分を始めました。
18日までに処分を終えた上で、鶏舎の消毒作業などを進めることにしています。
また、この養鶏場から
▽半径3キロ以内でニワトリや卵の移動を禁止するとともに、
▽半径3キロから10キロ以内では区域外に運び出すことを禁止しました。
北海道の鈴木知事は、対策本部会議でまん延を防止するための対策を徹底するよう指示した上で「流通している鶏肉は安全だ。混乱が生じないよう、北海道としても情報提供を図っていく」と述べました。
政府 情報連絡室を設置し情報収集
北海道厚真町の養鶏場のニワトリから高病原性の鳥インフルエンザウイルスが検出されたことを受けて、政府は午前8時15分、総理大臣官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置し、自治体などと連絡を取り合って情報の収集にあたっています。
政府 感染拡大防止へ万全の対応を
政府は17日午前、総理大臣官邸で関係閣僚会議を開き、林官房長官や小里農林水産大臣らが出席しました。
この中で林官房長官は石破総理大臣から関係各省が緊密に連携し、徹底した防疫措置を進めることや、国民に正確な情報を迅速に伝えることなど4点の指示があったと報告しました。
その上で「全世界的に継続して発生が確認され、日本では5シーズン連続の発生となった。これまでで最も早い時期の家きんでの発生で、今後全国どこで発生してもおかしくない」と指摘しました。
そして「改めて全国の関係機関にも注意喚起をお願いするとともに、関係各省が緊密に連携し政府一丸となって感染拡大の防止のため、万全の対応をとってもらいたい」と述べました。
農水省 対策本部で対応確認
農林水産省は17日、対策本部を開き、感染拡大を防ぐための対応を確認しました。
対策本部には小里農林水産大臣が出席し「これまでで最も早い家きんにおける発生となり、すでに野鳥での感染もみられ、全国どこで発生してもおかしくない状況だ」と述べました。
そのうえで「全国の養鶏業者や関係者の皆さんにおかれては発生予防とまん延防止に万全の対策を行っていただくようお願いする」と指示しました。
対策本部では、感染が確認された養鶏場のニワトリの殺処分のほか、感染の拡大を防ぐために主要な道路に消毒ポイントを設置するなどの対応を行うことを確認しました。
また、農水省の疫学調査チームを現地に派遣するほか、生産者や消費者、流通業者などへの正確な情報提供を行うとしています。
小里農相「感染拡大防止の徹底図る」
対策本部のあと小里農林水産大臣は記者団に対し、「発生農場における防疫措置を迅速に進めるとともに、今後、全国どこで発生してもおかしくない状況であることから発生予防に向け改めて衛生管理などの徹底と、警戒の強化を図るよう指示した」と述べました。
その上で「これから行われる閣僚会議では関係省庁と初動対応などの確認を行い、早期の発生事案の収束と、感染拡大防止の徹底を図っていく」と述べました。