東芝とうしば 延期えんき決算けっさん発表はっぴょう 監査かんさ法人ほうじんは「意見いけん表明ひょうめい

Easy Japanese news
Apr 11, 2017 17:04
Furigana
Báo tiếng Nhật
大手おおて電機でんきメーカーの東芝とうしばは、にわたって発表はっぴょう延期えんきしていた、去年きょねん4月しがつから12月じゅうにがつまでの決算けっさんを、くにみとめた期限きげんいちいちにち発表はっぴょうしました。決算けっさんをチェックする監査かんさ法人ほうじんから、いわばお墨付おすみつきをられない「意見いけん表明ひょうめい」という報告ほうこくしょ受け取うけとっていて、上場じょうじょう企業きぎょうとしては異例いれい決算けっさん発表はっぴょうとなります。東芝とうしば巨額きょがく損失そんしつ原因げんいんとなった、アメリカ原子力げんしりょく事業じぎょう会計かいけい処理しょりが、経営けいえい幹部かんぶによる不適切ふてきせつ圧力あつりょくでゆがめられたという指摘してきがあり、この調査ちょうさ時間じかんがかかるとして、去年きょねん12月じゅうにがつまでのきゅうか月かげつかん決算けっさん発表はっぴょうにわたって延期えんきしてきました。

いちいちにちくに延期えんきみとめた期限きげんにあたり、東芝とうしば決算けっさんをチェックする「PwCあらた監査かんさ法人ほうじん」と会計かいけい処理しょり適正てきせいかどうか、ぎりぎりの調整ちょうせいすすめました。

その結果けっか監査かんさ法人ほうじん会計かいけい処理しょり調査ちょうさ評価ひょうかなどがわっていないとして、今回こんかい決算けっさんについて、内容ないよう承認しょうにん見送みおくり、「意見いけん表明ひょうめい」という、いわばお墨付おすみつきをあたえない報告ほうこくしょしました。

一方いっぽうで、東芝とうしばがわ不適切ふてきせつ圧力あつりょくによる不正ふせい会計かいけい処理しょりはなかったと結論けつろんづけるとともに、これ以上いじょう決算けっさん発表はっぴょうおくらせることはできないとして、発表はっぴょう踏み切ふみきりました。

ただ、監査かんさ法人ほうじん意見いけん表明ひょうめいという報告ほうこくしょなかでの発表はっぴょうは、上場じょうじょう企業きぎょうとしては異例いれいのことです。

東芝とうしば去年きょねん12月じゅうにがつまできゅうか月かげつかん決算けっさんは、さんおくえん最終さいしゅう赤字あかじとなりましたが、その後そのご、アメリカの原子力げんしりょく子会社こがいしゃウェスチングハウス経営けいえい破綻はたんしたため、昨年度さくねんどいち年間ねんかん最終さいしゅう赤字あかじいちちょういちぜろぜろおくえんふくらむ可能かのうせいがあるとしています。

また、これにともなって、株主かぶぬし資本しほんはマイナスろくぜろぜろおくえん債務さいむ超過ちょうかになる可能かのうせいがあるとしています。これをけて、東京とうきょう証券しょうけん取引とりひきしょ東芝とうしばからくわしい経緯けいい説明せつめいもとめるなどして、東芝とうしば株式かぶしき上場じょうじょう維持いじするべきかどうか判断はんだんしていく方針ほうしんです。

綱川つなかわ社長しゃちょう会見かいけん説明せつめい

東芝とうしば午後ごごろくよんふんから、都内とない本社ほんしゃ綱川つなかわさとし社長しゃちょう記者きしゃ会見かいけんして、決算けっさん内容ないようなどについて説明せつめいすることにしています。

大手おおて企業きぎょうで「意見いけん表明ひょうめい」は異例いれい

監査かんさ法人ほうじんは、会社かいしゃつくった決算けっさんしょ内容ないよう実際じっさい業績ぎょうせき忠実ちゅうじつあらわしているかを判断はんだんし、意見いけん表明ひょうめいします。

その対応たいおうよっつにけられます。

決算けっさんしょ内容ないよう妥当だとうだとみとめた場合ばあいは「適正てきせい意見いけん」。一部いちぶ問題もんだいはあるものの、全体ぜんたいてき重要じゅうようてん妥当だとうだとみとめる「限定げんていづけ適正てきせい意見いけん」。反対はんたい決算けっさん全体ぜんたい重要じゅうよう影響えいきょうあたえる不備ふびがあると判断はんだんした場合ばあいには「適正てきせい意見いけん」をします。

一方いっぽうで、判断はんだん必要ひつよう情報じょうほう不十分ふじゅうぶんなことを理由りゆうに、「意見いけん表明ひょうめい」とすることもみとめられています。

このうち、監査かんさ法人ほうじんが「意見いけん表明ひょうめい」とするケースは、会計かいけい記録きろく不十分ふじゅうぶん中小ちゅうしょう企業きぎょうなどがおおく、株式かぶしき市場しじょうでは決算けっさん内容ないよう信用しんようできないと受け止うけとめられることが一般いっぱんてきです。

金融きんゆうちょうによりますと、「東芝とうしば」のように株式かぶしき市場しじょう上場じょうじょうしている大手おおて企業きぎょう決算けっさんで、監査かんさ法人ほうじんが「意見いけん表明ひょうめい」とするのはきわめて異例いれいだということです。

監査かんさ法人ほうじん役割やくわりとは

監査かんさ法人ほうじんにん以上いじょう公認こうにん会計かいけいつく組織そしきで、企業きぎょうつくった決算けっさんしょをチェックして内容ないよう適正てきせいかどうか判断はんだんしめ役割やくわりになっています。

株式かぶしき会社かいしゃ決算けっさんは、投資とうしがその企業きぎょう株式かぶしき社債しゃさい投資とうしするかどうかをかんがえるおおきな判断はんだん材料ざいりょうとなるだけに、その決算けっさんお墨付おすみつきをあたえる監査かんさ法人ほうじん役割やくわりきわめて重大じゅうだいです。

また、決算けっさんのチェックを担当たんとうする公認こうにん会計かいけいは、不正ふせいやミスの見落みおとしによって、株主かぶぬしから訴訟そしょうこされるなどして監査かんさ法人ほうじん損失そんしつ場合ばあい、「無限むげん責任せきにん」といって、自分じぶん財産ざいさん処分しょぶんしてでも債務さいむ支払しはらいに責任せきにんつというおも責任せきにんされています。

東芝とうしば決算けっさんをチェックする監査かんさ法人ほうじんは、以前いぜん大手おおて一角いっかくめる「しん日本にっぽん監査かんさ法人ほうじん」が担当たんとうしていました。しかし、おととし発覚はっかくした東芝とうしば不正ふせい会計かいけい問題もんだい長年ながねんにわたって見落みおとしていたとして、金融きんゆうちょうは、おととし12月じゅうにがつしん日本にっぽん監査かんさ法人ほうじんに対にたいし、あたらしい契約けいやくむす業務ぎょうむさんか月かげつかん停止ていしするとともに、およそいちおくえん課徴かちょうきん納付のうふなどをめいじる行政ぎょうせい処分しょぶんしました。監査かんさ法人ほうじんに対にたいする課徴かちょうきん納付のうふ命令めいれいは、平成へいせいぜろねん制度せいど導入どうにゅうされて以来いらいはじめてとなるおも処分しょぶんでした。

この問題もんだいをきっかけに、金融きんゆうちょうあらたに監査かんさ法人ほうじん行動こうどう指針ししんをまとめました。このなかでは、規模きぼおおきい監査かんさ法人ほうじんは、会計かいけい企業きぎょう関係かんけい監査かんさ内容ないよう問題もんだいがないかを内部ないぶでチェックする機関きかんもうけることなどが盛り込もりこまれました。

一方いっぽう東芝とうしば決算けっさんをチェックする監査かんさ法人ほうじん不正ふせい会計かいけい問題もんだいけて、「しん日本にっぽん監査かんさ法人ほうじん」が契約けいやく辞退じたいしたことから、去年きょねん4月しがつおなじく大手おおて一角いっかくめる「PwCあらた」が引き継ひきつぎました。

「PwCあらた」はロンドン発祥はっしょうで、いちぜろえるくに地域ちいき会計かいけい事務所じむしょつくる「PwC=プライスウォーターハウスクーパース」にぞくする会計かいけい事務所じむしょひとつで、公認こうにん会計かいけいなど、およそぜろぜろにん所属しょぞくしています。

東芝とうしば会計かいけい監査かんさをめぐっては、巨額きょがく損失そんしつ原因げんいんとなったアメリカの原子力げんしりょく子会社こがいしゃで、先月せんげつ経営けいえい破綻はたんした「ウェスチングハウス」の会計かいけい監査かんさも「PwC」にぞくするアメリカの会計かいけい事務所じむしょ担当たんとうしています。

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