일본어 뉴스: 石井正則さん重度の肺炎に「あと1日遅かったらかなり危険」

「変異へんいウイルスはこれまでのウイルスとは全まったく別物べつものだと思おもったほうがいい」

ことし4月つきに新型しんがたコロナウイルスに感染かんせんした、俳優はいゆうの石井いしい正則まさのりさんの実感じっかんです。

石井いしいさんは症状しょうじょうが悪化あっかしているという自覚じかくがないまま自宅じたくで療養りょうようを続つづけ、その後そのご受診じゅしんした医師いしから「変異へんいウイルスのアルファ株かぶ（イギリスで確認かくにん）に感染かんせんしている」と告つげられました。

その時ときすでに重おもい肺炎はいえんを起おこしていて、発見はっけんが遅おくれていたら命いのちの危険きけんにさらされていた可能かのう性せいもあったといいます。

自分じぶんでも気きづかないうちに症状しょうじょうが悪化あっかしたと話はなす石井いしいさんに、変異へんいウイルスの恐おそろしさを振り返ふりかえってもらいました。

味あじわったことのないような変へんな感かんじ

俳優はいゆうとして数すう多おおくのドラマや映画えいが、舞台ぶたいに出演しゅつえんしている石井いしい正則まさのりさん。

体からだの異変いへんを感かんじたのはことし4月つき23日にち。

37度ど台だい後半こうはんの発熱はつねつがあったため、翌日よくじつ、近ちかくの病院びょういんで検査けんさを受うけたところ、コロナの陽性ようせい反応はんのうが確認かくにんされました。

石井いしい正則まさのりさん

「なんか体からだが変へんな感かんじするなって気きはしていました。普通ふつうのかぜとは違ちがう違和感いわかんで、味あじわったことのないような変へんな感かんじでした」

その後そのご、自宅じたくで療養りょうようすることになった石井いしいさん。

回復かいふく後ごに自身じしんの病状びょうじょうの経過けいかを伝つたえられるように、日々ひびの様子ようすを映像えいぞうで記録きろくすることにしました。

めまぐるしい体温たいおんの変化へんか

療養りょうよう期間きかん中ちゅうにまず苦くるしめられたのは、めまぐるしい体温たいおんの変化へんかでした。

たとえば4月つき26日にちの記録きろくを見みると

▼ 6時じ31分ふん　38.6度ど

▼10時じ 1分ふん　36.8度ど

▼11時じ17分ふん　38.0度ど

▼16時じ24分ふん　38.9度ど

▼16時じ42分ふん　37.8度ど

▼19時じ18分ふん　38.2度ど

▼21時じ11分ふん　38.7度ど

平熱へいねつまで下さがり、回復かいふくの兆きざしが見みえたかと思おもったらすぐに高熱こうねつが出でる、という繰り返くりかえし。

それでも石井いしいさんは、こうした状況じょうきょうを深刻しんこくには捉とらえていなかったといいます。

石井いしい正則まさのりさん

「その時ときはそんなに苦くるしいと思おもってなかったんですよね。当時とうじの自分じぶんはたぶんもうすぐ治なおるなってずっと思おもっているんですよ。状況じょうきょうはどんどん悪化あっかして、でも本人ほんにんは客観きゃっかん的てきな目線めせんがもうなくなっているので楽観らっかん視ししている。孤立こりつせざるをえない状況じょうきょうが作つくられて、正常せいじょうな判断はんだんをさせない揺ゆさぶりをかけてくる。あの怖こわさは今いままでにないですね」

激はげしく咳き込せきこむも冷静れいせいな自己じこ判断はんだんできず

さらに日ひがたつにつれて、せきや息切いきぎれの症状しょうじょうが目立めだつようになります。

石井いしいさんが撮影さつえいした映像えいぞうの中なかには、カメラが回まわっていることに気きづかず、激はげしく咳き込せきこむ場面ばめんも残のこされていました。

ところがこの段階だんかいでも、症状しょうじょうが悪化あっかしているという自覚じかくはなかったといいます。

症状しょうじょうが長期ちょうき化かする中なか、1人にん暮くらしで第だい三さん者しゃの目めもなく、冷静れいせいな自己じこ判断はんだんができなくなっていたのです。

異常いじょうに気きづけたのは「パルスオキシメーター」

そうした状況じょうきょうで、石井いしいさんが自身じしんの「異常いじょう」に気きづくきっかけとなったのは、事務所じむしょから借かりていたパルスオキシメーターでした。

体内たいないに酸素さんそをどの程度ていど取り込とりこめているかを示しめす「酸素さんそ飽和ほうわ度ど」を測はかる機器ききで、96％以上いじょうが正常せいじょう値ち、93％以下いかでは酸素さんそ吸入きゅうにゅうが必要ひつようとされています。

体調たいちょうの変化へんかを把握はあくする手段しゅだんの一ひとつとして用もちいられているもので、石井いしいさんの場合ばあい、それまで95％前後ぜんごを維持いじしていましたが、9日にち目めに86％に。

その結果けっかを保健所ほけんじょの担当たんとう者しゃに電話でんわで伝つたえたところ、すぐに入院にゅういんするよう指示しじされたのです。

重度じゅうどの肺炎はいえん「あと1日にち遅おそかったらかなり危険きけん」

病院びょういんでの診断しんだんの結果けっか、医師いしから、重度じゅうどの肺炎はいえんを起おこしていることを告つげられました。

また、あわせて、イギリスで確認かくにんされた変異へんいウイルス「アルファ株かぶ」に感染かんせんしていることも告つげられました。

石井いしい正則まさのりさん

「病院びょういんの先生せんせいに聞きくと、連絡れんらくがあと1日にち遅おそかったら（酸素さんそ飽和ほうわ度どが）もっと下さがっていた可能かのう性せいがあって、かなり危険きけんな数値すうちになってしまっていたと思おもうと言いわれました。自分じぶんとしてはまだ大丈夫だいじょうぶだと思おもっていても、家いえで1人にんで気きを失うしなうような状態じょうたいになっていた可能かのう性せいもあったみたいです。なのでとにかく、これ（パルスオキシメーター）がなかったら分わからなかった。やっぱり客観きゃっかん的てきな数字すうじっていうのは大事だいじなんだなあっていうふうに思おもいましたね」

「変異へんいウイルスは全まったく別物べつもの違ちがう名前なまえでもいいくらい」

石井いしいさんは、病床びょうしょうに空あきがあったためにすぐに入院にゅういんすることができ、治療ちりょう薬やくがすぐに効きいたこともあって、およそ2週間しゅうかんで退院たいいん、仕事しごと復帰ふっきを果はたしました。

自身じしんの経験けいけんを多おおくの人ひとに知しってもらいたいと、療養りょうよう期間きかん中ちゅうに記録きろくした映像えいぞうを動画どうが投稿とうこうサイトに公開こうかいしたところ、多おおくの反響はんきょうが寄よせられました。

新あらたな変異へんいウイルスが次々つぎつぎと出現しゅつげんする中なかで、石井いしいさんは、既存きそんの知識ちしきや情報じょうほうにとらわれず警戒けいかい心しんを持もち続つづけていくことが必要ひつようだと訴うったえます。

石井いしい正則まさのりさん

「違ちがう病気びょうきの名前なまえつけてもいいのかなと思おもうぐらいですね。前まえまでの新型しんがたコロナウイルスとアルファ株かぶは全まったく別物べつものだと思おもったほうがいい。これまでの情報じょうほうを1回かいリセットしないといけないし、それくらいに思おもわないと自分じぶんの警戒けいかい心しんが緩ゆるんでしまうと思おもいます。以前いぜんの考かんがえにとらわれてしまうと判断はんだんを見み誤あやまってしまいそうになるので、いろいろなことを正ただしく恐おそれる、これをもう一度もういちど考かんがえてもらいたいです」