日本新聞: 強い揺れのない地域で緊急地震速報原因は“規模を過大推定”

強つよい揺ゆれのない地域ちいきで緊急きんきゅう地震じしん速報そくほう原因げんいんは“規模きぼを過大かだい推定すいてい”

Jun 10, 2024 18:06

Furigana

今月こんげつ3日にちの石川いしかわ県けん能登のと地方ちほうを震源しんげんとする地震じしんで、強つよい揺ゆれを観測かんそくしなかった関東かんとうや東海とうかいなどにも緊急きんきゅう地震じしん速報そくほうが発表はっぴょうされたことについて、気象庁きしょうちょうが原因げんいんを調しらべた結果けっか、初期しょきの段階だんかいでは計算けいさんに用もちいない地震じしん波はをもとに地震じしんの規模きぼを過大かだいに推定すいていしていたことが分わかりました。

今月こんげつ3日にちに起おきた石川いしかわ県けん能登のと地方ちほうを震源しんげんとするマグニチュード6.0の地震じしんでは北陸ほくりくをはじめ、東北とうほく、関東かんとう甲信こうしん、東海とうかい、近畿きんきの26都府県とふけんに緊急きんきゅう地震じしん速報そくほうが発表はっぴょうされましたが、震度しんど4以上いじょうの揺ゆれが観測かんそくされたのは石川いしかわ県けんと新潟にいがた県けんだけでした。

気象庁きしょうちょうは、当日とうじつの会見かいけんで地震じしんの規模きぼをマグニチュード7.4とかなり大おおきく評価ひょうかしていたと説明せつめいしたうえで原因げんいんを調しらべていました。

その結果けっか、初期しょきの段階だんかいでは計算けいさんに用もちいない「S波は」と呼よばれる地震じしん波はをもとに推定すいていしていたことが分わかりました。

緊急きんきゅう地震じしん速報そくほうは、先さきに到達とうたつする小刻こきざみな「P波は」から震源しんげんを推定すいていしたうえで、地震じしんの規模きぼなどを計算けいさんしてそのあとに来くる強つよい揺ゆれの「S波は」への警戒けいかいを呼よびかけますが、今回こんかいは、地震じしん計けいが震源しんげんの西側にしがわに限かぎられていたうえ、ほぼ同どう時刻じこくに同おなじ場所ばしょで地震じしんが連続れんぞくして起おきたため「P波は」の検知けんちが不安定ふあんていになり、震源しんげんが20キロずれたということです。

その影響えいきょうで「P波は」として扱あつかう範囲はんいを広ひろく取とってしまい、「S波は」がまぎれたとしています。

気象庁きしょうちょうは「今回こんかいのような条件じょうけんがそろうことは少すくないが、技術ぎじゅつ開発かいはつは進すすめていきたい。一方いっぽう、今回こんかい実際じっさいに震度しんど5強きょうの揺ゆれも起おきているため、緊急きんきゅう地震じしん速報そくほうを見聞みききしたら強つよい揺ゆれに備そなえてほしい」と話はなしています。