Actualités japonaises: “着床不全の新メカニズム突き止めた” 東京大学研究グループ

“着き床ゆか不全ふぜんの新しんメカニズム突き止つきとめた” 東京とうきょう大学だいがく研究けんきゅうグループ

May 27, 2023 08:05

Furigana

不妊ふにん治療ちりょうでは状態じょうたいのよい受精卵じゅせいらんを子宮しきゅうに入いれても着き床ゆかしないことがあります。東京とうきょう大学だいがくの研究けんきゅうグループは、特定とくていの遺伝子いでんしが十分じゅうぶん働はたらかず、着ちゃく床ゆかのときにみられる細胞さいぼうの変化へんかが起おきないという着ちゃく床ゆか不全ふぜんの新あらたなメカニズムを突き止つきとめたと発表はっぴょうし、治療ちりょう法ほうの開発かいはつにつながるのではないかと期待きたいされています。

この研究けんきゅう結果けっかは、東京とうきょう大学だいがくの廣田ひろた泰やすし准じゅん教授きょうじゅらのグループが細胞さいぼうの研究けんきゅうに関にかんする国際こくさい的てきな科学かがく雑誌ざっしに発表はっぴょうしました。

研究けんきゅうグループは不妊ふにん治療ちりょうを受うけている女性じょせい38人にんの遺伝子いでんしの状態じょうたいを詳くわしく調しらべ、妊娠にんしんした人ひととしなかった人ひとの違ちがいを比較ひかくしました。

その結果けっか、妊娠にんしんしなかった人ひとでは、子宮しきゅうの内側うちがわにある受精卵じゅせいらんが接せっする部分ぶぶん、子宮しきゅう内ない膜まくで働はたらく、EZH2という遺伝子いでんしが機能きのうしにくくなっていることがわかりました。

さらに、この遺伝子いでんしを子宮しきゅうの組織そしきで働はたらかなくしたマウスを使つかった実験じっけんでは、受精卵じゅせいらんが着き床ゆかする確率かくりつが正常せいじょうのマウスの4分ぶんの1程度ていどに下さがり、不妊ふにんになったマウスの子宮しきゅう内ない膜まくでは着き床ゆかに必要ひつような細胞さいぼうの変化へんかがほとんど起おこらず、受精卵じゅせいらんが子宮しきゅう内ない膜まくに入り込はいりこまなかったということです。

研究けんきゅうグループは状態じょうたいのよい受精卵じゅせいらんを人工じんこう的てきに移植いしょくしても妊娠にんしんしない着ちゃく床ゆか不全ふぜんの新あらたなメカニズムを突き止つきとめたとしていて、廣田ひろた准じゅん教授きょうじゅは「着き床ゆかしづらい人ひとを早はやめに診断しんだんできる技術ぎじゅつや、将来しょうらい的てきには治療ちりょう法ほうの開発かいはつにもつなげていきたい」と話はなしています。