「改正する必要があると思う」が33%、
「改正する必要はないと思う」が20%、
「どちらともいえない」が42%でした。
去年の同じ時期に行った調査と比べると、「改正する必要がある」はほぼ同じ割合だったのに対し、「改正する必要はない」は4ポイント減少しました。
「日本を取り巻く安全保障環境の変化に対応するため必要だから」が54%と最も多く、 「国の自衛権や自衛隊の存在を明確にすべきだから」が19%、 「プライバシーの権利や環境権など、新たな権利を盛り込むべきだから」が14%、 「アメリカに押しつけられた憲法だから」が7%でした。
「すでに国民の中に定着しているから」と 「基本的人権が守られているから」がそれぞれ16%、 「アジア各国などとの国際関係を損なうから」が4%でした。
「改正する必要があると思う」が28%、 「改正する必要はないと思う」が32%、 「どちらともいえない」が36%でした。 去年の同じ時期に行った調査と比べると、「改正する必要がある」はほぼ同じ割合だったのに対し、「改正する必要はない」は5ポイント減少しました。
「自衛力を持てることを憲法にはっきりと書くべきだから」が59%と最も多く、 「国連を中心とする軍事活動にも参加できるようにすべきだから」が19%、「海外で武力行使ができるようにすべきだから」と 「自衛隊も含めた軍事力を放棄することを明確にすべきだから」がそれぞれ8%でした。
「平和憲法としての最も大事な条文だから」が63%と最も多く、 「改正しなくても、憲法解釈の変更で対応できるから」が17%、 「海外での武力行使の歯止めがなくなるから」が9%、 「アジア各国などとの国際関係を損なうから」が6%でした。
そのうえで「問題が起きてからだと場当たり的で拙速な議論になってしまうので、コロナ禍のいま憲法を変えようとするのは全く望ましくない。感染が終息したあと、今回の経験や問題点を踏まえてすみやかに議論を開始し、必要な改正をすべきだ」と指摘しています。 また、井上教授は憲法9条について、「平和主義や戦争放棄の規定が戦後の繁栄と平和をもたらしたという評価が定着している一方、今のままで日本の安全を守れるのかという疑問も生まれてきている。平和主義の理念を維持しつつ、現実の脅威に対処することは十分できると思うので、どこで折り合いをつけるのか対話を続けることが望ましい」と話していました。
そして「憲法改正の議論をするには、賛成する側も、反対する側も、立憲主義的でなければならないが、日本学術会議の会員任命をめぐる対応など今の政権運営を見るかぎり、その前提ができていないと言わざるをえない」と指摘しています。 そのうえで石川教授は「新型コロナウイルスの影響で、生存権や移動の自由、営業の自由など身近なところで憲法が問題になっている。憲法というと、どうしても9条を変えるか、変えないかという議論に集中してしまいがちだが、改正の議論ではなく、今の憲法の理念をどのように実現し、どうやって個人の尊厳を守るのかという生産的な議論を進めることが重要だ」と話していました。
憲法9条の改正
“改正議論進めるべき” 関西学院大学 井上武史教授
“今は変えるべきでない” 東京大学 石川健治教授