【ライブ配信はいしん中ちゅう 海上かいじょう幕僚ばくりょう長ちょうが会見かいけん】海うみ自じヘリ事故じこで報告ほうこく書しょ公表こうひょう

ことし4月つき、伊豆いず諸島しょとうの鳥島とりしまの沖合おきあいで、海上かいじょう自衛隊じえいたいの哨戒しょうかいヘリコプター2機きが潜水せんすい艦かんを探知たんちする訓練くんれんの最中さいちゅうに衝突しょうとつして墜落ついらくし、乗のっていた8人にんの隊員たいいんが死亡しぼうしました。

海上かいじょう自衛隊じえいたいが9日にち公表こうひょうした調査ちょうさ報告ほうこく書しょによりますと、2機きは当時とうじ、それぞれ異ことなる指揮しき官かんの指示しじを受うけながら別々べつべつの場所ばしょを飛行ひこうしていましたが、潜水せんすい艦かんが探知たんちされたという情報じょうほうをもとに同おなじ目標もくひょう地点ちてんに向むかったということです。

そして、ほぼ直進ちょくしんしていた1機きの前方ぜんぽう部分ぶぶんと、旋回せんかいしていたもう1機きの左側ひだりがわ部分ぶぶんが衝突しょうとつしたと推定すいていしていて、それぞれ機内きないでの見張みはりが不適切ふてきせつだったとしています。

また、2機きが目標もくひょう地点ちてんに向むかう際さいに指揮しき官かんどうしの間まで情報じょうほう共有きょうゆうが十分じゅうぶんに行おこなわれないなど連携れんけいが不足ふそくし、衝突しょうとつを防ふせぐため別々べつべつの高度こうどで飛行ひこうさせるなどの指示しじもなかったとして、高度こうどの管理かんりが不十分ふじゅうぶんだったと結論けつろんづけています。

そのうえで、搭乗とうじょう員いんによる見張みはりを徹底てっていし、複数ふくすうの機体きたいが同おなじ空域くういきで活動かつどうする場合ばあいは、指揮しき官かんによる高度こうどの管理かんりを厳格げんかくに行おこなうことで再発さいはつ防止ぼうしを図はかるとしています。

海上かいじょう自衛隊じえいたいは事故じこを受うけて、複数ふくすうでの哨戒しょうかいヘリコプターの訓練くんれんを見合みあわせていましたが、9日にち以降いこう、再開さいかいさせるとしています。

事故じこの詳細しょうさいな状況じょうきょうは

今回こんかいの訓練くんれんは、部隊ぶたいの技量ぎりょうを幹部かんぶが確認かくにんする「査閲さえつ」と呼よばれる検定けんていの一環いっかんで行おこなわれ、哨戒しょうかいヘリコプターや護衛ごえい艦かん、潜水せんすい艦かんなどが参加さんかしていました。

潜水せんすい艦かんの捜索そうさくにあたったのは、長崎ながさき県けん大村おおむら航空こうくう基地きち所属しょぞくの「16号機ごうき」と徳島とくしま県けん小松こまつ島とう航空こうくう基地きち所属しょぞくの「43号機ごうき」、それに「13号機ごうき」の3機きの哨戒しょうかいヘリコプターです。

このうち、「16号機ごうき」は第だい4護衛ごえい隊たい群ぐん司令しれいから、「43号機ごうき」と「13号機ごうき」は護衛ごえい艦かん「すずなみ」の艦長かんちょうからそれぞれ指示しじを受うけていたということです。

訓練くんれん開始かいし後ご、「43号機ごうき」が潜水せんすい艦かんを探知たんちしたため現場げんば海域かいいきに確認かくにんに向むかい、別べつの場所ばしょを飛行ひこうしていた「16号機ごうき」も群司ぐんじ令れいの指示しじで、同おなじ目標もくひょう地点ちてんに向むかいました。

この時とき、群ぐん司令しれいと艦長かんちょうは2機きの動うごきや高度こうどについて情報じょうほう共有きょうゆうを十分じゅうぶんに行おこなわず、衝突しょうとつを防ふせぐために異ことなる高度こうどを飛行ひこうするよう指示しじも出だしていませんでした。

「16号機ごうき」は目標もくひょう地点ちてんに向むかう際さいは高度こうどおよそ600メートルで飛行ひこうしていましたが、衝突しょうとつの4分ふん前まえから高度こうどを下さげ、2分ふんほど前まえには高度こうどおよそ50メートルを時計とけい回まわりに旋回せんかいする形かたちで飛行ひこうしていたということです。

一方いっぽう、「43号機ごうき」は、高度こうどをおよそ50メートルに保たもったままほぼ直進ちょくしんして目標もくひょう地点ちてんに向むかっていたところ、衝突しょうとつしたということです。

フライトレコーダーには、衝突しょうとつの2分ふん前まえに、「43号機ごうき」の機内きないで「16号機ごうき」の方角ほうがくと距離きょりを認識にんしきしていたことを示しめす音声おんせい記録きろくなどが残のこっていたということですが、衝突しょうとつを回避かいひしようとした記録きろくはなかったということです。

一方いっぽう、哨戒しょうかいヘリコプターには互たがいの位置いち情報じょうほうなどを共有きょうゆうする「僚機き間かんリンク」と呼よばれるシステムが搭載とうさいされていて、「43号機ごうき」と「13号機ごうき」はシステムで結むすばれていましたが、「16号機ごうき」とは結むすばれていませんでした。

衝突しょうとつした2機きの間まで結むすばれていなかった理由りゆうについて海上かいじょう自衛隊じえいたいは「当初とうしょの任務にんむが違ちがっていたため」などとしています。

木原きはら防衛ぼうえい相しょう「調査ちょうさ結果けっかを重おもく受け止うけとめ再発さいはつ防止ぼうしに全力ぜんりょく」

木原きはら防衛ぼうえい大臣だいじんは閣議かくぎのあとの記者きしゃ会見かいけんで「再発さいはつ防止ぼうし策さくとして、見張みはり報告ほうこく要領ようりょう・対応たいおうの再さい徹底てっていや、高度こうど管理かんりに関にかんする責任せきにんを海上かいじょう戦闘せんとう指揮しき官かんに統一とういつすることなどを厳格げんかく化かしていく。8人にんもの命いのちを失うしなう結果けっかとなった事故じこの調査ちょうさ結果けっかを重おもく受け止うけとめ、この先さき1人にんの犠牲ぎせい者しゃも出ださない覚悟かくごと決意けついで、再発さいはつ防止ぼうしに全力ぜんりょくを挙あげる」と述のべました。

また木原きはら大臣だいじんは「複数ふくすう機きでの訓練くんれんを見合みあわせていたが、調査ちょうさ結果けっかを踏ふまえ、きょう以降いこう解除かいじょすることにした」と述のべました。

墜落ついらくした2機きの捜索そうさく 無人むじん探査たんさ機きが現場げんば海域かいいきへ

今回こんかいの事故じこで墜落ついらくした2機きは、水深すいしんおよそ5500メートルの海底かいていに沈しずんでいるとみられています。

防衛ぼうえい省しょうによりますと機体きたいなどを捜索そうさくするため、最大さいだいで水深すいしん6000メートルまで調査ちょうさが可能かのうな無人むじん探査たんさ機き「ディープ・トウ」を載のせた船ふねが9日にち、神奈川かながわ県けんの港みなとを出発しゅっぱつし、現場げんば海域かいいきにつき次第しだい、捜索そうさくを始はじめるということです。