重篤化も懸念される「猫ひっかき病」
猫と共に生活している人の中には、原因が特定できない体調不良に悩まされている場合があり、その背後には「猫ひっかき病」が潜んでいる可能性が否定できない。
しかしながら、現状では当該疾患の検査を実施できる医療機関が極めて限られていることから、症状が「原因不明」として放置されるケースが少なくない。
特に免疫力が低下している患者にとっては、病状が重篤化するおそれも指摘されている。
こうした状況を受け、山口大学は医療現場で迅速に診断可能な「迅速検査キット」の開発プロジェクトを立ち上げ、資金調達のためクラウドファンディングを開始した。
この「猫ひっかき病」は、バルトネラ・ヘンセレという細菌の感染を原因とするものであるが、感染した猫自体には症状が現れない一方で、猫にひっかかれる、噛まれる、あるいは猫に寄生するノミに刺されることによって人へ感染し、傷口に発疹が生じたり、リンパ節の腫脹、全身倦怠感、胸部不快感、発熱、嘔吐、頭痛、食欲不振といった多岐にわたる症状が長期間持続することがある。
通常であれば、治療を行わなくても6~12週間で自然治癒する場合が多いものの、抗生物質の投与によって回復を促進させることも可能である。
とはいうものの、現時点で「猫ひっかき病」の検査が可能な施設は、山口大学大学院医学系研究科病態検査学講座のみであり、一般の医療機関は同講座に検体を送付するか、あるいは海外の検査機関に依頼せざるを得ないのが実情である。
その上、検査結果が判明するまでに長期間を要するため、診断が確定するのは発症から相当時間が経過した後となる場合が多い。
このような現状を踏まえ、迅速検査キットへの期待が高まっている。
本プロジェクトでは、バルトネラ・ヘンセレ特有の抗原を特定し、その複製を作成した上で、患者体内の抗体との結合性を検証する工程を経て、最終的にはわずか一滴の血液で感染の有無を判別できるキットの開発を目指している。
「猫ひっかき病」には、現時点で猫用・人用いずれのワクチンも存在しないものの、今回の研究はワクチン開発への重要な第一歩となることが期待されている。
クラウドファンディングはREADYFORにて実施中である。
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