英スコットランドの閉鎖された海岸に2年間も取り残されていた〝世界で最も孤独な羊〟が救出された。英紙デイリー・スターが4日、報じた。
2021年、ジリアン・ターナーさんがカヤックに乗って海岸線を移動していた際、孤立した崖に隔てられた非常に小さな海岸に1頭だけ羊がいるのを発見した。崖から落ちてしまったのだろう。その写真がSNSでアップされ、ウーリーというあだ名がつけられた。羊は群れて生きる動物のため、〝世界一孤独な羊〟として話題になった。先月、ターナーさんがまたカヤックに乗って同じ場所を通ると、まだウーリーがいた。毛が伸び放題で、野ざらしで汚れていた。救助を求める嘆願書には5万4000人の署名が集まった。
この羊を救うために羊飼いのキャミー・ウィルソンさんら5人が立ち上がった。3日、ウインチを使って250メートルの崖を下り、メス羊を引き上げることに成功した。スコットランドの動物保護団体スコティッシュSPCAが立ち会った。
ウィルソンさんは「33年間この仕事をしてきた中で、最もリラックスした羊でした。彼女はとても穏やかで満足していて、救出されて幸せでした」と語る。救出後、検査を行ったSPCAは「毛刈りが必要な点を除けば、健康な状態にあります」と述べた。
羊はフィオナと名付けられた。毛刈り後、動物公園に引き取られ、群れとして生きていくという。