日本新聞: 国境なき医師団白根麻衣子さん “日常は一瞬で崩れてしまう”

国境こっきょうなき医師いし団だん白根しらね麻衣子まいこさん “日常にちじょうは一瞬いっしゅんで崩くずれてしまう”

Nov 8, 2023 07:11

Furigana

国際こくさいNGO国境こっきょうなき医師いし団だんの一員いちいんとしてガザ地区ちくで活動かつどうし、3週間しゅうかん以上いじょうの避難ひなん生活せいかつのあと、日本にっぽんに帰国きこくした白根しらね麻衣子まいこさんがNHKの取材しゅざいに応おうじ「当たり前あたりまえの日常にちじょうは紛争ふんそうや戦争せんそうによって一瞬いっしゅんで崩くずれてしまうと感かんじた」と述のべ、一刻いっこくも早はやい停戦ていせんを訴うったえました。

ガザ地区ちくで医療いりょう支援しえんのプロジェクトに関かかわってきた白根しらねさんは、イスラエルとイスラム組織そしきハマスの衝突しょうとつが始はじまった先月せんげつ7日にち以降いこう、激はげしい空爆くうばくが続つづく中なかで避難ひなんを続つづけ、今月こんげつ1日にちにエジプトに退避たいひして、3日にち前まえ、日本にっぽんに帰国きこくしました。

白根しらねさんは7日にち、NHKのインタビューに応おうじ「当たり前あたりまえだった日常にちじょう生活せいかつを送おくれなかった1か月かげつを経へて、平和へいわな日本にっぽんに戻もどってくると平和へいわは尊とうといものだと改あらためて思おもうのと同時どうじに、当たり前あたりまえの日常にちじょうは紛争ふんそうや戦争せんそうによって一瞬いっしゅんで崩くずれてしまうと感かんじました」と帰国きこくから2日にちたった心境しんきょうを明あかしました。

パレスチナ人じんのスタッフにも帰国きこくの連絡れんらくをしたとしたうえで「あすの命いのちの危険きけんも感かんじているスタッフに簡単かんたんにうれしいとは言いえず、無事ぶじに帰国きこくしたことと避難ひなん生活せいかつ中ちゅうのスタッフのサポートに感謝かんしゃの気持きもちを伝つたえました。何なん人にんかのスタッフは返事へんじをくれて家族かぞくに会あえたことを心こころから喜よろこんでくれました」と述のべました。

一方いっぽうで「現地げんちスタッフからは『水みずも食料しょくりょうも本当ほんとうに足たりない。空爆くうばくの恐怖きょうふにおびえている。そのことを伝つたえてほしい』と言いわれました。物資ぶっしが足たりず通常つうじょうの医療いりょう行為こういもできない中なか、自分じぶんたちも命いのちの危険きけんと隣り合となりあわせになりながらできるかぎりの治療ちりょうを今いまこの瞬間しゅんかんも続つづけてくれています」と述のべ、現地げんちでは危機きき的てきな状況じょうきょうが深ふかまっていると訴うったえました。

一方いっぽう、ガザ地区ちくの人ひとたちがイスラエルやハマスに対にたいしどう感かんじているのかについて「現地げんちスタッフからはハマスがいるから、もしくは、イスラエルがいるからこうなったという敵対てきたい意識いしきを持もった会話かいわを聞きくことはなかった。一般いっぱん市民しみんは、海沿うみぞいのレストランで食事しょくじをするとか、笑わらいながら写真しゃしんをとるとか、私わたしたち日本人にっぽんじんと変かわらない日々ひびを生いきているだけです」と話はなしていました。

そして「ガザの人ひとたちに一いち日にちでも早はやく平穏へいおんで笑顔えがおがあふれる日ひが戻もどるように国際こくさい社会しゃかいが目めを背そむけずに声こえを上あげる環境かんきょうが続つづいて、一刻いっこくも早はやく停戦ていせんすることを願ねがっています。日本にっぽんの友人ゆうじんも私わたしが語かたることで戦争せんそうを身近みぢかに感かんじると話はなしてくれたので、証言しょうげんを続つづけていきたいです」と述のべ、ガザ地区ちくの現状げんじょうを広ひろく伝つたえていきたいと思おもいを語かたっていました。