天の石のふえ
日本には、昔から伝わっている話がたくさんあります。千葉県の海の近くにある神社に、昔の人が書いた「源助の石笛」という話が残っています。
昔、千葉県の小さな村に源助という若い漁師がいました。ある日、海に出て魚をとっていると、急に天気が悪くなって、波が高くなりました。源助たちは急いで戻りました。
その夜、海の近くで「ヒューヒュー」という音が聞こえました。源助が行ってみると、真ん中に穴があいている石がありました。風が穴を通って音が出ていました。そこにおじいさんが来て言いました。「この石は、海が荒れるときに音が出る。音がしたら、海に出てはいけない」
次の日、海は静かでした。源助が船を出そうとすると、「ヒュー」という音が聞こえました。源助は「海が荒れる」と言いましたが、ほかの漁師は海に出ていきました。しばらくすると、海は荒れて、漁師たちは急いで戻ってきました。
それから村の人たちは、石が鳴ると海に出るのをやめました。そして、石を神社に置いて大切にしました。