日本新聞: 約100年前に制作国産アニメーションのフィルム見つかる

約やく100年ねん前まえに制作せいさく国産こくさんアニメーションのフィルム見みつかる

May 5, 2024 19:05

Furigana

およそ100年ねん前まえに作つくられた国産こくさんアニメーションのフィルムが見みつかりました。当時とうじ、歯ブラシはぶらしなどを販売はんばいする日ひ用品ようひんメーカーが虫歯むしば予防よぼうなどの啓発けいはつのために制作せいさくしたもので、専門せんもん家かは「この時代じだいは現存げんそんするフィルムが少すくなく、当時とうじの国産こくさんアニメを知しる貴重きちょうな手てがかりだ」と話はなしています。

見みつかったのは、1923年ねんごろに国内こくないで制作せいさくされた「口腔こうこう衛生えいせい」というタイトルの映画えいがのフィルムで、古ふるいフィルムやレコードなどを収集しゅうしゅうしている東京とうきょうのNPO法人ほうじんが個人こじんから寄贈きぞうされた中なかに含ふくまれていたということです。

映像えいぞうはおよそ8分ふん半はんで、子こどもの歯はの健康けんこうを保たもつ方法ほうほうなどがアニメーションと実写じっしゃで紹介しょうかいされ、このうちアニメの部分ぶぶんでは、子こどもがナイフとフォークを使つかって食事しょくじをする様子ようすや歯磨はみがきをする様子ようすなどが、かわいらしい絵柄えがらで描えがかれています。

また、女の子おんなのこが目めをくるくるまわしたあと、健康けんこうな歯はを見みせて笑顔えがおになるなど、アニメーションらしいコミカルな表現ひょうげんが使つかわれています。

このフィルムは当時とうじ歯ブラシはぶらしを販売はんばいしていた、現在げんざいの「ライオン」が制作せいさくしたとされ、会社かいしゃによりますと、教育きょういく映画えいがとして制作せいさくされた全ぜん8巻かんのうちの7巻かん目めとみられるということで、このシリーズで実際じっさいのフィルムが見みつかったのは初はじめてだということです。

日本にっぽんのアニメの歴史れきしに詳くわしい、同志社どうししゃ大学だいがくの佐野さの明子あきこ准じゅん教授きょうじゅは「背景はいけいや着物きものが非常ひじょうに丁寧ていねいに描えがかれているのが印象いんしょう的てきだ。1920年代ねんだいは日本にっぽんのアニメのれい明めい期きで、教育きょういく的てきな内容ないようをアニメを使つかって分わかりやすく伝つたえようと工夫くふうする先駆さきがけとも言いえるのではないか。この時代じだいは現存げんそんするフィルムが少すくなく、当時とうじを知しる貴重きちょうな手てがかりだ」と話はなしています。