能登のと半島はんとう地震じしん「災害さいがい関連かんれん死し」認定にんてい申請しんせい 少すくなくとも100人にんに 石川いしかわ

石川いしかわ県けんはこれまでに能登のと半島はんとう地震じしんによる死者ししゃが245人にんで、このうち15人にんが災害さいがい関連かんれん死しの疑うたがいがあると発表はっぴょうしています。

被災ひさい後ごの避難ひなん生活せいかつなどによるストレスや疲労ひろうを原因げんいんとする災害さいがい関連かんれん死しの認定にんていは、市しや町まちが遺族いぞくからの申請しんせいを受うけて有識者ゆうしきしゃによる審査しんさ会かいを開ひらいて判断はんだんすることになっていて、石川いしかわ県けんでも来週らいしゅうから開ひらかれる予定よていです。

NHKが、災害さいがい関連かんれん死しの認定にんていを求もとめる申請しんせいについて、県内けんないのすべての自治体じちたいに取材しゅざいしたところ、8日にちの時点じてんで少すくなくとも100人にんにのぼっていることが分わかりました。

自治体じちたい別べつでは、輪島わじま市しが最もっとも多おおく53人にん、能登のと町まちが16人にん、七尾ななお市しが14人にん、志賀しか町まちが10人にん、穴水あなみず町まちが7人にんとなっています。

珠洲すず市しと小松こまつ市しは、申請しんせいがあったとしたうえで人数にんずうを明あきらかにしていません。

ほかの12の市しと町まちは、これまでのところ申請しんせいがないということです。

石川いしかわ県けんは、市しや町まちとの合同ごうどうの審査しんさ会かいの初はつ会合かいごうを来週らいしゅう開ひらく予定よていで、今後こんご、月つきに1回かい程度ていどのペースで審査しんさ会かいを開ひらき、災害さいがい関連かんれん死しと認定にんていされれば、地震じしんによる死者ししゃは大幅おおはばに増ふえる可能かのう性せいもあります。

専門せんもん家か “審査しんさ会かい 遺族いぞくに寄り添よりそって行おこなうことが重要じゅうよう”

能登のと半島はんとう地震じしんの災害さいがい関連かんれん死しを認定にんていする審査しんさ会かいが来週らいしゅう、石川いしかわ県けんで開ひらかれることについて、専門せんもん家かは「遺族いぞくに寄り添よりそった審査しんさを進すすめることが重要じゅうようだ」と指摘してきしています。

災害さいがい関連かんれん死しに詳くわしく東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいで審査しんさ会かいの委員いいんも務つとめた在ざい間はざま文康ふみやす弁護士べんごしは、被災ひさい地ちでは今いまも元もとの生活せいかつから程遠ほどとおい状況じょうきょうに置おかれている人ひとが多おおいことから、遺族いぞくが申請しんせいに必要ひつような診断しんだん書しょなどの資料しりょうを集あつめるのは簡単かんたんではないと指摘してきしています。

また、遺族いぞくは目めには見みえないストレスや心労しんろうを抱かかえているとして「災害さいがい関連かんれん死しの認定にんていにあたってはどこからが震災しんさいの影響えいきょうと言いえるのかという線引せんひきが非常ひじょうに難むずかしいが、審査しんさは遺族いぞくに寄り添よりそって行おこなうことが最もっとも重要じゅうようだ」と話はなしています。

さらに、石川いしかわ県内けんないで少すくなくとも100人にんから災害さいがい関連かんれん死しの申請しんせいが出だされていることについて、今回こんかいの災害さいがいの規模きぼや復旧ふっきゅうの現状げんじょうなどを踏ふまえると「氷山ひょうざんの一角いっかく」と分析ぶんせきしています。

在ざい間ま弁護士べんごしは「被災ひさい地ちでは復旧ふっきゅうにかかる時間じかんが長期ちょうき化かすることにより、今後こんご、災害さいがい関連かんれん死しと認定にんていされる人ひとの数かずがさらに増ふえるおそれがある。それを防ふせぐため持病じびょうを抱かかえる高齢こうれい者しゃなどを周囲しゅういが長期ちょうき的てきに支ささえていく体制たいせいの構築こうちくが必要ひつようだ」と話はなしていました。

「災害さいがい関連かんれん死し」熊本くまもと地震じしんでの認定にんていでは

災害さいがい関連かんれん死しは災害さいがいの発生はっせいから時間じかんがたってから体調たいちょうを崩くずして亡なくなったり、申請しんせいから認定にんていまで数すうか月かげつ程度ていどかかったりすることがあり、過去かこの災害さいがいでも時間じかんの経過けいかとともに人数にんずうが増ふえる傾向けいこうがあります。

熊本くまもと県けんなどによりますと、震度しんど7の揺ゆれを2度ど観測かんそくした2016年ねん4月つきの熊本くまもと地震じしんの際さいには、発生はっせいから3か月かげつ近ちかくたった7月つきに一連いちれんの地震じしんで初はじめてとなる6人にんの災害さいがい関連かんれん死しが認定にんていされました。

そのあと、地震じしんから1年ねん余あまりたった2017年ねん6月つきには179人にんに増ふえ、2年ねん近ちかくたった2018年ねん3月つきには200人にんと、徐々じょじょに増ふえていきました。

熊本くまもと県けんでは地震じしんの発生はっせいから5年ねん余あまりたった2021年ねん8月つきにも1人にん増ふえ、これまでに218人にんが災害さいがい関連かんれん死しと認定にんていされています。

災害さいがい後ごに亡なくなった人ひとが関連かんれん死しにあたるかどうかは、遺族いぞくなどの申請しんせいをもとに自治体じちたいが設置せっちする「審査しんさ会かい」で判断はんだんすることになっていて、申請しんせい書類しょるいの準備じゅんびに時間じかんがかかったり、審査しんさ会かいを複数ふくすう回かい開ひらく必要ひつようがあったりするケースなどは認定にんていまで時間じかんを要ようすることがあるということです。