国連こくれん総会そうかい パレスチナの国連こくれん加盟かめいを支持しじする決議けつぎ案あん 採択さいたく

国連こくれん総会そうかいに提出ていしゅつされた決議けつぎ案あんは、現在げんざいは国連こくれんで「オブザーバー国家こっか」の地位ちいにあるパレスチナについて、国連こくれんへの正式せいしきな加盟かめいに向むけ安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かいで協議きょうぎするよう、求もとめています。

採決さいけつは10日にち、日本にっぽん時間じかんの11日にち未明みめいに行おこなわれ、▽日本にっぽんを含ふくむ143か国かこくが賛成さんせい、▽イギリスなど25か国かこくが棄権きけん、▽反対はんたいはアメリカやイスラエルなど9か国かこくにとどまり、決議けつぎは賛成さんせい多数たすうで採択さいたくされました。

採択さいたくの瞬間しゅんかん、議場ぎじょうから大おおきな拍手はくしゅがおこり、パレスチナのマンスール国連こくれん大使たいしと決議けつぎを支持しじした各国かっこくの大使たいしらが握手あくしゅを交かわしていました。

国連こくれんへの加盟かめいには安保理あんぽりの勧告かんこく決議けつぎが必要ひつようで、パレスチナの加盟かめいをめぐっては先月せんげつ、安保理あんぽりでアメリカが拒否きょひ権けんを行使こうししたことから、現時点げんじてんで実現じつげんする見通みとおしは立たっていません。

ただ、すべての国連こくれん加盟かめい国こくが参加さんかできる総会そうかいで140を超こえる圧倒的あっとうてき多数たすうの支持しじを得えたことで、イスラエルとそれを擁護ようごしてきたアメリカの孤立こりつが際立きわだったかたちです。

アラブ諸国しょこくを代表だいひょうして演説えんぜつしたUAE＝アラブ首長しゅちょう国こく連邦れんぽうの国連こくれん大使たいしは、ガザ地区ちくでの情勢じょうせいが緊迫きんぱくする中なか、パレスチナの国連こくれん加盟かめいを通をつうじて「2国家こっか解決かいけつ」への道筋みちすじをつけるべきだと訴うったえました。

一方いっぽう、決議けつぎに反対はんたいしたアメリカの国連こくれん次席じせき大使たいしは、あくまでも当事者とうじしゃどうしの直接ちょくせつ交渉こうしょうによって事態じたいの打開だかいを目指めざすべきだと、強調きょうちょうしました。

パレスチナ アッバス議長ぎちょう「賛成さんせい票ひょうを投とうじた国々くにぐにに感謝かんしゃ」

国連こくれん総会そうかいがパレスチナの加盟かめいを支持しじする決議けつぎを採択さいたくしたことについて、パレスチナ暫定ざんてい自治じち政府せいふのアッバス議長ぎちょうは「パレスチナに賛成さんせい票ひょうを投とうじた国々くにぐにに感謝かんしゃする。安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かいの決定けっていによって完全かんぜんな国連こくれん加盟かめいを実現じつげんするための努力どりょくを続つづける」などとする声明せいめいを発表はっぴょうし、決議けつぎの採択さいたくを歓迎かんげいしました。

イスラエル カッツ外相がいしょう「人質ひとじち解放かいほうの努力どりょく損そこなうゆがんだ決定けってい」

イスラエルのカッツ外相がいしょうは自身じしんのSNSに「政治せいじ的てきな劇場げきじょうとなっている国連こくれんは、ハマスに報酬ほうしゅうを与あたえ、人質ひとじち解放かいほうのための努力どりょくを損そこなうゆがんだ決定けっていを下くだした。国連こくれんが送おくっているメッセージは『暴力ぼうりょくは報むくわれる』というものだ」と投稿とうこうして、国連こくれん総会そうかいがパレスチナの加盟かめいを支持しじする決議けつぎを採択さいたくしたことを非難ひなんしました。

イスラエル国連こくれん大使たいし 国連こくれん憲章けんしょうを細ほそ断だんするパフォーマンス

採決さいけつを前まえに演説えんぜつしたイスラエルのエルダン国連こくれん大使たいしは、パレスチナの国連こくれん加盟かめいを支持しじする決議けつぎ案あんについて、テロ組織そしきに国家こっかの権利けんりを与あたえようとしているなどと非難ひなんしました。

そのうえで決議けつぎ案あんに賛成さんせいする国くにに対にたいして、「きょうの採決さいけつであなたたちが国連こくれん憲章けんしょうに何なにをしようとしているのか、これをみれば分わかる」と述のべ、小型こがたのシュレッダーを取り出とりだして国連こくれん憲章けんしょうが書かかれた紙かみを細ほそ断だんするパフォーマンスを行おこないました。

そして演説えんぜつの最後さいごに「恥はじを知しれ」と言い残いいのこして、演壇えんだんを離はなれました。