日本新聞: “総合職男性だけの社宅制度は違法” 賠償命じる判決東京地裁

“総合そうごう職しょく男性だんせいだけの社宅しゃたく制度せいどは違法いほう” 賠償ばいしょう命めいじる判決はんけつ東京とうきょう地裁ちさい

May 13, 2024 18:05 4

Furigana

大手おおてガラスメーカーの子会社こがいしゃで一般いっぱん職しょくとして働はたらく女性じょせい社員しゃいんが、事実じじつ上じょう、総合そうごう職しょくの男性だんせい社員しゃいんだけが社宅しゃたく制度せいどが利用りようできるのは、男女だんじょ差別さべつだと訴うったえた裁判さいばんで、東京とうきょう地方ちほう裁判所さいばんしょは、男女だんじょ雇用こよう機会きかい均等きんとう法ほうの「間接かんせつ差別さべつ」にあたり、違法いほうだとして、会社かいしゃ側がわに損害そんがい賠償ばいしょうを命めいじる判決はんけつを言い渡いいわたしました。

大手おおてガラスメーカー「AGC」の子会社こがいしゃ「AGCグリーンテック」で働はたらく44歳さいの一般いっぱん職しょくの女性じょせいは、現在げんざいは全員ぜんいんが男性だんせい社員しゃいんの総合そうごう職しょくに家賃やちんを最大さいだい8割わり補助ほじょする社宅しゃたく制度せいどがある一方いっぽうで、女性じょせいが大半たいはんを占しめる一般いっぱん職しょくには月つき3000円えんの住宅じゅうたく手当てあてだけなのは、男女だんじょ差別さべつで違法いほうだとして損害そんがい賠償ばいしょうなどを求もとめていました。

13日にちの判決はんけつで、東京とうきょう地方ちほう裁判所さいばんしょの別所べっしょ卓郎たくろう裁判さいばん長ちょうは、「社宅しゃたく制度せいどという福利ふくり厚生こうせいを受うけるのは、男性だんせいの割合わりあいが圧倒的あっとうてきに高たかく、女性じょせいの割合わりあいが極きわめて低ひくい。経済けいざい的てき恩恵おんけいの格差かくさはかなり大おおきいことが認みとめられ、男女だんじょ雇用こよう機会きかい均等きんとう法ほうに照てらし、間接かんせつ差別さべつに該当がいとうする」として、会社かいしゃ側がわにおよそ380万まん円えんの損害そんがい賠償ばいしょうを命めいじました。

一方いっぽうで、一般いっぱん職しょくの男性だんせい社員しゃいんとの賃金ちんぎん格差かくさについては、男性だんせい社員しゃいんの評価ひょうかや前ぜん職しょくの賃金ちんぎん額がくを踏ふまえて設定せっていされたものだとして、性別せいべつによるものとは認みとめませんでした。

判決はんけつのあと原告げんこくの女性じょせいは記者きしゃ会見かいけんで「ずっと悔くやしい思おもいをして、たくさん泣ないてきましたが、ようやくぐっすり寝ねられます。だた、男女だんじょの賃金ちんぎん差別さべつが認みとめられなかったのは悔くやしい。多おおくの会社かいしゃで総合そうごう職しょくや一般いっぱん職しょくで分わけることがなくなり、女性じょせいがもっと意見いけんを言いえて能力のうりょくを発揮はっきできる、差別さべつのない職場しょくばになってほしい」と話はなしました。