일본어 뉴스: 災害関連死 30人認定するよう答申審査会初会合能登半島地震

能登のと半島はんとう地震じしんのあと避難ひなん生活せいかつなどの中なかで亡なくなった人ひとを「災害さいがい関連かんれん死し」に認定にんていするか判断はんだんするための審査しんさ会かいの初はつ会合かいごうが14日にち開ひらかれ、石川いしかわ県けんによりますと、30人にんを災害さいがい関連かんれん死しとして認定にんていするよう答申とうしんが出だされたということです。今後こんご、災害さいがい関連かんれん死しと認定にんていされれば、地震じしんによる死者ししゃは大幅おおはばに増ふえる可能かのう性せいがあります。

石川いしかわ県けんはこれまでに能登のと半島はんとう地震じしんによる死者ししゃが245人にんで、このうち15人にんが被災ひさい後ごの避難ひなん生活せいかつなどによるストレスや疲労ひろうを原因げんいんとする災害さいがい関連かんれん死しの疑うたがいがあると発表はっぴょうしています。

能登のと半島はんとう地震じしんの災害さいがい関連かんれん死しの認定にんていは、石川いしかわ県内けんないのいずれの市しや町まちも、遺族いぞくからの申請しんせいを受うけた上うえで、県けんが選定せんていした医師いしと弁護士べんごしあわせて5人にんの有識ゆうしき者しゃの委員いいんの審査しんさ会かいを開ひらいて判断はんだんする合同ごうどう開催かいさいの形かたちが取とられます。

14日にち、審査しんさ会かいの初はつ会合かいごうが非ひ公開こうかいで開ひらかれ、県けんによりますと、珠洲すず市しと輪島わじま市し、能登のと町まちのあわせて35人にんの審査しんさが行おこなわれ、このうち30人にんを災害さいがい関連かんれん死しとして認定にんていするよう答申とうしんが出だされたということです。

内訳うちわけは、珠洲すず市しが14人にん、輪島わじま市しが9人にん、能登のと町まちが7人にんです。

答申とうしんが出だされた申請しんせいについては、それぞれの自治体じちたいが最終さいしゅう的てきな決定けっていを行おこなったうえで遺族いぞくに通知つうちすることにしています。

能登のと半島はんとう地震じしんのあと遺族いぞくが「災害さいがい関連かんれん死し」として認定にんていするよう求もとめる申請しんせいは、石川いしかわ県内けんないで少すくなくとも100人にんにのぼっています。

自治体じちたい別べつでは、輪島わじま市しが最もっとも多おおく53人にん、能登のと町まちが16人にん、七尾ななお市しが14人にん、志賀しか町まちが10人にん、穴水あなみず町まちが7人にんとなっています。

今後こんご、月つきに1回かい程度ていどのペースで開ひらかれる審査しんさ会かいで災害さいがい関連かんれん死しと認定にんていされれば、地震じしんによる死者ししゃは大幅おおはばに増ふえる可能かのう性せいがあります。

遺族いぞく「地震じしんさえなければ亡なくなることはなかったのに」

能登のと半島はんとう地震じしんのあと避難ひなん生活せいかつなどの中なかで亡なくなり遺族いぞくが「災害さいがい関連かんれん死し」として認定にんていするよう求もとめる申請しんせいは石川いしかわ県内けんないで少すくなくとも100人にんにのぼっています。

このうち石川いしかわ県けん輪島わじま市し滝又たきまた町まちの中ちゅう竜夫たつおさん（71）は、ことし1月つき、避難ひなん中ちゅうに亡なくなった妻つまの紀子のりこさん（71）について、災害さいがい関連かんれん死しに認定にんていするよう市しに申請しんせいしました。

地震じしんが発生はっせいしたあと、自宅じたくが被害ひがいを受うけた中なかさん一家いっかは、近所きんじょの住民じゅうみんたちとともに農業のうぎょう用ようの倉庫そうこに身みを寄よせ、避難ひなん生活せいかつを送おくりました。

地区ちくは道路どうろの寸断すんだんで一時いちじ、孤立こりつ状態じょうたいとなり、断水だんすいや停電ていでんが続つづきました。

住民じゅうみんたちは、支援しえん物資ぶっしが届とどいている場所ばしょまで歩あるいていき、食料しょくりょうを持ち帰もちかえるなどして過すごしていたということです。

中なかさんによりますと、紀子のりこさんはふだんと変かわらぬ様子ようすでしたが、地震じしんから9日にち後ごの1月つき10日にち、昼食ちゅうしょくをとったあとに体調たいちょうが急変きゅうへんしました。

要請ようせいしたドクターヘリは天候てんこうの問題もんだいで飛とぶことができず、紀子のりこさんは病院びょういんに搬送はんそうされることなく息いきを引き取ひきとり、死因しいんは「虚うろ血ち性せい心しん疾患しっかんの疑うたがい」だったということです。

中なかさんは「変かわった様子ようすは一ひとつもなく、突然とつぜんの死しでした。頭あたまが真っ白まっしろになってこの先このさきどうしたらいいのかという気持きもちになりました。地震じしんさえなければ亡なくなることはなかったのにと悔くやしい思おもいです。残念ざんねんとしか言いいようがありません」と話はなしていました。

そして「地震じしんがなければいつもと一緒いっしょの生活せいかつをして、急きゅうに具合ぐあいが悪わるくなっても病院びょういんに行いくことができました。妻つまが地震じしんによって亡なくなったことを認みとめてほしいです」と話はなしていました。

半年はんとし以上いじょう後あとで亡なくなるケースも専門せんもん家か「無理むりせず取り組とりくんで」

能登のと半島はんとう地震じしんの「災害さいがい関連かんれん死し」の審査しんさが始はじまったことを受うけて、「災害さいがい関連かんれん死し」に詳くわしい関西かんさい大学だいがくの奥村おくむら与志よし弘ひろ教授きょうじゅは「今回こんかい、県けんが選定せんていした委員いいんのもとで市しや町まちの審査しんさが合同ごうどうで行おこなわれているが、自治体じちたいの負担ふたんを軽減けいげんできるうえ別々べつべつに審査しんさを開ひらく際さいに起おきる認定にんていの格差かくさのリスクを回避かいひでき、公平こうへい性せいという観点かんてんから見みても望のぞましい」と評価ひょうかしています。

そのうえで、県けんが選定せんていした委員いいんが地域ちいきの事情じじょうに応おうじた審査しんさをどの程度ていど担保たんぽしていけるかが重要じゅうようになってくると指摘してきしています。

また「災害さいがい関連かんれん死し」の申請しんせいをしていない被災ひさい者しゃに向むけて「関連かんれん死しに認定にんていされた際さいには弔慰ちょうい金きんが支給しきゅうされるが、弔慰ちょうい金きんは生活せいかつ支援しえんが目的もくてきではないため、暮くらしに困こまっていないから受け取うけとらなくてもいいと考かんがえる必要ひつようはない。高齢こうれいの方ほうは、自力じりきで申請しんせいするのは難むずかしく離はなれて住すむ家族かぞくや周まわりの人ひとたちがサポートしてほしい」と呼よびかけています。

一方いっぽう、奧村むら教授きょうじゅによりますと、過去かこの災害さいがいの分析ぶんせきから半年はんとし以上いじょうたってからも「災害さいがい関連かんれん死し」で亡なくなるケースがあるということです。

亡なくなる人ひとに共通きょうつうしているのは、災害さいがいの直後ちょくごから徐々じょじょに食欲しょくよくがなくなったり入退院にゅうたいいんを繰り返くりかえしたりしながら体力たいりょくが低下ていかしていく点てんだとしていて、近ちかくでサポートしてくれる人ひとや公的こうてきな支援しえんが大切たいせつになってくるとしています。

そのうえで「これから暑あつくなり体力たいりょくを消耗しょうもうしやすくなるが、片かたづけ作業さぎょうなどの負担ふたんが大おおきいと心こころ疾患しっかんや脳のう血管けっかん疾患しっかんなどで亡なくなるケースもある。ボランティアの手てなどを借かりながら無理むりをせず復旧ふっきゅう作業さぎょうや生活せいかつ再建さいけんに取り組とりくんでほしい」と呼よびかけています。

審査しんさから弔慰ちょうい金きん支給しきゅうまでの流ながれ

内閣ないかく府ふによりますと、災害さいがい関連かんれん死しの申請しんせいがあった場合ばあい医師いしや弁護士べんごしなどで構成こうせいされる自治体じちたいの審査しんさ会かいが災害さいがいと死因しいんとの関連かんれんを判断はんだんします。

たとえば病死びょうしであれば、死因しいんとなった病気びょうきが災害さいがいによるショックやストレスの影響えいきょうを受うける可能かのう性せいがあるかや、災害さいがいで医療いりょうや介護かいごを受うける環境かんきょうが大おおきく変かわったか、いったん症状しょうじょうが回復かいふくしたかなどがポイントとなります。