フランスのミネラルウオーターブランドの約3割で、水道水のみに施されるべき殺菌などの処理が行われていると、仏メディアが30日、政府の調査報告書に基づいて報じた。
日刊紙ルモンドと公共のラジオ・フランスの報道に先立ち、食品大手ネスレ(Nestle)が、ペリエ(Perrier)やヴィッテル(Vittel)といった主要ブランドで、紫外線や活性炭フィルターを使っていたと認めていた。
同紙によると、社会問題監察総局(IGAS)が2022年7月にまとめた報告書で、「30%近いブランド」で国内の規定に反する処理が行われており、しかも「30%というのは少なく見積もった数字」だと指摘していた。
欧州連合(EU)の指令に基づいたフランスの法律では、ミネラルウオーターはボトル詰め以前に自然に良質であるという観点から、殺菌処理を施さないことが義務付けられている。
ある政府筋はAFPに対し、「ボトル入り飲料水の品質に関連し、健康リスクはこれまでのところ特定されていない」と述べた。
同政府筋は、IGASが調査に乗り出したのは、ネスレが2021年、当局に対し、規定に反する処理を行っていると認めたためだったとしている。
また同政府筋によると、ネスレに対しても別の調査が行われているという。