ことしの本屋ほんや大賞たいしょう 宮島みやじま未奈みなさん「成瀬なるせは天下てんかを取とりにいく」

本屋ほんや大賞たいしょう 映画えいがやドラマに影響えいきょう力りょく大おおきい賞しょうとして注目ちゅうもく

ことしで21回かい目めとなる「本屋ほんや大賞たいしょう」は、全国ぜんこくの書店しょてん員いんが「いちばん売うりたい本ほん」を投票とうひょうによって選えらぶ賞しょうで、過去かこに受賞じゅしょうした作品さくひんの多おおくがベストセラーとなり、映画えいがやテレビドラマにもなるなど影響えいきょう力りょくの大おおきい賞しょうとして注目ちゅうもくされています。

「成瀬なるせは天下てんかを取とりにいく」どんな作品さくひん？

10日にち、ことしの授賞じゅしょう式しきが都内とないで開ひらかれ、ノミネートされた10作品さくひんの中なかから、宮島みやじま未奈みなさんの小説しょうせつ、「成瀬なるせは天下てんかを取とりにいく」が選えらばれました。

この作品さくひんは、主人公しゅじんこうの女子じょし中学生ちゅうがくせい、成瀬なるせあかりが、閉店へいてんを控ひかえる地元じもとの百貨店ひゃっかてんに毎日まいにち通かよってテレビ局てれびきょくの中継ちゅうけいに映うつろうとしたり、漫才まんざいの日本一にっぽんいちを競きそう大会たいかいに挑戦ちょうせんしたりするなど合あわせて6つの短編たんぺんからなる青春せいしゅん小説しょうせつです。

大津おおつ市しが舞台ぶたいとなっていて、幼おさななじみを巻き込まきこみながらわが道みちを突き進つきすすむ成瀬なるせの姿すがたがユーモラスに描えがかれています。

作者さくしゃの宮島みやじま未奈みなさん「コロナ禍かに小説しょうせつ家か人生じんせいがスタート」

作者さくしゃの宮島みやじまさんは静岡しずおか県けん富士ふじ市し出身しゅっしんの40歳さい。京都大きょうとだい学がくを卒業そつぎょう後ご、地元じもとの静岡しずおかで就職しゅうしょくし、結婚けっこんを機きに大津おおつ市しに移り住うつりすみました。

30代だい半なかばから小説しょうせつの新人しんじん賞しょうなどに応募おうぼを始はじめ、3年ねん前まえ、今回こんかいの受賞じゅしょう作さくにも含ふくまれている短編たんぺんが文学ぶんがく賞しょうを受賞じゅしょうし、去年きょねん3月つきに「成瀬なるせは天下てんかを取とりにいく」が書籍しょせき化かされてデビューしました。

作品さくひんはこれまでに41万まん部ぶを超こえるヒットとなり、ことし1月つきには大学生だいがくせいになった成瀬なるせの活躍かつやくなどを描えがいた続編ぞくへんも刊行かんこうされています。

宮島みやじまさんは、作中さくちゅうで成瀬なるせが結成けっせいするお笑おわらいコンビにちなんだユニフォームを着きて登壇とうだんし、喜よろこびを語かたりました。

「本屋ほんや大賞たいしょうをきっかけに、ますます多おおくの皆みなさんに成瀬なるせと出会であっていただくのが楽たのしみですし、受賞じゅしょう作家さっかの看板かんばんを背負せおっていくと思おもうと身みが引き締ひきしまる思おもいです。コロナ禍かに小説しょうせつ家か人生じんせいがスタートした私わたしがこうして多おおくの皆みなさんにお祝おいわいしていただけるのは感無量かんむりょうで、このようなことになるとは想像そうぞうしていませんでした。これからの1年間ねんかんも今いまの私わたしには想像そうぞうできないことがたくさん起おこると思おもいますが、成瀬なるせと一緒いっしょならきっと大丈夫だいじょうぶです。ありがとうございました」

主人公しゅじんこう「成瀬なるせあかり」の自宅じたく最寄り駅もよりえきでは 滋賀しが

小説しょうせつの主人公しゅじんこう、「成瀬なるせあかり」の自宅じたくの最寄り駅もよりえきとして小説しょうせつに登場とうじょうする大津おおつ市しのJR膳所ぜぜ駅えきには、4月つき1日にちから、びわ湖びわこ大津おおつ観光かんこう協会きょうかいが、「成瀬なるせあかり」やびわ湖びわこを巡めぐる観光かんこう船せん「ミシガン」のイラストとともに、小説しょうせつに登場とうじょうする「膳所ぜぜから世界せかいへ」というセリフをもじった「世界せかいから膳所ぜぜへ」という観光かんこう客きゃくを呼び込よびこむことばが書かかれたPR看板かんばんが設置せっちされています。

10日にちは「本屋ほんや大賞たいしょう」発表はっぴょうの1時間じかんほど前まえから観光かんこう協会きょうかいの職員しょくいんや地元じもとのファン数すう人にんが駅えきに集あつまり、受賞じゅしょうの知しらせが入はいると歓声かんせいをあげて喜よろこんでいました。

そして、関係かんけい者しゃが「祝しゅく本屋ほんや大賞たいしょう受賞じゅしょう」と書かかれた花はな飾かざりの装飾そうしょくを看板かんばんに取とりつけました。

30代だいの女性じょせいファンは「うれしいです。小説しょうせつで地元じもとの住民じゅうみんが誇ほこりを持もてるような魅力みりょくを取り上とりあげてもらい、希望きぼうの光ひかりをもらえました」と話はなしていました。

びわ湖びわこ大津おおつ観光かんこう協会きょうかいでは、小説しょうせつの舞台ぶたいを巡めぐる催もよおしを企画きかくするなどして、大津おおつ市しの観光かんこう振興しんこうにもつなげたいとしています。

観光かんこう協会きょうかいの坪田つぼた朋とも也さんは「たくさんの人ひとに小説しょうせつを読よんでもらい、実際じっさいに大津おおつを訪おとずれて小説しょうせつの世界せかい観かんを楽たのしんでほしい」と話はなしていました。

デビュー作さくでの本屋ほんや大賞たいしょうは3人にん目め

デビュー作さくでの本屋ほんや大賞たいしょうは、これまでに、2009年ねんの湊みなとかなえさんの「告白こくはく」、おととしの逢坂おうさか冬ふゆ馬ばさんの「同志どうし少女しょうじょよ、敵てきを撃うて」が受賞じゅしょうしていて、宮島みやじまさんは3人にん目めです。