機能きのう性せい表示ひょうじ食品しょくひん 健康けんこう被害ひがい117件けん 死亡しぼう例れいなし 消費しょうひ者しゃ庁ちょうが総そう点検てんけん

小林こばやし製薬せいやくが機能きのう性せい表示ひょうじ食品しょくひんとして届け出とどけでていた紅べに麹こうじの成分せいぶんを含ふくむサプリメントを摂取せっしゅした人ひとが腎臓じんぞうの病気びょうきなどを発症はっしょうした問題もんだいを受うけ、消費しょうひ者しゃ庁ちょうは、およそ6800の機能きのう性せい表示ひょうじ食品しょくひんのおよそ1700の事業じぎょう者しゃに対にたいして、医療いりょう従事じゅうじ者しゃから寄よせられた健康けんこう被害ひがい情報じょうほうがないかや、情報じょうほうの収集しゅうしゅうや国くにへの報告ほうこくの体制たいせいを尋たずねる総そう点検てんけんを行おこないました。

回答かいとうは12日にちが締め切しめきりで、消費しょうひ者しゃ庁ちょうは12日にち午前ごぜん0時じの時点じてんで回答かいとうのあった5551製品せいひんについての集計しゅうけい結果けっかを発表はっぴょうしました。

それによりますと、集計しゅうけい時点じてんで回答かいとうがない、小林こばやし製薬せいやくの製品せいひんを含ふくまない18の製品せいひんについて、117件けんの健康けんこう被害ひがいの情報じょうほうが医療いりょう従事じゅうじ者しゃから事業じぎょう者しゃに寄よせられていたということです。

死亡しぼうした事例じれいはなく、下痢げりや湿しっしんなどの軽症けいしょうが多おおかったと言いうことですが、入院にゅういんを必要ひつようとする重じゅう篤あつしな症状しょうじょうの例れいも複数ふくすうあったということです。

消費しょうひ者しゃ庁ちょうによりますと、18の製品せいひんと健康けんこう被害ひがいの因果いんが関係かんけいはいずれも確認かくにんされていないということで、製品せいひん名めいは公表こうひょうしないとしています。

機能きのう性せい表示ひょうじ食品しょくひんの健康けんこう被害ひがい情報じょうほうの報告ほうこくは、ガイドラインで「入手にゅうしゅした情報じょうほうが不十分ふじゅうぶんであったとしても速すみやかに報告ほうこくすることが適当てきとう」とされていますが、18製品せいひんの事業じぎょう者しゃは、軽症けいしょうであったり、製品せいひんと健康けんこう被害ひがいの因果いんが関係かんけいが明確めいかくでなかったりしたなどとして、いずれも報告ほうこくしていませんでした。

消費しょうひ者しゃ庁ちょうは今後こんご、事業じぎょう者しゃに聞きき取とりを行おこなうほか、専門せんもん家かに医学いがく的てき評価ひょうかを依頼いらいするなどして今回こんかいの調査ちょうさ結果けっかを精査せいさした上うえで、健康けんこう被害ひがい情報じょうほうの報告ほうこくの義務ぎむ化かを含ふくめ、制度せいどの見直みなおしを検討けんとうしていく方針ほうしんです。

専門せんもん家か「報告ほうこくの義務ぎむ化かを」

18の製品せいひんについての健康けんこう被害ひがいの情報じょうほうが医療いりょう従事じゅうじ者しゃから事業じぎょう者しゃに合あわせて117件けん寄よせられ、いずれも国くにに報告ほうこくされていなかったことについて、健康けんこう食品しょくひんの問題もんだいに詳くわしいNPO法人ほうじん「食しょくの安全あんぜんと安心あんしんを科学かがくする会かい」の山崎やまざき毅あつし理事りじ長ちょうは「18製品せいひんで117件けんと、1つの製品せいひんで複数ふくすうの情報じょうほうがあっても報告ほうこくしていないのは心配しんぱいだ。健康けんこう被害ひがいかどうかみずから判断はんだんして、因果いんが関係かんけいがなさそうだとして報告ほうこくしなかったものに対にたいして、医師いしがどういう意見いけんを述のべていたのか、追跡ついせきして調しらべる必要ひつようがあると思おもう」と指摘してきしています。

そのうえで「健康けんこう食品しょくひんの事業じぎょう者しゃにとって情報じょうほうが寄よせられても判断はんだんに迷まようと思おもうし、小林こばやし製薬せいやくの経緯けいいを見みても健康けんこう食品しょくひん事業じぎょう者しゃは『まさかうちの製品せいひんじゃないよね』って思おもいたい気持きもちはみなさんある。因果いんが関係かんけいがはっきりしない段階だんかいで『健康けんこう被害ひがい』といわれると仮かりに問題もんだいがない商品しょうひんでも大おおきな痛手いたでになる。ただ、情報じょうほうを1番ばん持もっているのは医者いしゃでも行政ぎょうせいでもなく事業じぎょう者しゃなので、『有害ゆうがい事象じしょう』として被害ひがいの情報じょうほうが寄よせられたら行政ぎょうせいと一緒いっしょに検討けんとうするために報告ほうこくを義務ぎむ化かすることが有効ゆうこうではないか。一方いっぽうで国くにも事業じぎょう者しゃが報告ほうこくしやすい環境かんきょうづくりが求もとめられる」と話はなしています。

報告ほうこくのガイドラインは

機能きのう性せい表示ひょうじ食品しょくひんのガイドラインでは、届け出とどけでている事業じぎょう者しゃに対にたいし健康けんこう被害ひがいの情報じょうほうを収集しゅうしゅうして行政ぎょうせい機関きかんへの報告ほうこくを行おこなう体制たいせいを整備せいびするよう求もとめていて、「医薬品いやくひんと異ことなり摂取せっしゅが限定げんていされるものではないことから、健康けんこう被害ひがいが急速きゅうそくに拡大かくだいするおそれがあり、入手にゅうしゅした情報じょうほうが不十分ふじゅうぶんであったとしても速すみやかに報告ほうこくすることが適当てきとうだ」としています。

また、消費しょうひ者しゃから健康けんこう被害ひがい情報じょうほうが寄よせられた場合ばあい、医師いしの診察しんさつを受うけて摂取せっしゅをやめるよう促うながし、医師いしの診断しんだん結果けっかや摂取せっしゅした製品せいひんの量りょうや期間きかん、ほかの食品しょくひんや医薬品いやくひんの摂取せっしゅ状況じょうきょう、本人ほんにんの病歴びょうれきやアレルギーなどの情報じょうほうを収集しゅうしゅうし、症状しょうじょうとの因果いんが関係かんけいを事業じぎょう者しゃが評価ひょうかしたうえで、「健康けんこう被害ひがいの発生はっせいおよび拡大かくだいのおそれがある場合ばあいは消費しょうひ者しゃ庁ちょうに速すみやかに報告ほうこくする」と定さだめています。

機能きのう性せい表示ひょうじ食品しょくひん 届け出とどけでの2割わり1500件けんあまりが撤回てっかい

機能きのう性せい表示ひょうじ食品しょくひんのデータベースによりますと、機能きのう性せい表示ひょうじ食品しょくひんにはこれまで累計るいけいでおよそ8200件けんの届け出とどけでがありますが、このうちおよそ2割わりにあたる1500件けんあまりが撤回てっかいされています。

届け出とどけでの撤回てっかいについてガイドラインでは、商品しょうひんの販売はんばいを終了しゅうりょうした時ときや安全あんぜん性せいや機能きのう性せいの科学かがく的てき根拠こんきょが不十分ふじゅうぶんだと新あらたに判明はんめいした時とき、また効果こうかの根拠こんきょとなる「機能きのう性せい関与かんよ成分せいぶん」の含ふくまれている量りょうが届け出とどけで時点じてんより少すくなかった時ときなどに必要ひつようだとされています。

撤回てっかいされている1500件けんのうちの多おおくは販売はんばいの終了しゅうりょうを理由りゆうにしていますが、中なかには機能きのう性せいに科学かがく的てき根拠こんきょがあるという主張しゅちょうをとりやめたものも含ふくまれています。

去年きょねん6月つきには福岡ふくおか市しの通販つうはん業者ぎょうしゃが「高たかめの血圧けつあつを下さげる」などと表示ひょうじして販売はんばいしていた機能きのう性せい表示ひょうじ食品しょくひんの2つのサプリメントについて、含ふくまれる機能きのう性せい関与かんよ成分せいぶんの量りょうが論文ろんぶんで効果こうかがあるとされた量りょうより少すくないなど、機能きのう性せいに合理ごうり的てきな根拠こんきょが認みとめられないとして、消費しょうひ者しゃ庁ちょうから景品けいひん表示ひょうじ法ほうに基もとづいて措置そち命令めいれいを受うけています。

これに伴ともない2つのサプリメントは機能きのう性せい表示ひょうじ食品しょくひんの届け出とどけでを撤回てっかいし、同おなじ科学かがく的てき根拠こんきょをかかげていた別べつの会社かいしゃの57の製品せいひんも撤回てっかいしています。

健康けんこう食品しょくひん「危害きがい情報じょうほう」は1332件けん

消費しょうひ者しゃ庁ちょうによりますと、機能きのう性せい表示ひょうじ食品しょくひんを含ふくむ健康けんこう食品しょくひんを食たべて体調たいちょうが悪わるくなったなどといった「危害きがい情報じょうほう」は、昨年度さくねんど、全国ぜんこくの消費しょうひ生活せいかつセンターなどに1332件けん、寄よせられたと言いうことです。

このうち小林こばやし製薬せいやくが自主じしゅ回収かいしゅうしている3つの製品せいひんに関にかんする相談そうだんは22件けんだったということです。