일본어 뉴스: 点滴に消毒液混入 3人殺害の罪元看護師起訴内容認める

5年ねん前まえ、横浜よこはま市しの病院びょういんで高齢こうれいの入院にゅういん患者かんじゃ3人にんの点滴てんてきに消毒しょうどく液えきを混入こんにゅうして殺害さつがいした罪つみに問とわれている元もと看護かんご師しの裁判さいばん員いん裁判さいばんが始はじまり、元もと看護かんご師しは起訴きそされた内容ないようを認みとめました。一方いっぽう、弁護士べんごしは責任せきにん能力のうりょくについて争あらそうと主張しゅちょうしました。

横浜よこはま市し神奈川かながわ区くの旧きゅう「大口おおぐち病院びょういん」の元もと看護かんご師し、久保木くぼき愛弓あゆみ被告ひこく（34）は5年ねん前まえの平成へいせい28年ねん9月つき、入院にゅういん患者かんじゃの西川にしかわ惣そう藏くらさん（88）と八巻やつまき信雄のぶおさん（88）、それに興津おきつ朝江あさえさん（78）の点滴てんてきに消毒しょうどく液えきを混入こんにゅうして殺害さつがいしたほか、未み使用しようだった複数ふくすうの点滴てんてき袋ぶくろにも消毒しょうどく液えきを混入こんにゅうしたとして、殺人さつじんと殺人さつじん予備よびの罪つみに問とわれています。

1日にちから横浜よこはま地方ちほう裁判所さいばんしょで裁判さいばん員いん裁判さいばんが始はじまり、久保木くぼき被告ひこくはグレーのスーツ姿すがたで法廷ほうていに入はいりました。

裁判さいばん長ちょうから「起訴きそ状じょうの事実じじつについて違ちがう点てんはありますか」と尋たずねられると、はっきりとした声こえで「すべて間違まちがいありません」と述のべ、起訴きそされた内容ないようを認みとめました。

一方いっぽう、被告ひこくの弁護士べんごしは「被告ひこくは統合とうごう失調しっちょう症しょうを患わずらっていて、著いちじるしい影響えいきょうがあった。心神しんしんこう弱じゃくの状態じょうたいであり、責任せきにん能力のうりょくについて争あらそう」と主張しゅちょうしました。

続つづく冒頭ぼうとう陳述ちんじゅつで、検察けんさつは「自分じぶんの勤務きんむ中ちゅうに患者かんじゃが死亡しぼうすると、家族かぞくに責せめられるのではないかと不安ふあんを募つのらせ、勤務きんむ時間じかん外がいに死亡しぼうさせようと混入こんにゅうを繰り返くりかえすようになった。無断むだんで外出がいしゅつしようとした患者かんじゃについては、けがをされたら自分じぶんの責任せきにんになると考かんがえて殺害さつがいを決意けついした。被告ひこくは正常せいじょうな心理しんりで判断はんだんや行動こうどうをしていて、完全かんぜん責任せきにん能力のうりょくがあった」と述のべました。

これに対にたいし被告ひこくの弁護士べんごしは「大口おおぐち病院びょういんの前まえに別べつの病院びょういんで働はたらいていた時ときに、患者かんじゃの死しに直面ちょくめんし、自分じぶんの看護かんごが行き届いきとどいていなかったのではないかと悩なやみ、薬くすりを飲のむようになった。大口おおぐち病院びょういんに移うつったあと、事件じけんの半年はんとし前まえに、患者かんじゃの遺族いぞくから『看護かんご師しが殺ころした』と非難ひなんされてショックを受うけ、精神せいしん状態じょうたいが不安定ふあんていになった」と述のべました。

審理しんりは1日にちを含ふくめて11回かい行おこなわれる予定よていで、判決はんけつは来月らいげつ9日にちに言い渡いいわたされます。

旧きゅう大口おおぐち病院びょういん事件じけん当時とうじの院長いんちょう “二度にどとあってはならない出来事できごと”

裁判さいばんについて事件じけん当時とうじ、旧きゅう「大口おおぐち病院びょういん」で院長いんちょうを務つとめていた高橋たかはし洋一よういち医師いしは弁護士べんごしを通をつうじて「亡なくなられた方々かたがた、ご家族かぞく様さまにお悔くやみ申し上もうしあげます。多おおくの方々かたがたにとって不幸ふこうな、二度にどとあってはならない出来事できごとです」というコメントを発表はっぴょうしました。

事件じけんの経緯けいいは

事件じけんが発覚はっかくしたのは、5年ねん前まえの平成へいせい28年ねん9月つきでした。横浜よこはま市し神奈川かながわ区くの旧きゅう「大口おおぐち病院びょういん」で高齢こうれいの入院にゅういん患者かんじゃが相次あいついで死亡しぼう。

9月つき16日にちに興津おきつ朝江あさえさん（78）、18日にちに西川にしかわ惣そう藏くらさん（88）、20日にちには、八巻やつまき信雄のぶおさん（88）が亡なくなりました。

警察けいさつが捜査そうさを始はじめ、遺体いたいや点滴てんてきから消毒しょうどく液えきに含ふくまれる「界面かいめん活性かっせい剤ざい」の成分せいぶんが検出けんしゅつされました。

警察けいさつは内部ないぶの事情じじょうに詳くわしい人物じんぶつの犯行はんこうとみていましたが、直接ちょくせつ的てきな証拠しょうこは乏とぼしい状況じょうきょうでした。

しかし、事件じけんの半月はんつきほど前まえに被告ひこくが消毒しょうどく液えきのボトルをタオルに隠かくすように持ち運もちはこんでいるのを同僚どうりょうが目撃もくげきしていたことなどから警察けいさつが事情じじょうを聴きいたところ殺害さつがいを認みとめ、事件じけんから1年ねん10か月かげつ後ごの平成へいせい30年ねん7月つきに逮捕たいほしました。

捜査そうさ段階だんかいの調しらべに対にたいし、被告ひこくは「患者かんじゃが死亡しぼうした際さいの遺族いぞくへの説明せつめいが自分じぶんにできるのか常つねに不安ふあんだった」などと、自分じぶんの勤務きんむ時間じかん外がいに患者かんじゃが死亡しぼうするよう狙ねらったという趣旨しゅしの供述きょうじゅつをしたということです。

検察けんさつは、3人にんに対にたいする殺人さつじん罪ざいと未み使用しようだった複数ふくすうの点滴てんてき袋ぶくろに消毒しょうどく液えきを混入こんにゅうした殺人さつじん予備よびの罪つみで平成へいせい30年ねん12月つきに起訴きそしました。

初はつ公判こうはん傍聴ぼうちょう席せきの倍率ばいりつは約やく26倍ばいに

裁判所さいばんしょによりますと、1日にちの初はつ公判こうはんでは14の傍聴ぼうちょう席せきに対にたいし、371人にんが傍聴ぼうちょうを希望きぼうしたということで、倍率ばいりつはおよそ26倍ばいでした。

横浜よこはま市し保土ヶ谷ほどがや区くに住すむ45歳さいの女性じょせいは「大学生だいがくせいの長女ちょうじょが看護かんご師しを目指めざしているので、どんな気持きもちで点滴てんてきに消毒しょうどく液えきを入いれたのか気きになってきました。理不尽りふじんな形かたちで亡なくなったご遺族いぞくや被害ひがい者しゃの方ほうはつらい思おもいをしていると思おもうので、被告ひこくには正直しょうじきなことを話はなしてほしい」と話はなしていました。

障害しょうがいのある人ひとの作業さぎょう所しょで働はたらいているという横浜よこはま市し中なか区くの61歳さいの女性じょせいは「看護かんご師しの仕事しごとは大変たいへんなことが多おおく、精神せいしん的てきに厳きびしい仕事しごとだと思おもいます。やったことは絶対ぜったいに許ゆるされませんが、つらかったことをありのままに話はなしてほしい」と話はなしていました。