《避難・住まいの支援》
石川 七尾 和倉温泉 一部宿泊施設で客室に被災者を受け入れ
今回の地震ですべてのホテルや旅館が休業を余儀なくされている石川県七尾市の和倉温泉では、一部の宿泊施設で被害のなかった客室に被災者を受け入れています。
和倉温泉にある旅館「はまづる」は、今回の地震で住宅が倒壊した七尾市の夫婦に被害の少なかった客室を貸しています。修繕すればほかにも10室ほどが使えるということで、別の被災者からも問い合わせが来ているということです。
部屋を借りることになった男性は「助けてもらって生活するしかないので助かります。倒壊した家は建て直すつもりです」と話していました。
今回の地震で、石川県を代表する観光地のひとつして知られる七尾市の和倉温泉では、20あまりある旅館やホテルなどが大きな被害を受け、すべて休業しています。再開のめどは立っていないということです。
《医療の支援》
石川 珠洲 薬局機能備えた特殊な車両派遣
今回の地震で被災した人たちに薬を提供できる体制を整えようと日本薬剤師会は薬局の機能を備えた特殊な車両を石川県内で初めて珠洲市に向けて派遣しました。
日本薬剤師会が珠洲市に派遣するのは、店舗の薬局のように▽錠剤を入れる棚や▽薬を小分けにする機械など、薬の処方に必要な機材が備えられた「モバイルファーマシー」と呼ばれる特殊な車両です。
石川県薬剤師会によりますと、こうした車両が県内の被災地に派遣されるのは今回が初めてで、現地では災害医療チームの医師が出した処方箋に基づいて、被災した人たちに薬を提供する予定だということです。
日本薬剤師会は今後、県薬剤師会と調整し、輪島市や穴水町にも同様の車両を派遣することを検討しています。
《小売り》
ファミリーマート 能登地方で新たに5店舗が営業再開
コンビニ大手のファミリーマートは、7日午前8時までに石川県の能登地方で新たに5店舗が営業を再開したということです。
ただ、石川県内では能登地方の北部を中心に今も18店舗が休業しています。
また、富山県内では休業が続いていた1店舗が再開し、富山県の店舗はすべて営業再開しました。
《運輸》
ヤマト運輸 一部地域で配送再開
ヤマト運輸は、7日から石川県の▽羽咋市と▽宝達志水町の全域、それに、▽志賀町の一部地域で配送を再開しました。
また、営業所で荷物の発送を受け付けているほか、自宅など指定された場所に出向いて荷物を預かる集荷も再開しました。
一方、▽七尾市と▽中能登町でも7日から荷物の配送を再開しました。
▽七尾市と▽中能登町では営業所で荷物の発送は受け付けていますが、自宅などでの集荷はできないということです。
いずれの地域も、荷物の配送は大幅に遅れる可能性があるとしています。
《自治体・警察の動き》
茨城県内の自治体職員 石川 能登町に派遣
能登半島地震で大きな被害を受けた石川県能登町で避難所の運営や町の業務を支援するため、茨城県内の自治体の職員が7日朝、現地に出発しました。
石川県能登町に派遣されるのは、茨城県と、水戸市、北茨城市、笠間市など市町村の職員合わせて18人で、7日午前、県庁の駐車場で出発式が行われました。
この中で県防災・危機管理部の山崎剛部長は「被災地では多くの方が大変な生活を強いられている。被災者に寄り添った支援をお願いしたい。安全第一で向かってほしい」とあいさつしました。
今回派遣される職員は、8日から能登町で、すでに現地にいる県の職員と合流して、▽避難所の運営や▽り災証明書の発行など町の窓口業務の支援にあたるということです。
茨城県内からの職員の派遣は今後も続けるということで、今回派遣された県営業戦略部の渡辺達彦チームリーダーは出発を前に「被害の全容がまだ把握できず、被災者は心を痛めていると思うので、寄り添いながら支援をしていきたい」と話していました。
富山県警 広域緊急援助隊を石川に派遣
能登半島地震の被災地で人命救助や捜索活動にあたるため、富山県警察本部の広域緊急援助隊などが7日朝、石川県に向けて出発しました。
石川県に向かったのは富山県警広域緊急援助隊の隊員など28人で、7日朝、富山市にある機動隊の庁舎で出発を前にそれぞれの荷物や毛布などをバスに積み込みました。
現地に向かう車両は、隊員の移動用のバスや乗用車、がれきの撤去に使う重機、それにスコップをはじめとした道具を積んだトラックなどあわせて6台です。
部隊は7日午後、金沢市を経由して輪島市内で人命救助や捜索活動にあたる予定で、現地には5日ほど滞在するということです。
《そのほかの支援の動き》
AIに相談できるサービス無料公開
国が用意しているさまざまな被災者支援についてAI=人工知能に相談できるサービスを東京のIT関連会社が開発し無料で公開しています。
東京に本社があるIT関連会社「Nan Naru」の社長、坪坂有純さんは今月1日、富山市の実家に帰省中に地震の被害にあいました。
坪坂さんは社員たちと協力して被災した人たちが、国が用意しているさまざまな被災者支援についてAIに相談できるサービスを開発し地震の翌日から無料で公開しています。
AIとのチャットに困りごとを相談すると、AIが国が用意しているおよそ100の被災者支援のデータベースの中から最適な支援策を探し出して答えてくれます。サービスは会社のホームページから利用できます。