イスラエルの軍事作戦が続く中、解放に向けたハマスとの交渉は進展が見られず、事態の打開の見通しは立っていません。
戦闘開始から100日 人質解放めぐる交渉 進展見られず
イスラエルのテルアビブでは13日夜、ガザ地区で拘束されているとみられる人質130人以上の解放を呼びかける24時間の集会が始まりました。
人質の家族や支援者などが解放を訴えるスピーチをすると、集まった人たちは「いますぐ解放を」などと一斉に声を上げていました。
息子が人質になっている男性は「政府はどんな対価を払ってでも人質を連れ戻すべきだ。愛する人たちが生きて帰ってくるためにも、新たな交渉が実現することを願う」と話していました。
こうした中、イスラエル首相府は12日、ハマス側とカタールを通じた交渉の結果、人質に必要な医薬品を届け、その引き換えにガザ地区への支援物資としてより多くの医薬品の搬入を認めることで合意したと発表しました。
しかし、人質の解放をめぐる交渉には進展が見られません。
ハマスは交渉に応じる条件として、イスラエルによるガザ地区への軍事作戦の停止を求めていますが、イスラエル軍は攻撃を続けていて南部ハンユニスなどでハマスの戦闘員を殺害したと13日、発表しました。
中東の衛星テレビ局アルジャジーラは、南部ラファの住宅へのイスラエル軍の爆撃で2歳の女の子を含む14人が亡くなったと伝えていて、ガザ地区の保健当局は13日、これまでの死者数は2万3843人に上るとしています。
地元メディアでは今月、ハマスが人質を段階的に解放するのと引き換えに、イスラエル軍がガザ地区から撤退し、ハマスの指導者を他国に亡命させることをカタールが提案していると報じられました。
しかし、ハマスは報道の直後にこれを否定し、イスラエル側も「双方はいかなる合意からも程遠い」とコメントしています。
集会に集まった人たちは
イスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が始まってから14日で100日となるのを前に、イスラエルのテルアビブ中心部の広場では、一刻も早い人質の解放を実現するよう訴える集会が開かれました。
38歳の息子が人質になっているギラド・コンゴルドさんはNHKの取材に対し「人生のすべてが変わってしまった。政府はどんな対価を払ってでも人質を連れ戻すべきだ。愛する人々が生きて帰ってくるためにも新たな交渉が実現することを願う」と訴えていました。
また、友人が人質になっているという30代の女性は「もうすぐ100日がたってしまう。こんな状況は受け入れられない。政府は人質のことを最優先に考え、何らかの合意を見いだすべきだ。どんな条件であっても人質全員を連れ戻すことを優先すべきだ」と話していました。