米べい 去年きょねん10月つき～12月つきGDP 25日にち発表はっぴょうへ 経済けいざいの堅調けんちょうさ示しめされる形かたちか

アメリカの去年きょねん10月つきから12月つきまでのGDPは日本にっぽん時間じかんの25日にち午後ごご10時半じはんに発表はっぴょうされます。

GDPの予測よそくを発表はっぴょうしているFRB＝連邦れんぽう準備じゅんび制度せいど理事りじ会かいのアトランタ地区ちく連銀れんぎんの最新さいしんデータでは、前まえの3か月かげつと比くらべた実質じっしつの伸のび率りつが年率ねんりつに換算かんさんしてプラス2.4％となっているほか、市場しじょうの予測よそくでも6期き連続れんぞくのプラス成長せいちょうになるとの見方みかたが広ひろがっています。

年末ねんまつ商戦しょうせんが好調こうちょうで、小売こうり業ぎょうの売上うりあげ高だかが先月せんげつまで2か月かげつ連続れんぞくで前まえの月つきを上回うわまわるなどGDPのおよそ7割わりを占しめる個人こじん消費しょうひが全体ぜんたいをけん引けんいんしているうえ、政府せいふの財政ざいせい支出ししゅつが増加ぞうかしていることなどが要因よういんと指摘してきされています。

市場しじょうでは、FRBがことし3月つきの会合かいごうで利下りさげを始はじめるという観測かんそくが出でていますが、アメリカ経済けいざいの堅調けんちょうさが続つづけば利下りさげの開始かいしはずれ込ずれこむという見方みかたも出でていて、GDPの内容ないようが注目ちゅうもくされそうです。

今後こんごの見通みとおし 専門せんもん家かはどうみるか

アメリカ経済けいざいの見通みとおしやFRB＝連邦れんぽう準備じゅんび制度せいど理事りじ会かいの今後こんごの金融きんゆう政策せいさくについて、JPモルガンのチーフエコノミスト（アメリカ経済けいざい担当たんとう）マイケル・フェローリ氏しに聞ききました。

Q:第だい4四半期しはんきのGDP＝国内こくない総そう生産せいさんの成長せいちょう率りつの予想よそうは？

A:プラス2％前後ぜんご、もしくは2％をわずかに上回うわまわると見みている。

これは数すうか月かげつ前まえのわれわれの予想よそうより強つよい経済けいざい成長せいちょうだ。

分析ぶんせきは難むずかしいが、その要因よういんの1つは、政府せいふの積極せっきょく的てきな財政ざいせい支出ししゅつだと考かんがえられる。

財政ざいせい支出ししゅつは、FRBの利上りあげの影響えいきょうを受うけにくく、実際じっさいに雇用こようが増ふえているのも政府せいふ部門ぶもんが多おおい。

ただ、金利きんりの動向どうこうに敏感びんかんな住宅じゅうたくセクターや設備せつび投資とうしなどは、FRBによる利上りあげの影響えいきょうを受うけていると思おもう。

Q:米まい経済けいざいは堅調けんちょうも財政ざいせい赤字あかじ大だい 今後こんごの見通みとおしと景気けいきへの影響えいきょうは？

A:完全かんぜん雇用こようが達成たっせいされているような状況じょうきょうで、GDPの6％前後ぜんごの赤字あかじを垂れ流たれながし続つづけているのは懸念けねん材料ざいりょうだ。

しかし、財政ざいせい赤字あかじをすぐに縮小しゅくしょうさせるような行動こうどうを取とることは政治せいじ的てきには難むずかしく、今後こんごも財政ざいせい政策せいさくに大おおきな変更へんこうはないと考かんがえられる。

このため、長期ちょうき的てきには財政ざいせい赤字あかじの問題もんだいが懸念けねんされるリスクになる。

Q:米まい経済けいざいの今後こんごの見通みとおしとリスクをどう見みているか？

A:今後こんごは、少すこしずつではあるが財政ざいせい支出ししゅつが減少げんしょうしていき、FRBの金融きんゆう引き締ひきしめの影響えいきょうが広ひろがっていくことなどを踏ふまえると、景気けいきは減速げんそくしていくと見みている。

（中東ちゅうとう情勢じょうせいなど）地政学ちせいがく上じょうの問題もんだいも懸念けねんされる。

いまは避さけられているエネルギー価格かかくの高騰こうとうが、今後こんごも避さけられるとは考かんがえにくい。

Q:FRBの金融きんゆう政策せいさく、いつ利下りさげを開始かいしすると見みているか？

A:6月つきに利下りさげを開始かいしし、その後そのご、年内ねんないすべての会合かいごうで、合あわせて5回かいの利下りさげを行おこなうと予想よそうしている。

市場しじょうが早はやければ3月つきにも利下りさげすると見みているのには少すこし驚おどろいている。

18日にちに発表はっぴょうされた失業しつぎょう保険ほけんの申請しんせい件数けんすうが過去かこの約やく2年間ねんかんで最低さいていとなるなど、労働ろうどう市場しじょうは依然いぜんとして非常ひじょうにひっ迫ひっぱくしており、FRBは利下りさげのタイミングを決きめるのに慎重しんちょうになるだろう。

また、FRBが保有ほゆうする国債こくさいなどの金融きんゆう資産しさんを圧縮あっしゅくする「量的りょうてき引き締ひきしめ」は、3月つきの会合かいごうの後のち、ペースを落おとすと見みている。

2019年ねんと同様どうように、「量的りょうてき引き締ひきしめ」を止とめる前まえに、ペースを落おとすパターンを踏襲とうしゅうすることになるだろう。

Q:今後こんごの金融きんゆう政策せいさくを見通みとおすうえで注目ちゅうもく点てんは？

A:労働ろうどう市場しじょうのデータに注目ちゅうもくすべきだと思おもう。

雇用こようの伸のびが急速きゅうそくに鈍化どんかするようなことがあれば、FRBは大幅おおはばな利下りさげを踏み切ふみきる決断けつだんを急いそぐことになるかもしれない。