自民じみん 政治せいじ刷新さっしん本部ほんぶ 中間ちゅうかん取とりまとめ案あんを大筋おおすじで了承りょうしょう

派閥はばつの政治せいじ資金しきんパーティーをめぐる事件じけんを受うけて、自民党じみんとうの「政治せいじ刷新さっしん本部ほんぶ」は、すべての議員ぎいんを対象たいしょうにした会合かいごうを開ひらき、中間ちゅうかんとりまとめの案あんをめぐって意見いけんを交かわしました。

案あんでは、冒頭ぼうとう、今回こんかいの事件じけんについて「自民党じみんとうとして真摯しんし（しんし）に反省はんせいするとともに国民こくみんに深ふかくおわびし、関係かんけい者しゃによる明確めいかくな説明せつめい責任せきにんに加くわえ政治せいじ責任せきにんのあり方ありかたも結論けつろんを得えていく」と明記めいきしています。

そして、政治せいじ資金しきんの透明とうめい性せいを高たかめるため

▽派閥はばつの収支しゅうし報告ほうこく書しょの提出ていしゅつに外部がいぶ監査かんさを義務ぎむづけ

▽会計かいけい責任せきにん者しゃが逮捕たいほ・起訴きそされた場合ばあいに議員ぎいんを処分しょぶんできるよう党則とうそくを改正かいせいするとしています。

また、

▽国会こっかい議員ぎいんの政治せいじ資金しきんパーティーの収入しゅうにゅうは銀行ぎんこう振り込ふりこみを基本きほんとし

▽収支しゅうし報告ほうこく書しょはオンラインで提出ていしゅつするとしています。

そして、

▽各党かくとうと真摯しんしな協議きょうぎを行おこない、政治せいじ資金しきんの透明とうめい化かや公開こうかい性せいの向上こうじょう、逮捕たいほされた議員ぎいんの報酬ほうしゅうのあり方ありかたなどについて政治せいじ資金しきん規正きせい法ほうの改正かいせいなど必要ひつような法ほう整備せいびを速すみやかに行おこなうとしています。

一方いっぽう、派閥はばつについては本来ほんらいの「政策せいさく集団しゅうだん」に生まれ変うまれかわるため、カネと人事じんじから完全かんぜんに決別けつべつすると説明せつめいし、具体ぐたい的てきな方策ほうさくとして

▽政治せいじ資金しきんパーティーの開催かいさいを禁止きんしし

▽冬ふゆと夏なつに派閥はばつを通をつうじて議員ぎいんに活動かつどう費ひを配くばるいわゆる「もち代だい」と「氷こおり代だい」を廃止はいしするとともに

▽活動かつどうを党とう本部ほんぶで行おこなうなど支出ししゅつを抑おさえる工夫くふうをするとしています。

さらに、

▽人事じんじの働はたらきかけや協議きょうぎは行おこなわず

▽政治せいじ資金しきん規正きせい法ほう違反いはんなどが明あきらかになった場合ばあいは、党とうが審査しんさし、事案じあんに応おうじて解散かいさんや一定いってい期間きかんの活動かつどう休止きゅうしを求もとめることも盛り込もりこんでいます。

とりまとめの案あんは大筋おおすじで了承りょうしょうされ、今後こんごの対応たいおうを本部ほんぶ長ちょうを務つとめる岸田きしだ総理そうり大臣だいじんに一任いちにんしました。

自民党じみんとうは25日にちにも総務そうむ会かいを開ひらき、中間ちゅうかんとりまとめを決定けっていする方針ほうしんです。

岸田きしだ首相しゅしょう「決意けついと覚悟かくごをもって議論ぎろんを取とりまとめた」

岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは、自民党じみんとうの「政治せいじ刷新さっしん本部ほんぶ」の会合かいごうのあと記者きしゃ団だんに対にたいし「『政治せいじは国民こくみんのため』との立党りっとうの原点げんてんに立ち戻たちもどり、わが党とうみずからが変かわらなければならないという決意けついと覚悟かくごをもって議論ぎろんを取とりまとめた」と述のべました。

自民党じみんとうの派閥はばつの政治せいじ資金しきんパーティーをめぐる事件じけんで立件りっけんされていない安倍あべ派はの幹部かんぶらの処分しょぶんについて問とわれ、「まずやらなければならないのは関係かんけい者しゃによる明確めいかくな説明せつめい責任せきにんを果はたさせるということだ。政治せいじ責任せきにんのあり方ありかたは党とうとして結論けつろんを得えていきたい。党とうとしても対応たいおうを考かんがえる」と述のべました。

また記者きしゃ団だんに対にたいし「政策せいさく集団しゅうだんといえども今後こんご、政治せいじ資金しきんパーティーは一切いっさい認みとめず、資金しきん集あつめはさせない。人事じんじについても一切いっさい関与かんよを認みとめない。万一まんいち、違反いはん行為こういがあれば、政策せいさく集団しゅうだんは解散かいさんしてもらうこととなる」と述のべました。そして「これはわが党とう再生さいせいに向むけての第だい一いち歩ほであり、私わたし自身じしんが先頭せんとうに立たってこの第一歩だいいっぽを実行じっこうしていく」と強調きょうちょうしました。

中間ちゅうかんとりまとめの案あんに派閥はばつの全廃ぜんぱいが盛り込もりこまれなかったことについて「派閥はばつありきの自民党じみんとうから完全かんぜんに脱却だっきゃくする。そのために派閥はばつからお金おかねと人事じんじを切り離きりはなし遮断しゃだんする。それによって、いわゆる派閥はばつを解消かいしょうし、真しんの政策せいさく集団しゅうだんになってもらう」と述のべました。また記者きしゃ団だんが、麻生あそう派は、茂木もぎ派は、森山もりやま派はの解散かいさんまで踏み込ふみこむ考かんがえはないか質問しつもんしたのに対にたいし「3つの派閥はばつについても新あらたなルールに従したがってもらう。　その意味いみで3つの派閥はばつもいわゆる派閥はばつではなくなるということだと考かんがえている」と述のべました。

菅かん前ぜん首相しゅしょう「これからが大事だいじ」

「政治せいじ刷新さっしん本部ほんぶ」の最高さいこう顧問こもんを務つとめる菅かん前ぜん総理そうり大臣だいじんは記者きしゃ団だんに対にたいし「中間ちゅうかんとりまとめは方向ほうこう性せいなのでこれからが大事だいじだ。これに基もとづいて行動こうどうできるかどうかだ」と述のべました。

そしてみずからは派閥はばつを解消かいしょうすべきと主張しゅちょうしていたことについて「党とうとして方向ほうこう性せいが一体いったいであった方ほうが国民こくみんから理解りかいされると思おもう。そういう意味いみで、派閥はばつの問題もんだいはこれから一番いちばんの焦点しょうてんになるだろう」と述のべました。

岩屋いわや元もと防衛ぼうえい相しょう「改革かいかくを進すすめる土台どだいができた」

麻生あそう派はの岩屋いわや元もと防衛ぼうえい大臣だいじんは記者きしゃ団だんに対にたいし「従来じゅうらいの『派閥はばつ』を解消かいしょうすることがしっかり盛り込もりこまれたので、自民党じみんとうが共通きょうつうの認識にんしきに立たって改革かいかくを進すすめる土台どだいができた」と述のべました。

また、立件りっけんされていない安倍あべ派はの幹部かんぶらの責任せきにんについて「関係かんけい者しゃはしっかりと説明せつめい責任せきにんを果はたさなければならないが、やみくもに処分しょぶんするわけにはいかない。公平こうへい・公正こうせいでなければならず、　党とうが司直しちょくを上回うわまわる調査ちょうさを行おこなうのは困難こんなんではないか」と述のべました。

古川ふるかわ衆院しゅういん議員ぎいん 安倍あべ派はの幹部かんぶらは「政治せいじ的てきな責任せきにん残のこっている」

茂木もぎ派はの古川ふるかわ康やすし・衆議院しゅうぎいん議員ぎいんは記者きしゃ団だんに対にたいし「派閥はばつを解散かいさんすべきとは思おもっていないが、国民こくみんが信頼しんらいできる存在そんざいでなければならない。夏なつと冬ふゆの手当てあてがなくなるのは痛いたいが、政策せいさくを語かたりさまざまなことを教おしえあう政策せいさく集団しゅうだんとして存在そんざいする意味いみはある」と述のべました。

また、立件りっけんされていない安倍あべ派はの幹部かんぶらについては「政治せいじ的てきな責任せきにんは残のこっている」と述のべ、党とうとして処分しょぶんを検討けんとうすべきだという考かんがえを示しめしました。

谷たに 前ぜん国家こっか公安こうあん委員いいん長ちょう「派閥はばつの解消かいしょうが明確めいかくでないとの意見いけんもある」

二に階かい派はの谷たに 前ぜん国家こっか公安こうあん委員いいん長ちょうは記者きしゃ団だんに対にたいし「説明せつめいすべき人ひとが今いまなお説明せつめいしていないことが国民こくみんの信頼しんらいを得えられない大おおきな原因げんいんではないかと発言はつげんした。きょう出でた中間ちゅうかんとりまとめの案あんの方向ほうこう性せいでやってほしいが、『派閥はばつの解消かいしょうが明確めいかくでない』という意見いけんも少すくなからずあった」と述のべました。

石破いしば元もと幹事かんじ長ちょう「派閥はばつ無なくなるのか 存続そんぞくかよく分わからない」

無む派閥はばつの石破いしば元もと幹事かんじ長ちょうは記者きしゃ団だんに対にたいし「派閥はばつが無なくなるのか、存続そんぞくしていくのかがよく分わからない。国民こくみんが『よし、分わかった』ということにならないと、選挙せんきょで国民こくみんが厳きびしい判断はんだんをすることになりかねず、そうならないよう努力どりょくするのがわれわれの務つとめだ」と述のべました。

小泉こいずみ元もと環境かんきょう相しょう「党とう運営うんえいに大おおきなインパクト」

無む派閥はばつの小泉こいずみ元もと環境かんきょう大臣だいじんは記者きしゃ団だんに対にたいし「派閥はばつから人事じんじとカネを完全かんぜんに遮断しゃだんすると決きめたことは間違まちがいなく党とう運営うんえいに大おおきなインパクトを与あたえる。国民こくみんに分わかりやすく説明せつめいし、党とうの活性かっせい化かと政治せいじの信頼しんらい回復かいふくにつながるよう進すすめなければならない」と述のべました。

その上うえで、立件りっけんされていない安倍あべ派はの幹部かんぶらを党とうとして処分しょぶんすべきか問とわれ「幹部かんぶに対にたいする中堅ちゅうけん・若手わかて議員ぎいんの不満ふまんや怒いかりは感かんじる。しっかりとけじめをつけてもらいたいと思おもっているのではないか」と述のべました。